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(音楽話)63: The B-52’s “Love Shack” (1989)

【おバカ】

The B-52’s “Love Shack” (1989)
https://www.youtube.com/watch?v=9SOryJvTAGs

私が紹介する曲は暗いものが圧倒的に多いーふと気づきました。性格なのでそれは仕方ないとすぐに思いましたが、いや、私だって明るい音楽好きですよ、ということで今回はThe B-52’sにしました笑

80年代のMTV隆盛の中売れに売れたバンドで、日本でもラジオ番組でよくかかってましたし、洋楽番組でも紹介されていました。サウンドはニューウェーヴというか60年代のゴーゴーのようでユニーク、ビジュアルは誇張されたアメコミの登場人物…子供〜大人まで楽しむことのできるエンタテインメント・バンドです。
1976年米国ジョージア州アセンズで結成。Fred(Vo/Perc)、Kate(Vo/Key)、Cindy(Vo/Perc)、Ricky(Gt)、Keith(Dr)がオリジナル・メンバー(CindyとRickyは妹・兄)。当初はFredの詩の朗読+演奏というアヴァンギャルドな音楽性で活動していたようですが、70年代末〜80年代初のニューウェーヴを取り入れて大化け。ペタペタなシンセ音とスカスカなリズム・セクションをバックに、Fred/Kate/Cindyの3人が歌う。特にFredとKateの声が特徴的・象徴的で、声を聞いただけで一発で彼らと分かる強みを持っていました。もちろん見た目のインパクトは言うまでもありません。
ヒット曲の多かった彼らですが、85年にRickyがエイズで急逝、バンド存続の危機に立ちます。そこでKeithがスティックをピックに持ち替えその後はギター担当になり凌ぎましたが、兄の喪失は妹的に相当キツく、90年Cindyは活動を休止します。残った3人は活動を継続して彼女の帰りを待ち、96年にCindyはバンドに復活、以降コンスタントに現在も活動しています。

ここだけの話、私は幸運にも彼らのライヴを体験しています。忘れもしない99年の夏、某外資系企業で働いていた私は、米国サンフランシスコで開催された全世界対象の社員総会的なイベントに参加しました。その後夜祭になんと、彼らが出演したのです。彼らがステージに出てきた瞬間、歓喜して周りにいる見知らぬ外国人たちと大はしゃぎしたことを覚えています。”Good Stuff”、”Party out of Bounds”、”(Meet) The Flintstones”などを生で聴くことができたのです。嬉しかったなぁ…。
(”Flintstones”は94年の映画「フリント・ストーン モダン石器時代」の主題歌。「ヤーバダバドゥー!!」の叫び声で有名なアニメ「フリント・ストーン」の実写化。John Goodman主演、Halle BerryやKyle MacLachlan、Elizabeth Taylorも出演…大コケしたので恐らく出演者的には黒歴史でしょう笑)

その後夜祭で最も盛り上がった曲が、この”Love Shack”。40代以上の米国人でこの曲知らない人はいないであろう、彼らの代表曲です。”Shack”は”(掘立て)小屋”の意。”愛の小屋”…お分かりですね?笑
ちなみにPVで歌っている女性2人、髪を下ろしている背の小さい方がKate、頭の上でまとめている背の大きい方がCindyです。歌詞は…”愛の小屋”がテーマの曲です、訳すのは野暮なので止めておきます。

誤解を恐れずに言うと、こういうおバカな歌、いいですよね。本当に素直で、単純で、くだらなくて、おバカ。でもこんな能天気さが、鬱屈した世界には時に必要です、今日も生きるために。

(紹介する全ての音楽およびその動画の著作権・肖像権等は、各権利所有者に帰属いたします。本note掲載内容はあくまで個人の楽しむ範囲のものであって、それらの権利を侵害することを意図していません)

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