サイバーパンク: エッジランナーズ(ネタバレなし・全話)

まとめ

☆5(最高だった。どんなに少なく見積もっても、最低でも一生忘れない作品にはなった。これのためにネトフリに金を払う価値がある。)
(ハイティーン向けのボーイミーツガールのアニメって体裁で新しいことや特別なこと何もやってないように見えるのにこんなに面白いの、スゴ腕という他ない。)

感想

原作ゲームと世界観を共通にするオリジナルストーリーのアニメ。25分✖️10話。
貧富の差がめちゃくちゃ広がった上に誰も彼もが体や脳みそを機械で強化したせいで治安が最悪になった未来世界で、どん底に叩き落とされた少年が主人公。

なんか、どこが良かったかって話をしても陳腐な感想にしかならないんだけど、まあとにかく出来が良かった。
よくもまあこんな豪速球のストレートにしか見えない作品を、これまでのどんな作品ともかぶってみえないような形に仕上げたな、って感じ。

全10話にマジですごい量の物語が詰め込まれていて、最悪なナイトシティの最悪さも、最悪な世界で主人公たちがどんなふうに”良く”生きようとしたのかもめちゃくちゃ伝わってきたし、見終わった後にこんなに「終わってしまったか・・・」ってなるつくりなのはちょっとズルいと思った。

すごい量の情報と物語のすべてが、世界とキャラクターの解像度を上げるためにフル投入されていて、それ以外のことには使われていない。
隅から隅まで味がする。
そういう解像度が、世界の最悪さと主人公たちの切実さ・必死さをひたすらに作り上げている。

その解像度の高さがあった上で、展開が早いので、見終わったあとになって「あのときあいつはああいう気持ちだったんだな・・・」とかそういうことを色んなキャラの色んなシーンに対して思ってしまって最高。
余韻がめちゃくちゃすごいせいで居ても立ってもいられなくなって、エンディングを見たみんなが原作ゲームを起動した結果、2年前のゲームだというのに同時接続がバカみたいに跳ね上がったりした。

とはいえ、☆5つけたんだけど本当に満点か?勢いだけでそう思ってるだけじゃないか?単にヒロインが気に入っただけなんじゃないのか?みたいな感触もあって何ともいえない。
”出来はいいけど忘れられていくアニメ映画”みたいなのって毎年のように話題になったりするけど、果たしてこの作品はそういう枠を超えられているんだろうか?
冷静に振り返ると(僕の好みのジャンルという加点込みで)☆4.5とかかなって感じもするけど、まあこれくらい面白かったら☆5でいいじゃんって。
何年経ってもこのアニメのことを思い出すことがあるだろうな、みたいなところもあるし。

気になった点として、全部見終わると終わり方がズルくて最高なんだけど、1話だけみると引きがちょっと弱いんじゃ無いかとは思う。
1話を見た時点では、なんか近未来的な学園ものでよくある展開だな、テンプレぽい作品だなーって思ったんだよな。
原作や制作陣のファンの僕でさえ「なんかすげえ作品が始まったぞ」とは思ったけど「なんかすげえ物語が始まったぞ」とは思わなかったので、そういうワクワクは欲しかった気もするが・・・

アニメ単体で見るとわからないんだけど、原作ゲームで語り得なかった『サイバーパンク』世界の別側面を描いているっていう部分があって、それがまたエモい。
あとまあ、途中でも言ったけどルーシーが100点満点に気に入りすぎてこれがソシャゲのガチャから出るキャラじゃなくてよかったと心から思っている・・・そしたらきっと破産していただろうから・・・

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