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【ランニング日記】 8月のある日、宮古島の伊良部大橋を走った

「暮らすように旅する」というのがいつも旅の理想なのだけれど(そしてそれは本当のところは絶対に無理だとは知っているのだけれど)、私にとって「暮らすこと」と切り離せないのが「走ること」。

なので今年の宮古では、できるだけ走るようにした。そして宮古島で走る、ということを決めた時、やってみようと思ったのが伊良部大橋を走る、ということである。

ちなみに伊良部大橋というのは、宮古島と伊良部島をつなぐ橋で、全長3,540メートル。通行料金を徴収しない橋としては日本最長の橋なのである。(ウィキペディアより)

さて8月のある日。私はランニングに出た。これはその日、プライベート用のインスタにアップしたランニングの記録です。


やった。やりきった。とうとう伊良部大橋を走りきった。無料で渡ることができる日本最長の橋を走ったということは私は無料で日本で一番長く橋を走ったことになる。意味わかりますかわかりません。

そもそも朝5:30スタートのはずが、寝坊して6:00をすぎてしまい、また暑くなるから今日は7キロくらいでやめておこうと思いながら走り始めたのだけれど、橋を走ってたらいけるんじゃないこれ?と、思いはじめ、最後まで走ってみることにした。

が、「走ってみることにした。」とか軽い気持ちで走ってはいけない。そもそもランニングにおける橋というのは、渡りきったところがゴールではない。そこをまた、引き返さなければならない。3.5キロの橋を渡るということは、3.5キロ引き返すということである。しかもこの橋、最後にとんでもないアーチを描く。バレンティンか。つまりものすごい上り坂が待っているのである。もちろんそれも、往復で2回繰り返す。

日は昇り始め、左側からじりじり照りつける。もはや焼けるとかそういうレベルではない。命にかかわるんじゃないのこれ、という気がしてくる。伊良部大橋の半ばで命を落とすというのは人生としてはまぁ悪くないかもしれないけれども今シーズンの弱すぎるヤクルトを見届けずに人生を終えるというのはちょっとあまりにあれだ。まだ借金を10にするという夢は諦めていないのに。

しかし目の前にはものすごい上り坂が待ち受ける。とにかく走るしかない、走らないと、帰れないのだ。suicaで気軽に乗れるバスも、カードが使えるタクシーも走っていない。手ぶらで来てしまったからには、自分の足で帰るしかない。ディアマンテスは「オーキーナーワー」と歌っている。そうだここは沖縄だ。

と、やや朦朧とする意識と暑すぎて橋から海に飛び込みたい気持ちをなんとかこらえ、往復7キロの橋を渡りきった。そう、別に、たった、7キロなんですけど。しかしまぁ久々の達成感であった。

5キロを走るときは、ただの折り返し地点でしかない橋の袂が、計13キロを走るときには、限りなくゴールに近い場所に思える。それはランニングのおもしろさだなと少し思う。ゴールによって、地点の意味が大きく異なってくる。それは生きることも同じなのかもしれない。

あとはまぁ、走ることで、「やればできる」と身をもって感じられるというのは、なにごとも実際に動いてからじゃないと理解できない自分にとって、大事なことかもしれない。だれに強制されたわけでもないことを、自分の意思で続けていくのは、大変だけれども大切なことだ。

かくして私は伊良部大橋の半ばで命を落とすことなくホテルに帰ってきて昨日の試合を見返しています。ビバ山田大樹さんビバ村上くんビバ雄平ビバムーチョ。

※↑のnote記事の写真にある橋が伊良部大橋で、中ほどにあるのが、バレンティンのようなアーチを描く登り坂です。これが本当にきつい。

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