名曲691 「Keep Tryin'」【宇多田ヒカル】

ーーずーーーっと、意識が遠のきそうな神々しさーー

【宇多田ヒカル - Keep Tryin'】

 宇多田ヒカルは久しぶりに取り上げる。三度の飯よりシティポップや昔の曲が好きな私。だが90年代以降の、00年代の音楽を全否定できない理由のひとつが彼女の存在である。

 ひれ伏すほどの天才といって差し支えない存在だ。私は過去にも書いたかもしれないが、宇多田ヒカルをガチ恋レベルで好んでいたほど。というのもPVが毎回かわいいのである。罪な存在よ。今回取り上げる宇多田ヒカルも、コスプレ要素多めで素晴らしい(恍惚)。

 この曲の思い出としては、やはりauリスモのCMだろうか。当時はリスがふんふんと聞いていただけの殺風景さがauの特徴だった。いまの感じではなく。そこで流れる曲がどれもこれもセンスの塊ばかりで、つい聞いてみたくなるにふさわしかった思い出。元々宇多田ヒカルはそれほどでもなかったのだが、そのくらいの時期から本格的に好きになったのを覚えている。

 あとは大人になってから、改めて音楽性の秀逸さがわかったこともある。数多くの女性アーティストがいるが、メロディーは本当に似た存在が見当たらない独自路線。別角度、いや別次元から飛んできたかのような斬新なものが多く、10年以上経ったいまでも不変である。さすがに第一線とはいえないが、いまをときめくアーティストたちのそれと正面衝突で対決させたらまだまだ勝ちそうな気がする。

 サビは宇宙、真空を思わせる最高傑作級。「ずーーーっと」のところがたまらない。いつもそこで心臓が締め付けられそうになるのだ。いまはもう、時の流れの早さという要素も合わさって余計にきつい。ちなみに私が来世で自慢しようと思うのは、宇多田ヒカルの音楽を生で聴けていたことだ。300年後の人間が羨ましがるに違いない。


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