名曲575 「てんとう虫のサンバ」【チェリッシュ】

ーー定番曲といえば、やっぱり50年後もこれーー

【てんとう虫のサンバ】

 6月といえば、ジューンブライド。なぜそういう風習ができたのかは正直謎である。元々はヨーロッパ発祥(英語なんだからそりゃそうだ)のようだ。6月に結婚したカップルが幸せになれる。そういう理由があるそうだ。諸説あるのでこの辺で。日本はなんでも諸外国の文化を取り入れるので、これも例によって我が国の如く定番化している。

 結婚ソングといえば、「てんとう虫のサンバ」。なぜそういう風習ができたのかは正直明白である。ただただ、名曲なだけであったからだ。ほかに理由はない。1973年に発売されたこの曲だが、現在も受け継がれており、若者の結婚式で流していることもあるそうだ。恐らくは両親の影響があるのだろう。

{あなたと私が夢の国 森の小さな教会で 結婚式をあげました 照れてるあなたに虫達が くちづけせよとはやしたて そっとあなたはくれました}

{赤青黄色の衣装をつけた てんとう虫がしゃしゃり出て サンバにあわせて踊りだす 愛する二人に鳥達も 赤いリボンの花かごと 愛のくちづけくれました}

 メロディーも歌詞も何もかもがポップで、聴く者すべてが幸せになれそうな曲である。これはかなり完成度が高い。結婚式場で流すのにちょうどいいリズム。式場全体で合唱したくなるかのような。ここまで絶賛するのには理由がある。あんまりしたくはないが、別の曲と比較をしてみたい。

 平成の結婚ソングといえば、安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」や木村カエラの「butterfly」が挙げられるだろう。どちらも名曲の中の名曲だ。しかしこれは個人的に結婚式で流すのはどうかと思うのである。

 というのも、曲調がポップではないのだ。どちらかというと涙を誘う。愛する娘が去っていくところがどうもクローズアップされ過ぎている。これはねえ、正直好きじゃない。やっぱり結婚式では笑顔にならなきゃいけませんよ。せっかくの幸せなイベントなんですから。

 そこで昭和の再登場だ。ポップな結婚ソングの完成形、「てんとう虫のサンバ」である。うーん、もしかしたらこの曲を超えるものが難しいから、涙を誘う路線に皆シフトしていったのかもしれない。そう推測できるほど、この曲は偉大だ。

 いいじゃないか。老若男女が似合う曲ってあんまりない。子どもも歌いやすいし、美しい婦人、ダンディーな紳士もしっくりくる。改めてすごい。この夫婦のように私も歌いたいなあ。いつ結婚できるかなあ。

       【今日の名歌詞】

赤青黄色の衣装をつけた てんとう虫がしゃしゃり出て サンバにあわせて踊りだす


 

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