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キリンジアンズ

先日、ヤス(堀込泰行さん)に鬼ハマり中のNくんと深夜に電話で長話した。内容はおもにキリンジがらみのオタトーク。話しているうちに記憶の引き出しの奥からこれまで思い出されることのなかった知識が次々と出てくる。脳神経ネットワークに電流が駆け巡るような感覚があって気持ちが良い。

「それってミズモトアキラのイベントのやつでしょ?前の回のゲストが小西康陽でさぁ」などと言いながら、俺もなかなか詳しいなと苦笑せざるを得なかった。これまでまったく活かされることのなかった知識が同好の士を得て芽吹いた瞬間だった。

知り合いにキリンジのファンがいないわけでもない。けれどもこれまでオタトークに花を咲かせる機会はあまりなかった。我々は、好きなものが共通していればそれだけで意気投合できるなどというフェイズを飛び越えてしまったオタクである。そんな素朴さはとうに捨ててしまった。我々のようなオタクにとって何が好きかは問題ではない。どのように好きかということこそが重要なのである。それがわかるまで決して気を許したりはしない。そういう厄介なオタクは往々にして間合いを読んでいる間に意気投合のチャンスを逃す羽目になる。その結果ずいぶんと友達の少ない人間になってしまった。

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日記と夢日記

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