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(音楽話) 01: Tom Petty "Don't Fade On Me" (1994)

突然ですが、note、始めてみます。

私は旧来、Facebookに音楽レビューというか、好き勝手に自分のお気に入りの音楽をあれこれ書いてきました。しかし同時に、Facebookの皆の投稿があまりに眩しく、あまりに充実している生活ぶりに、自分の居場所の無さと苦しさを感じていました。そう思った時、それでも自己表現としての音楽評を記すことしかできそうにない私としては、非常に悩んだのですがせめてここ、noteで書いてみようと。

まぁ、これから不定期に書いていく音楽評は、あくまで私の自己満足な戯言です。そして諸々の使用許諾等があるわけではない、私用としての音楽評です。ご不快に思われたら申し訳ないです。が、もし、ここで紹介していく音楽評で、少しでもその音楽に興味を持ったり聴いてみたりする方がいれば、それは本当に、心から嬉しいことです。そんな、ひっそり、まったりな音楽話。宜しくお願いいたします。
(当面はFacebook掲載内容と同じものを転記してこちらに載せて、どんなことになるのか確認していこうと思います。慣れてきたらnoteを主体とするかもしれません)

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【ロックンロール】
Tom Petty “Don’t Fade On Me” (1994)

Tom Petty。亡くなって3年。誰かが埋めることも、替わることも、引き継ぐこともできない。

彼のソロ名義2作目アルバム「Wildflowers」(1994)が、未発表曲や自宅デモ、ライヴ音源も合わせてリパッケージされ、先日発表された。この曲は元々正規版にも収録されているもので、至ってシンプルな演奏だ(アコギ2本のみ)。

これはカントリーぽいし、ブルースのようでもあるし、フォークでもあるかもしれない。サウンドも歌詞も地味。でも根本的に、これはロックンロールだ。
(間奏のギター・ソロは、私的に、今まで聴いた全ての音楽のソロパートで5本の指に入る)

どうか、目を瞑って、音の中に身を委ねてみてほしい。曲全体が、揺れている。音の強弱や歪みの話ではない、グルーヴが波のように漂っては消えていく。実に美しい。Tomの優しい声が語るのは「(色んなことはあるにせよ)色褪せるなよ」。

多くを語らない。多くを豊かに表現しない。必要最低限の楽器と声だけで、「あなた」との出会い、思い出、そして得体の知れない悩みまで、全て見せていく。たった3分半の曲で。最終的には、「あなた」が今生きているのかどうかもわからないし、そもそも「あなた」は、歌っているTom本人かもしれない。そして私は、この曲を聴く度、心が震える。

こんな曲を書き、歌うことができた人ーーーだから皆、彼の穴を埋めることが出来ないでいる。そしてこれからも恐らく、その穴は埋まらない。

今回はあえて訳しません。各々で感じてください。

I remember you so clearly
The first one through the door
I return to find you drifting
Too far from the shore

I remember feeling this way
You can lose it without knowing
You wake up and you don’t notice
Which way the wind is blowing

Don’t fade, don’t fade on me

You were the one who made things different
You were the one who took me in
You were the one thing I could count on
Above all, you were my friend

Don’t fade, don’t fade on me

Well your clothes hang on a wire
And the sun is over head
But today you are too weary
To even leave your bed

Was it love that took you under?
Or did you know too much?
Was it something you could picture?
But never could quite touch?

Don’t fade, don’t fade on me

(Tom Petty "Don't Fade On Me")

(紹介する全ての音楽の著作権等は制作者にあります。本note掲載についてはあくまで個人の楽しむ範囲のものであって、それらの権利を侵害することを意図していません)

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