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鼻水ぼたぼた日記、あるいはフリーランス的不安

寒さのせいなのか、寝不足のせいなのか、不貞腐れているせいなのか、風邪をひいてしまった。喉は痛いし、くしゃみと鼻水が止まらない。寒気もする。特に鼻水がひどい。所構わずぼたぼたと垂れてくるので鼻紙が手放せない。くしゃみのしすぎで喉も枯れてきた。幸い発熱には至っておらず36度台をキープしている。昨晩は葛根湯とアミノ酸を飲み、早めに寝るように務めた。悪くもなっていなければ良くもなっていない。日曜日はどうしても外せないイベントがあるから今発熱している暇はない。

この間、「なぁぜなぁぜ」という文言を度々目にした。誰かが口にしているところは聞いたことがない。なんとなく坊主と角刈りのお笑いコンビのボケのほうが、肩をすくめて目をパチクリさせながら発するギャグのようなものだと予想していたのだが、そうではないらしい。Tiktokで流行しているミームとのことだ。Tiktokのミームといえば、「お前今日何したんだよ」というものが忘れがたい。文言からして既にパッションがみなぎっている。

少し前に「こんなんなんぼあっても良いですからね」という文言も度々目にした。リハスタで練習しているときに誰かが「こんなんなんぼあっても良いですからね」と言うので、「それの元ネタ知らないんだけど」と打ち明けたところ、ミルクボーイの決め台詞だと教わった。「ほな○○とちゃうか」という台詞は知っていたが、そちらは見落としていた。

世界はテレビを観ていることを前提としてデザインされている。だから家にテレビがない人間は日常会話で困る場合がある。スティーリー・ダン『Aja』で誰がどの曲でドラムを叩いているのかを把握していたり、トム・トム・クラブの「Genius Of Love」でベースを弾いているのは実はティナ・ウェイマスではないといった知識を蓄えていたりしたところで、日常会話では何の役にも立たない。

特に他意はないにもかかわらず、当方が「家でテレビを観ない」と言った場合に、他意だけが伝わってしまうのは、日頃の行いが悪いからに違いない。要するに不信感を持たれているのである。テレビを観ていないと打ち明けると、会話の流れを妨げる鈍重な奴、あるいは通俗性を忌避する鼻持ちならない嫌味な奴、自分のことを高尚な趣味の持ち主だと勘違いしている痛い奴だと見做されるきらいがあるように思えてならない。これは被害妄想だろうか。そうなるとこちらもムキになって鈍重で嫌味で痛い奴を全うしてやろうではないかと決意を新たにしてしまうのである。

「お前が始めた物語だろ」という台詞もまたミームとしてよく目にした。これは『進撃の巨人』に登場する台詞らしい。『進撃の巨人』は、アニメ版を10話程度観ただけだから、これがどういう文脈で発せられる台詞なのかはわからない。しかし「お前が始めた物語だろ」と指摘せずにはおれない事態には度々遭遇する。「なんで俺がここまでやらなきゃいけないんだよ。そもそもお前が始めた物語だろ」といった具合である。口に出したことはないが、使い勝手の良い台詞だと思う。

「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」という台詞も一頃よく目にした。これは『鬼滅の刃』に登場する台詞らしい。「生殺与奪」は「せいさつよだつ」と読むそうだ。『鬼滅の刃』は読んだことがないので、これもどういう文脈で発せられる台詞なのかはわからない。この台詞を目にすると、「おまえが消えて喜ぶ者におまえのオールをまかせるな」という有名な一節を思い出す

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