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SKY-HI『Marble』

こんにちは。

今回は、SKY-HIさんの『Marble』を紹介します。

SKY-HIさんは、グループAAAのメンバーでもあります。『Marble』は、彼が 2017年にリリースしたアルバムの表題曲です。個人的には、彼の最高傑作だと思います。


楽曲解説

最初、ピアノの前奏が終わると、英語の歌詞から始まります。

We got it, black, white, yellow, red and blue
You know there ain't no need to fight
Listen, we don't need to choose

直訳すると、以下のようになります。

黒、白、黄、赤、青
そこに争いはない
聞いて 僕たちは選ばなくていい

さらに続きます。

どんな色にしようか?
お好きに選びな坊や
混ざるようで混ざらないマーブル模様が綺麗だ
自分と違う色の輝きが羨ましい?
混ざりゃとても綺麗 汚し合うなんて馬鹿馬鹿しい
はみ出したり 間違えたり
繰り返して僕ら触れ合えたみたい
あっちこっち一人ぼっちにならないように
そうさ色んな色で出来た STORY

SKY-HIさんの歌詞は、一言だけでは意味が分かりづらい印象があります。しかしその分、楽曲を通して聴いた時に、歌詞の意味が分かるとともに情動が一気に込み上げてくる特徴があります。「塊」としか言いようのない、畳みかけるような力強い表現です。

サビの歌詞はさらに情景的な表現です。このメロディとサビの歌詞の抽象度の差が素晴らしいと思います。

空に太陽を
雨に咲く花を
君に愛をもっと
それはそれは綺麗だった
鳥に舞う自由を
風にステップを
僕に君の今日を
それはそれはとても眩しく見えた

序盤の歌詞の抽象性をサビの歌詞で開放する印象があります。この表現力は胸を打ちます。二番も同じくメロディとサビの歌詞の落差、世界観の変更によって聴く人を一気に惹きつけます。

そして、二番のサビの歌詞。

夢に賢さを
嘘に理解者を
拳に手のひらを
それはそれはとても輝いていた

二番のサビでは一番と比較し一見、「夢」「賢さ」「嘘」「理解者」といった抽象度の高い表現が並びます。しかし、これは最後の大サビに繋がる布石とも感じられます。大サビでは、やはり情景的な表現を一遍に開放します。

空に太陽を
雨に咲く花を
君に愛をもっと
それはそれは綺麗だった
鳥に舞う自由を
風にステップを
僕に君の今日を
それはそれは綺麗な色で溢れた

We got it, black, white, yellow, red and blue
You know there ain't no need to fight
Cause we're all in the same crew

それぞれの色を認めながら混ざってもいい。私たちは皆同じ船に乗っている。

理想主義的な思想は、言葉だけでは社会において容易に無視され、潰されることもあります。しかし。その分強度が増した想いを「音楽」という波に乗せて表現する。ここに、音楽家としての真骨頂があるのではないでしょうか。

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