名曲140 「the flag」【小田和正】
ーー小田和正の真骨頂ーー
財津和夫に続いて今回は小田和正の青春ソングを。ちなみに私が小田和正の中で一番好きな曲である。今回は動画なし。
{たゞ 若かったから それだけのことかな あの頃 僕らは 傷つけ合っていた 汚れなき想いと 譲れない誇りと 迷いのない心は どこへ行ったんだろう}
正直ピンとこない方も多いと思う。この歌詞がもし小田和正自身のことだとすれば合点がいく。当時は学生運動やらで国が不安定だった。あの頃の記憶ではないか。
{あの時掲げた 僕らの旗だけが 今も揺れている 時の風の中で }
今も揺れている。それは現実の中ではなく、時の風の中でだ。余談だが小田和正は風が大好きである。
{それからの 僕らに 何があったんだろう 変わってしまったのは 僕らの方なんだ 自由な翼を 僕らは たたんで 二度と そこから 飛び立つことはなかった}
きっと沈静化されてしまったのだ。それでもあの時国を変えようと燃え上がっていた記憶は美しかったに違いない。今の自分を後悔しているかのように。
{やがていつの日か この国のすべてを 僕らが この手で 変えてゆくんだったよね 僕らが この手で すべてを}
美しいメロディだが歌詞は熱い。
{こゝから 行くべき その道は どこかと できるなら もう一度 捜さないか 戦える 僕らの武器は 今 何かと それを見つけて こゝへ 並ばないか}
{僕は諦めない 誰か聞いているか 僕はこゝにいる 誰かそばにいるか}
まだ火は消えていなかった。きっと変えていけるはず。
{やがていつの日か この国のすべてを 僕らが この手で 変えてゆくんだったよね あの時掲げた 僕らの旗だけが 一人揺れている 時の風の中で}
サビのメロディは史上最高クラスといっていい。締め方も歌詞も見事。私のトータルベスト20に入るレベルだ。
記憶がおぼろげなので信憑性はないが、確かこの曲を発表したときに「俺はまだやれるじゃないか」と感じ、周りも「小田さんまだまだやれますね」といった評価を得たと、どこかで見たことがある。確かそのくらい手応えがあるんじゃなかったかと。
シングルにしてもいいのではないかと思ったが、後の自己ベストで収録された。評価されていたとわかり嬉しい限りである。シングルだと、ちょっと刺激が強かったのかもしれない。時の風の中ではためかせていてほしい。
【今日の名歌詞】
あの時掲げた 僕らの旗だけが 今も揺れている 時の風の中で
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?