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【楽譜発売記念】オリジナル曲「雨」曲解説&練習の手引き


「雨」曲解説
雨、といって思い浮かぶイメージや思い出は人それぞれ幾つか心の中にあると思いますが、それは決して明るく弾けるような喜びが伴うものでは無く、ひっそりと静かに佇んでいるようなものではないでしょうか。もしくはそのイメージや思い出を変化させ浄化したい。そんな気持ちになる人もいるかも知れません。エンディングでは雨は上がり、静かに光が差します。

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「雨」練習の手引き

*この曲を両手の初見で弾くのが難しい方はステップ0からお読みください

*初見で通せる方はステップ5を読んで頂き演奏にプラスαを…♪

*プロのピアニストさんには共感してもらえるところが少しでもあると嬉しいです

ステップ0(任意)

曲の練習に入る前に指慣らしとしてロ短調のスケール(和声短音階、旋律短音階)とカデンツを弾いておきましょう。
片手ずつでも良いです。
弾いたことがない、覚えてない方はハノンを見て弾きましょう。ハノンをお持ちではない方は「ロ短調のスケール」と「ロ短調のカデンツ」をネットで調べましょう。
心配いりません。恐らくすぐ出てきます。
(良い時代になったものですねぇ)

ステップ1「右手の練習」

今までの曲では最初に左手から練習すると良いですよ、というパターンがほとんどでしたが、この曲は右手から練習するのをお勧めします。
なぜでしょうか?
それは、この曲の右手(メロディー)は「タイが多い」、「符点四分音符の半拍伸ばしが多い」からです

楽譜を見て下さると分かるように、この曲の特徴とも言えるのですがメロディーには「タイ」、「付点四分音符」が多く、裏拍から飛び出るようなリズムが刻まれています。
これ、慣れるまではなかなか大変なんです。
ですので、右手から練習しましょう。
そして、最初はタイを取って、また付点四分音符を四分音符と八分音符に分けて弾いてみて下さい。←重要。

大事なことなのでもう一度言います。
最初はタイを取って、また付点四分音符を四分音符と八分音符に分けて機械的に、メトロノームに合わせて練習しましょう。

こういった特徴の曲のときにテンポ感を感じる演奏が出来るようになると、とても心地よく流れる音楽として聴き手に届けることが出来ます。

そうするために肝心なのは、弾きながら常に「拍感」を感じていること。
最初から最後までしっかり「拍感」を持っていることが大事です。

随分曲のイメージと違うんだけど…、と不安になるような練習ですが、最後にはこの曲らしく仕上がりますから大丈夫です!

ステップ2「楽譜通りに右手の練習」

タイ無し&四分音符と八分音符に分けて練習が一通り終わったら、次は楽譜通りに練習しましょう。

そのときに大事なのはやはり「メトロノーム」です!
更に出来る方は口で「いち、に、さん」を言いながら弾いてみても良いと思います。

裏拍からフレーズが始まる曲を演奏するときには、常に拍の間隔を一定に感じながら、タイや付点四分音符で伸ばしている音をしっかり感じているかどうか、というのが重要になってきます。

なんとなく伸ばす、ではダメなんですね。
なぜならそこからテンポがずれていってしまい、拍感の感じられない演奏になってしまうからです。
(これは、聴き手にとって結構ストレスになるものです)

ですので、徹底的にメトロノームで、しっかりと三拍子を感じながら練習する事をお勧めします。

ステップ3「左手の練習」

右手がある程度上手く弾けるようになったら次は左手の練習です。
この曲の左手は音は少なめですが、音域が広いです。
オクターブぎりぎりの手の大きさの方には少々弾きづらい音が書いてあるかも知れませんので、練習する前に左手が充分開くようにストレッチをしておきましょう。

また常に手を無理に開いていると力が入り過ぎて腱鞘炎の引き金になってしまいますので、手首を使って。弾いていないときには力が入り過ぎないよう注意してください。

一度ざっと通してもらっても良いのですが、その前に両手を使って書いてある音をテンポ通りにベタ弾きしてみて(符点二分音符でコードを弾くようにジャーン、と)この曲のハーモニーの移り変わりを耳で捉えて頂きたいです。
(例えば「1音違うだけでこんなに響きが違うんだなぁ」とかを感じて頂けると…)

そのときに、ただ弾いて音を出すのではなく、頭の中でメロディーを鳴らせていたらよりgoodです。
メロディーを支え、より美しく響かせていたハーモニーがこういう音で出来ているんだ、と実感出来るまで続けてみて下さい。

そして楽譜のリズム通りに弾く場合はこちらもまた「メトロノーム」を使うことを推奨します。
なぜなら、とかく三拍子という拍子の曲は前へ前へ進みがちですので、左手の練習のときにもしっかりと機械的に均等な「三拍子」を頭と耳と身体に染み込ませるように練習してみて下さい。

ステップ4「両手で合わせます」

ではゆっくりのテンポで両手で合わせてみましょう。
このときにもメトロノームがあるととても良いと思います。まだまだ、歌ったり揺らしたりするのは先の話です。
まずはテンポ通り正確に演奏出来てから曲想をつけていきます。これは鉄則です。

両手で合わせているときに気をつけたいことは、右手のメロディーは左手の伴奏に乗っかるイメージで、ということ。
右手のメロディーに左手の伴奏を添えるのではなく、左手の伴奏の上に右手のメロディーが乗っているイメージです。

もし、右手のメロディーに左手の伴奏を添える形にしてしまったら、左手の伴奏が「ただの添え物」になってしまいます。
左手だけの練習で積み上げた「ハーモニーの響き」を感じられない演奏になってしまいますのでそれはとても勿体無いです。

慣れてきたらペダルを使い、ほぼ1小節ごとに踏み替えて、徐々にテンポを上げてみましょう。

ステップ5「仕上げ」

両手弾きに慣れたらここからやっと曲想をつけていきます。メトロノームは必要ありませんが、正確なテンポは常に自分の中に存在させておいて下さい。

こういう曲を弾くときに大事なことは、
「やり過ぎない」ということです。

歌いすぎない
揺らしすぎない
インテンポのカチカチな演奏にならない
滑らかに流れるように…

コツとしてのひとつの提案です
(しかしこれが正解、というわけではないです)
楽譜に書かれていない抑揚や息遣いを、楽譜に書かれている強弱の中で行うこと

特に右手のメロディーは息が長く書かれているところもありますので、ピアノという楽器の枠を超えた音色のイメージを持つ事をお勧めします。

単旋律ですので、多少大袈裟なくらいで聴く方には丁度良いかも知れませんが、この辺りの感じ方は人それぞれですので一度は録音して聴いてみて、平坦になっていないか、やり過ぎていないかを確認すると良いと思います。


終わりに。

拙作曲を時間をかけて練習して下さりありがとうございます!
ぜひ色んなところで弾いて頂けたら嬉しいです😊
クレジット表記をして下さればネット上にもアップOKですので、演奏を聴かせて頂けたらもっと嬉しいです!


長くなりましたがオリジナル曲「雨」の曲解説と練習の手引きでした
次回は同じく楽譜販売しましたオリジナル曲「私のクリスマス」の曲解説と練習の手引きをアップします



music chocolate



自分の書いた曲にも関わらず、この「雨」という曲がとても好きです。
弾いていて心地良く、自分の心も潤うように感じます✨

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