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『眩く眩む』終演しました。

まいどどうも。保坂です。
2023年6月頭のつやファン2023から連チャンでやり抜いた演劇区間が終わりました。

最初にいいます。
配信があります。
配信は今んところ全然売れていません。

せめて美しくあってくれ、のラストシーン

配信はこちらからどうぞ。
2500円です。

[販売期間]~9月21日(木) 23:59まで
[配信期間]9月21日(木) 0:00~10月5日(木) 23:59
※配信期間中のお好きなタイミングで14日間(336時間)視聴できます。

この作品、生で見た方が絶対いいんですけど、これは断言しちゃいますけど、でも配信もすっっごい精度で編集してもらってるしわたしも編集首突っ込んでるので、ぜひ。
映像収録の川本さんはほんとわたしの作品のことよくわかってくださってる。いつもありがとうございます。

場当たりで私が無理やりとった写真、玄がかっちょよすぎる好きシーン。


さてはて。

演劇連打ワンクール、まあああああ楽しかったです。こんなに演劇だけの三ヶ月半、今まで生きててなかったんじゃないかしら。
大学でてから、なんだかんだ写真業も並行でやってたので、ご褒美みたいな時間だった。
わたし、演劇すきだな。
お客さんにあえるのも好き。
脚本書くのも、すっごく楽しいです。
眩くは、本当に胃が痛かったけど。
みんなで作れてよかったです。

演出助手まなみ。もうこの人いないとわたし無理。一緒に作ってくれてありがとう。

藤尾勘太郎が「一緒に演劇をやろう」と私が物理的にひっくり返るようなことを言い出したのが昨年の12月で、いったいなぜ?勘太郎が?え、罠なん?って思った(まじで)んですけど、ここまで走り抜けて、この作品がここまでのものになったのは運命で決まってた気がする、と二人で話したりしました。中野の道端で。

去年の大晦日、無茶の写真撮りに金沢いったとき。
12/13の時点でほんとにやる?ってLINEで聞いてるから、
それより前に「やろう」の文言はきいてる、ということはこの写真(辻くん撮影)の時はもうやるってきめてる。まじであんなにびっくりしたのにいつだったか忘れたんだけど。
勘太郎覚えてないの?



お客様の感想、わたしたちがえいやと飛び込んだことを汲んでくださる感想が多くて、思ってる以上にも伝わっていて、ほんとやってよかったな、胃が痛いくらいなんやねんってなりました。
尚ちゃんのセリフじゃないけど「エンドロールみてると、辛かったこと全部忘れちゃうんだよね」っていうの、
お客さまが何か思ってくれたっていうので、全部報われちゃうやつですね。

来てくださったみなさま、U-25のチケット出してくださったカッケー大人のみなさま、U-25で観に来てくれて「ありがとうございます」って声かけてくれた若者のみなさま、ありがとうございました。

粋な大人たち


配信を見る時用に、配役表をだしておきますね。
自分でつけといてなんだけど、いい名前なんですよ。

「神崎玄」って役名、一生忘れないと思うって勘太郎は言ってた。
私もみんなの名前忘れないだろうな。

大好きなアニメのキャラや監督からお名前をいただきました。
ナギさんが攻殻とめぞん一刻、尚ちゃんはセーラームーン、春ちゃんはスレイヤーズとFLCL、赤城はスラダン、渡辺さんはるろ剣とビバップ(監督)、大河はとらドラ!姫ちゃんはナデシコとウテナ。

玄だけは全部創作。神が入ってる名前にしたかったのと、「眩」から目をとった名前にしました。

キャスト表
稽古序盤に共有した進行スケジュール

当日パンフレット掲載文も載せときますね。

本日はご来場ありがとうございます。
眩く眩む(まばゆくくらむ)は『集団創作とハラスメントとクオリティの行先』をテーマにした作品です。このテーマへの明確な、白と黒がハッキリわかれるような善悪の答えを出すためには作りたくなかったし、作れませんでした。でも、いまここで向き合った先の明日に希望はあると思いたい。私たちはまだ生きているし、生きている限りは他者と関わるしかないから。

この作品はアニメーター・制作進行として現場で働いている方に取材させていただいたのですがドラマ・演劇として成立させるためにたくさんのフィクションを含んでいます。
もしアニメーション現場に興味が湧いたら、ぜひ参考文献を読んでみてください。作り手の愛の深さが、眩しいし苦しいです。わたしの人生の土台を形成してもらったといっていいアニメーション現場の皆様、アニメがなければ暗黒の青春時代は乗り切れませんでした。ずっと救われています。感謝と尊敬の念を。

そしてこれを読んでくださっているお客様。
ムシラセを選んで観にきてくださってありがとうございます。ハラスメントの痛みを伴うお話なので、もし辛くなったら遠慮せず退席していただいて構いません。
ただ、絶望の先にほんのすこしの希望はあると信じたいという気持ちで作りました。もちろん無理のない範囲で構いませんので、お付き合い下されば幸いです。

ムシラセ主宰 保坂萌

参考文献
・アニメーターの仕事がわかる本
著者_西位 輝実 餅井 アンナ  玄光社
・アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本 著者舛本 和也 星海社新書
・ハケンアニメ! 著者辻村 深月  マガジンハウス

劇中に関わる深くアニメ
・少女革命ウテナ ・とらドラ! ・機動戦艦ナデシコ

ほんものだー!ちっちゃーい!


さて、こっから盛大にネタバレをするので、まだみてない方は引き返してください。


演劇って見た人が受けとる情報だけで成立すべしとおもっていて、
ここから先は単純にみんなで共有してあった情報、というだけです。
外れたーとかはないです。
でもあると楽しいもんね。興味がある方だけどうぞ。


人物の設定について

神崎(36)
  高卒→スタジオ入ってアニメーター。動画からすぐ原画にあがって、コンテ演出。
赤城(36) アニメ系専門学校出てる
お互い24から知り合い。
社長と渡辺がいた大きめの制作会社で出会っている。
赤城の方が現場のキャリアは2年遅い。
原画マンとして入ってる時期なので最初は目立った交流はなし。

シーン4、姫→春→赤城ときて、真のヒロインは赤城なんよ。


ムシラセでは終盤にお散歩ワークショップをするんですが
(お小遣いわたして、ペアで思い出作ってきてもらうというほったらかしのWS。名前だけ役名で呼び合うのがルール。帰ってきてから何があったか発表するというほのぼのしたやつ)
そのワークショップのお散歩中、二人は解体作業現場みながら「僕工事現場すきなんだー」「おれもー」っていう話をして、なんだか仲良くなれてうれしかったーって言っていたので、
赤城と玄もそういうなんでもない日に同じ景色の好きなものをみて、その絵を描いて、いいじゃんっていいあって、そこから仲良くなったんだろうねって話をしました。

にこにこ発表会。この二人全然お散歩から帰ってこなくてみんなで「あいつら…」って言ってた
これが大変よかったそうです。一平撮影。

玄は人に理解されにくい人なんだけど、赤城は玄の変なところ(ネーミングセンスが皆無なところとか、ごはんがプリッツなところとか)を見て爆笑したりご飯(雑な)作ってあげたりしてる。玄も赤城のことは変わってるなぁと最初は思ってた気がする。赤城は友達がいっぱいいるのになんで僕といんだろ?くらいなかんじで。
仕事してない時でも仲はめっちゃいいけど、玄はものすごいはやさで絵の才能を認められていって、赤城はそれに追いつくのに必死だったんだとおもいます。
だから、作監というポジションを目指すのは早かった。はず。

わたしは凡人でなんの才能もないと自覚したところから全てが始まっていて、才能ある人に焼きつくされることが多いからこのテーマで永遠に書いちゃう。今回はよりそれが強かった。実際、藤尾勘太郎という人に眩しくて目が眩んでるので。
でも私とちがって赤城はかっこいい。めっちゃ努力するじゃないですか。あの献身は歪んでるかもしれないけど愛だと思う。愛だって間違うこともある。ええ。ハイ。

ちなみにバイク設定はは赤城役の一平くんが実際バイク乗りで、しかもガチ山に登る人なので色が黒すぎて缶詰アニメーターなのに全然整合性あわない…ってなって、私が演出でメット使ってバイクできたことにします、といったやーつです。
玄をバイクの後ろに乗っけていろんなとこで資料写真とか撮りに行ってるんだろうな。ちなみに家に送って、家からスタジオいくのも送迎してる設定です。二人ともほぼ泊まり込みだけど。
取材先のスタジオは頑なにシャワールームつくってないって聞きました。
風呂あるといよいよ帰らないから…。

アニメーターさんでバイク乗る人はよくいらっしゃる印象です。
メカ系好きな人とか。赤城も元々はそういう絵が好きなんだろうなって私は勝手に思ってる。メカニックデザインとかやりたくてアニメーターになったクチ。

赤城が大河責めるときの顔すっげーからぜひ配信チェックしてください

草薙(62)  高校生のころから同好会でセルアニメを描いていた。
制作進行3ヵ月やって動画かけるスタジオにもぐりこんでアニメーターに。
「下を育ててください」ってことで社員になっているので、社員になったのは遅い(定年はない)。
みんなのおじいちゃん。
取材元もそえたさんの人生、波瀾万丈でそちらからいただきました。
私がだいすきなアニメ、絵コンテとかキャラデザとかやってらっしゃいます。頼むからエスカフローネみてください。

阿佐ヶ谷のホオジロザメ、我ながらいいワードセンスしてると思う



大河(24)  母親のために受けた大学を中退。大学でもアニメ関連の同好会とかがぬるすぎて、友達もできなくて、ずっと一人で絵を描いていて家を出た。勘当状態。一人暮らし。

春原(24)  高卒、仕送りをもらってる。地方出身。
パインテールに動画から入った。
たいやきは尻尾が一番好き(大河には尻尾の一番すきなところをあげる)。

WSのペア。ふたりで神崎のことがどれくらい好きかで散々モメたあと
わかりみが深ってなったそうです笑
一番すきなもの、誰かにプレゼントできる子なんだよ、春ちゃんは…


なりたてのアニメーターさんは、本当にお金が厳しいそうです。
最初の2年くらいは仕送りがないとやっていけないくらい。
一枚何百円の世界。
大河はWEBでバズって お金をかせげるようになって、渡辺さんの目に止まって勝手に中退して(年齢的にズルズル留年してた)お母さんから逃げ出したんでしょうね。
「玄も悪気はないから」って取り繕う赤城を拒否するシーン、あれは母親の過干渉や過保護なところと同じだから、お母さんに歯向かえる範囲で歯向かってくれってオーダーしました。だから大河は赤城の目を見られない。
大河の母親の設定、最初からきまってなかったんですけど『マザコン』ってワードは初稿からでていて、たしかそれを移動させて膨らませてキャラにしていった気がする。
あらすじよりドヤった子になってしまったけど、まあそこはご愛嬌ということで。

ドヤってる理由、わたしはわかるよ…。そうだよねえ、そうだよ。


渡辺(38)
 プロデューサー、パインテールの社長(みんなの共有イメージは近藤芳正さん、勝手にすみません!)がいた大きい制作会社で就職→引き抜きでパインテール立ち上げに参加している。社長には恩義があるのでいろんな人に「独立しないの?」って聞かれてるけどのらりくらりかわしてる。

ゆるゆるの格好してえげつない怖い顔をするサラリーマン

かじくんと「ここの文言かえよう」っていってたのは、
ラストシーンの「みなさん、この調子で3期も頑張ってください」です。
あれは4稿までは「この調子で3期も頑張りましょー」でした。

渡辺さんは、アニメが好きだけど自分は絵を描けない・才能がない(ネコすら上手にかけない)という見切りを相当早くつけていて、大手のアニメ制作会社に入るために東京の有名私立を卒業して、社長と同じ会社にはいって、そこで神崎玄と出会って彼の才能に惚れている人なので、きっとあの後の神崎玄を放ってはおかないだろう。必ず追うだろう。3期が終われば(なるべくはやく)彼はパインテールを退社して神崎と新しいアニメを作るだろう、

という不思議なコンセンサスが鍛治くんと取れてしまったのでそうしました。これは、実際は気がつかなくてもいいやつです。確実にわかってほしかったら表現変えてる笑。でも、あのラストシーンは誰かがいなくなってもある程度同じ季節を繰り返してしまうという悲劇も含んでるので、そこは出しすぎないでいいよねっていう判断でした。
でも渡辺さんいいキャラだよね。これまで描いたことがない造形のひとで、描けてよかった。

おひとりだけこの設定気づいてくださった方がいるんですが、大きくくくると渡辺と同じような職種の方で、ああ、そうかー、立場からみる景色だよなこういうのって、って思った次第です。でもこれはわたしとかじくんのしっくりいく設定なので、あなたの物語の渡辺さんはわからないです。まだのらりくらりしてるかもしれませんね。

かっわいー顔の姫ちゃんと困り顔尚ちゃん

竹内(30)    パインテールに新卒で入社。 デスクできる人がいなくてキャリア止まってる。部下はバタバタ辞めていく。居眠りして原画にコーヒーこぼしてそれをナギさんにこっそりリカバーしてもらったりしてた。入社からナギさんの世話になってるので甘えれる人がナギさんだけ。

姫宮(26) ブラック企業3年→少し休憩してパインテール中途採用。
社長はプロデューサーラインに乗せたい(どこの営業先に行っても名前で反応がいいから)期待されているが、本人は監督になりたい。けど、制作進行の仕事が好きなのは、中盤以降はわかり始めている。

現役で制作進行されている方に取材をしたのが、この二人の役職です。
板挟みなところも、ネタの部分もエンドロールみて感動しちゃうところも、取材したまんま書かせてもらいました。
荻野さんには脚本チェックもしていただいてます。
※全部の整合性とると(使用アイテムとか)事故るし間が伸びるので簡略化させてもらってるところとかはあります。
本当は修正の用紙には色ついてるーとかね。でも詳細にやり出すと全部説明しないといけないからそういう部分は端折ってます。

ほんとうに、ありがとうございました。
アニメ大好きなので、いろんなお話が聞けて本当に楽しかった。
またごはんいきましょうね。

尚ちゃんがキレてるシーンほんと最高ですよね。
全ての制作サイドの人間が思ってることなんでね、みんな優しくしましょう。制作さんいないとエンタメはなりたちませんから。

WS、社員4人で尚ちゃんの失敗を4つ考えてきてってお願いしました。
おもろかった笑。めちゃ可愛い顔。撮影姫宮。
なおちゃんの失敗、5個でした。


駅前再演からMOMO新作、正直いかれたスケジュールで、稽古休みは全部撮影してたけどまあまあ働いておらず、営業もしてないのでいまポカーン!ってかんじです。
写真やるんで、声かけてください。さすがに貯金減った。



あ、でもね、ここからは作家としての比重を上げていくとおもいます。
先々はまだわからないけど、事務所も入ったので。

できれば、写真半分執筆半分までには、はやいことしたい。

書けるうちに、書けるだけ書きたい。
今はなんでも書ける気がする。
書いてる時は吐きそうですけど。

でもまあ写真やめるわけじゃないんで、それはそれでサクッと頼んでください。

購入が21日までで配信開始が21日というスケジュールを難しくしてしまった結果、とりあえず20日22時ごろからスペースやります。


いつもプロットとかネタさがし相談(壁打ちといっている)させてもらってるぶーちゃんというおおきなボーイが
『保坂さんが回すんじゃなくて、保坂さんが答えるスペースききたいんで、僕が質問します』って言い出したのでそういうのになります。

質問あればリプでどうぞ。
途中から藤尾勘太郎も呼んだのできます。多分。打ち合わせおわったらくるって。


つうわけで、配信買ってください…。
これがうれないと円盤にならんのよ…。
『さすがに売れない作品を円盤にするほど、お金ないからさ?』(cv渡辺謙信)

来年とってもたのしみなことがあるので、みなさんどうぞよろしくお願いします。

では一旦失礼。20日にスペースでお会いしましょう。
じゃねー。


💓
再演したーい

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