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『今夜はブギー・バック』を肴に酔いたい

こんにちは。
3%以下のお酒はジュースとみなしている人です。

その夜も私は元気に角ハイの500ml缶を飲んでいました。
もちろん、アルコール度数は安定の7%です。

そんな時、ふとテレビで流れた「ほろよい」の新しいCMに釘付けになりました。

なにコレ。。。
映像も曲もツボすぎる。。。!!

そして改めて『今夜はブギー・バック』を聴いたのですが、この曲「いつ、何度聴いても良い」んですよね。

原曲は1994年に発表されています。
小沢健二名義のシングルなんて8センチ盤ですよ。今や幻となっている、懐かしい長方形のCD。

なんでこんなに色あせないんだろうと思い色々調べて、私なりに考えてもみました。

いつ何度聴いても『今夜はブギー・バック』が魅力的な理由

オシャレで危うい刹那を切り取ったストーリー

まず、場面設定。
オシャレで、ちょっと非日常感があって、聴いていると普段の現実を離れて少しだけ脳内トリップできちゃうところが良い。

ジェントルメンの皆さん。
深夜のダンスフロアで見かけた素敵な女性に惹かれ、一夜だけ(かどうかは厳密には分かりませんが)口説いた、なんて経験あります?

もしくは、レイディースの皆さん。
何の気なしに立ち寄ったクラブで、イケてる男性から言い寄られ「彼氏のことなんて忘れて僕にしなよ」なんて口説かれた経験あります??

そうそう無いでしょ。
わたしゃ深夜のダンスフロアなんてリア充すぎる場所、近づくこともできません。

このオシャレさ、手の届かなさに特に田舎者は悔しがりつつ憧れてしまうわけです。

もし私があと500倍美人でスタイルが良かったら、恵比寿とかのクラブに繰り出したかもしれません。
そんな夢を見させてくれる曲世界です。

文章としての意味がほぼないラップパート

スチャダラパーの皆さん本人たちが語っていますが、この曲のラップパートは出来上がっていくにつれ意味がなくなり、最終的に「俺ってなんにも言ってねー」な内容になったそうです。

たしかに

良くないこれ?これ良くない?
良くなくなくなくなくなくない?

今でも有名なキラーフレーズです。
意味はないですが、言いたくなりますよね。

ブーツでドアをドカーッと蹴って
「ルカ―ッ」っと叫んでドカドカ行って

とかも、言葉の響きだけだもんね。
「ルカ―ッ」って叫んだことある人、います??どういう状態の時にルカーってなるのか、何度考えてもいまだに分かりません。

でも、それでいい。むしろそれがいいんです。
小沢健二パートのいわば「二枚目感」と、スチャダラパートの「三枚目感」のバランスが絶妙で、それがこの曲の大事な魅力のひとつです。

オシャレな本筋のストーリーと、このユルかっこいいラップの掛け合わせ。そしてどことなく切ないトラック。

最高以外の言葉が見つからないですね。

1994年にこのスタイルをやってみせた小沢健二とスチャダラパー、マジで天才。

カバーが出る度にブラッシュアップされ続ける

原曲のリリースは1994年ですが、それ以降、本当にたくさんのアーティストがカバーしてきました。
音源としてリリースしたり、ライブで披露された未発表のものだったり、タイアップだったり。

数が多すぎて挙げるとキリがないですが、
宇多田ヒカル、櫻井翔、KREVA、加藤ミリヤ、TOKYO No.1 SOUL SETあたりが有名でしょうか。

こうしてカバーが生まれるたびに「カバー曲から知ってオザケン×スチャダラの原曲を初めて聴く」という人が増える。
聴けば原曲も好きになる。

時代が変わっても、リレーのように新しい形でその時々のブギー・バックが生まれ、それがまた名曲となり、私たちの心に刻まれ続けていくのです。
すごい循環です。

だから、それぞれの人にとっての『今夜はブギー・バック』があるんですよね。

ちなみに私はギリ原曲から入った世代です。時の流れを感じますねぇ。

マッシュアップ相手として最高だった『水星』

tofubeatsは好きなのですが、この曲を知らなかったです。うかつでした。

なので、ほろよいのCMを見た後すぐさまAppleMusicに『水星』を発注。

めちゃくちゃええやん。

単体でめちゃくちゃええし、『今夜はブギー・バック』とマッシュアップされることで2曲の良さがより際立ってる。

ていうか別の曲でした??っていうぐらい、違和感がないです。

個人的には(Young & Fresh mix)feat. 仮谷せいらバージョンがイチオシです。

『水星』についてはこちらの記事が分かりやすくてとても良かったので、ぜひご一読を。

この記事でも言われている通り、『今夜はブギー・バック』と『水星』には同じコード進行を繰り返す構成だったりと、共通点がたくさんあります。

tofubeats氏は1990年生まれだそうなので、原曲がリリースされた時は4歳。
リアルタイムで聞いている世代ではないのに、こうやってエッセンスを受け継いだ素晴らしい曲を作るなんて、彼もまた天才です。さすがです。

私の心のベストテン第2位はこの曲でキマリです。

忘れてはならない、もう一つの名作

2016年にBEAMSから発表されたこの動画。

この年までの40年間の日本のファッション文化の移り変わりを追体験できる構成になっています。

同時に、各時代を代表するアーティストが各時代を彩った音楽ジャンルで『今夜はブギー・バック』を歌っています。
同じ1曲をアレンジを変えて繰り返すことで、ファッションだけではなく音楽の時代の変遷も見ることができます。

森高千里・野宮真貴のキュートさは半端ないし、スーパーカーからのクラムボンの流れは鳥肌だし、最後の2016年のパートでYONCEの歌を聴くと、素晴らしいを通り越して泣きそうになってきます。

これ考えた人、動画を作った人、みんな天才すぎる。

おわりに

調べていくと『今夜はブギー・バック』はもちろん『水星』もカバーやアレンジ違いがたくさん存在していることがわかり、2曲とも時代やジャンルやシーンを超えて愛される曲なのだということに感動してしまいました。

私はほとんど洋楽を聴きません。
「日本人だし、日本の音楽も素晴らしいし」と思っているからですが、そんなガラパゴス思考でいいんだろうかと疑問が頭をよぎることもたまにあります。

でも、邦楽もやっぱり捨てたもんじゃないよね。

ほろよいは私の中ではジュースなので、普段ほとんど飲まないですが
さすがに今回のCMが素晴らしすぎたので箱買いしようと思いました。

BGMはもちろん『今夜はブギー・バック』と『水星』で。

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