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名曲73 「P.S. I Love You」【Pink Sapphire】

ーー強気そうな女性が歌う恋の歌は3倍増しで心打たれるーー

【P.S. I Love You】

女性バンドはどうして心惹かれてしまうのだろうか。バンドは元来男性のイメージが強いのもあるが、男性シンガー顔負けのパワフルな歌声を持つ女性が、男性を超えていくさまが爽快だからかもしれない。

ピンクサファイアは90年代に活躍した。女性4人組ということもあり、当時は話題になったようだ。この曲はデビュー曲。いきなりこんな名曲を引っさげての登場とあっては、世間が放っておくわけにはいかない。

サビは秀逸そのもの。

{Burning Love だって心は もっともっと叫んでる いつでも私だけ抱きしめて Burning Heart 熱い鼓動は ずっとずっと止まらない この想い伝えたいの P.S.I LOVE YOU}

メロディーもそうだがボーカルの張り上げた声がまた素晴らしい。この歌詞でバラード調、渋い歌声の人が歌っていたら曲が死んでしまったであろう。歌詞の中身もいい。ちょっとパンクで強気そうな女性が歌うのも男心をくすぐる。ところでバーニングラブをバニラと歌うのは私だけではないはず。

タイトルにあるP.S.の表現は時代を感じる。もう今は手紙でやりとりする時代ではない。LINEであれば追伸もすぐにできるのだ。だからこそ味がある。そんな肝心の内容をP.S.で送るのもいじらしくていい。P.S.のほうが重要な話題というのがロマンティックだ。

ピンクサファイアは2014年に再結成をされたとのことで、YouTubeで音源があった。

聴いてみるとシングル版とは声質が違うもののパワフルさは健在、いやむしろ現在のほうが好きな人もいるだろう。この歳を取って再結成というパターンが私は好きだ。思わず妄想する。

普段は子どもを抱えた普通の主婦で、近所の子どもたちからはオバサンと呼ばれている。そんなオバサンの元にかつてのバンドメンバーが揃う。突如4人揃って近所の公園に集結。子どもたちだけに向けたゲリラライブが開催された。そこでこんな歌声を披露したら、どうだろう。もう子どもたちは次の日からオバサンとは呼べない。彼女たちも昔取った杵柄という形で謙虚な姿勢。以降、再び4人が揃うことはなかった。子どもたちはあの日のことは夢だったのかとオバサンを見る……モニタリングみたいになってしまった。

小説も書いてみたくなる今日この頃。

【今日の名歌詞】

この気持ち受け止めてよ P.S.I LOVE YOU



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