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(音楽話)08: XTC "The Disappointed" (1992)

【失望】

XTC “The Disappointed” (1992)
https://www.youtube.com/watch?v=ZG3YTqOlIkI

曲の解説は正直どうでもいい。

私は心底、アメリカに失望しています。こんなに彼らに失望したことはない。

なんだかんだいって希望や憧れを抱いていた国。それが幻想だと分かってはいてもどこか期待していた国。民主主義だの自由主義だの散々強く推し続け他国に強要してまでも自国の「正義」を成立させようとしてきた国。

そんな「強い国」が、選挙のひとつもマトモにできない。有象無象の「疑惑」だの「決定的瞬間」だの「映像証拠」だの、真偽の程も分からない情報に右往左往してSNSで騒ぎ立てる人々と、そこに乗っかり煽ったり嗾けたりする両候補。
訳知り顔で「怪しい」「投票は不当だ」「トランプのアニキは正しい」とか騒ぐ人が、しかも日本人の中でさえ非常に多いことに驚きますが、それより自国のことでこれ以上に騒いでほしいものです。

アメリカのSNSでは今、「#counteveryvote」というハッシュタグが急速に広がっています。「どの投票もちゃんとカウントせよ」。開いた口が塞がらない。それすらできない自称・先進国、自称・世界のリーダー。

コロナ・ウイルスが落とした影が猛威を奮うのは、これからなのかもしれない。

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失望した人々は
グルグル回りながら辺りに漂ってる
彼らが掲げるプラカードは皆同じ
写真とか名前とか
彼らの心を砕いた奴らのね

失望した人々は
みんな僕の家に集まってくる
誰しも声を出して泣きじゃくってる
まるであの首長にでもなりたいかのよう
傷心一族ってやつのね

以前は、同情なんてしなかった
愛に敗れて見捨てられた人たちに対しては
でもどうやら、僕の指にある君の指輪が
僕が彼らの代弁者になることを指し示してるね

失望した人々は
僕を肩に乗せて行こうとする
秘密の影の国へと
そこには憂鬱なマーチングバンドが
傷心した人たちに演奏してるんだってさ

そうして日々は徐々に暗くなっていく
どこだって、どこだってそうさ

失望した人々は
幾百万と集まってくる
彼らはバスからこぼれ落ちていく
僕らの記念碑の前で
それは傷心の欠片でできてるんだ

以前は、同情なんてしなかった
愛に敗れて見捨てられた人たちに対しては
でもどうやら、僕の指にある君の指輪が
僕が彼らの代弁者になることを指し示してるね

失望した人々は
常に増え続けていく
彼らは太陽を黒く塗り潰す
そんな集団の底辺で
僕は傷心の王様なんだ

(XTC “The Disappointed” 意訳)

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