見出し画像

#80 ジェイソン・デルーロ『Nu King』

鈴木さんへ

 3日遅れのアップとなりました。ごめんなさい。PCがフリーズして、自分ではどうにもならず、秋葉原にまた行っていました。もうデジタルに弱いと時間の無駄が多くなってしまいます。強くなりた~い。
 さて、グリーン・デイですが、安定していますよね。1990年のデビュー以来、着実に作品を発表し続けていて、ドラッグ絡みの事件もなく…。デビュー当時、アメリカで「ポジティヴ・パンク」と言われることがあって、そこに惹かれて、私はなんと初来日公演に行っているんですよ、晴海だったかな。今となっては貴重な経験となっています。
 それから先週のお手紙の「UKのR&B」のお話、私も同意です。波長が合うのがUKなんですよね。なので、どうしてもUK贔屓となるのですが、今回紹介するのは本場アメリカのR&Bシンガーです。最近番組の関係でR&Bを多く聴いているのですが、ジェイソン・デルーロの新作に注目するきっかけはマイケル・ブーブレとのコラボ曲でした。
 ところで、鈴木さんはマムフォード&サンズは好きですか? 彼らとファレル・ウィリアムスの『Good People』もいいコラボ曲です。

ジェイソン・デルーロ『Nu King』

 9年ぶりとなる新作を知るきっかけは、前述したようにマイケル・ブーブレとの『Spicy Margarita』だった。いきなりマイケルの人気楽曲『Sway』から曲が始まって、ジェイソンの歌もラテン調と洒脱で、しかもタイトルが『スパイシー・マルガリータ』なんて。2人には”ポップ”という共通点はあるものの、ジャズとR&Bの融合は意外にも難しいと言い、彼らも当初は、苦戦したそうだ。

 でも、そんなことを一切感じさせないカッコいいパフォーマンス。ジェイソンの新作『Nu King』には27曲も収録されているんだけれど、そのうち14曲がゲストあり。ニッキー・ミナージュらヒップホップ系も大勢いるけれど、それ以外の異ジャンルのゲストがおもしろく、たとえば、『When Love Sucks』ではダイドのヒット曲『サンキュー』がフィーチャーされているし、『Hands on Me』では名曲『スタンド・バイ・ミー』を引用しながら、メーガン・トレイナーと共演していたり。この曲がまた楽しくて、気持ちが上がるのだ。

 収録曲のなかには彼が得意とするレゲトンもあるけれど、コラボ曲では自分にはない色を取り込もうとしてか、相手の音楽を尊重しているように思う。それが多彩さを生み、27曲あっても飽きない要因になっているのでは。
 よくアーティストがスタジオでの予期せぬ「化学反応」のおもしろさを口にするけれど、それが作品にもたらす効果と、これからの音楽の未来予想図を感じさせるアルバム。そういえば、ビヨンセの新作もカントリーがテーマだという。2024年は、異種融合がトレンドになるのかもしれない。
                             服部のり子



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?