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バッハを聴く ジャン・ロンドー ~ゴルトベルク変奏曲~

2023年に行ったコンサート(銀座 王子ホール)にジャン・ロンドーのチェンバロ・リサイタルがありました。

今回演奏されたのは、J.S.バッハ作曲の不朽の名作、
「ゴルトベルク変奏曲 BWV988」です。
アリアとそれぞれ独特の世界を持つ30の変奏曲から成るこの大曲。
100分強 休憩なし。

一音が出るまでの長い静寂。
こちらもゴクッと息を潜めます。
ジャンが弾き始めたのは最初のアリアではなく即興演奏でした。「えっ」と思わせ、集中力を高めさせます。そしてすーっと第1曲アリアへ。
……緊張が解け、リラックスします。

途中で飽きてしまうかもと思っていましたが、この長い長い音楽の旅は、逆に音にだけ集中する空間「バッハの小宇宙から大宇宙(永遠)」へと導いていただきました。

バッハは数学の原理や当時の数秘術を取り入れて構造的なしかけを行っているということで、この曲は『エネルギーの流れ』と『間』(静寂)が整理されているのだと思います。

そして演奏では、その『間』(静寂)の取り方も音楽なのだとあらためて思いました。

最後のアリア・ダ・カーポで、ようやく徐々に現実に引き戻され、ぼーっとしてました。演奏後の静寂は1分間以上続いたような。

仙人のような風貌のジャンさんの集中力はすごいものがありました。

そして思った以上にとても身長の高い方でした。


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