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【4/22広島戦◯】もうとにかく、野球を楽しんでいこう、と思う

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連休の試合が無観客試合になる予定らしい。

思うところは山のようにある。その決定を下すのであろうえらい人たちは、この一年間、球場に一度でも来たことがあるのかね、と思う。球場も球団も選手もスタッフもとにかくみんながありとあらゆる知恵を総動員し、感染対策にめちゃくちゃ気をつかいまくり、ファンは(相手チームに)やろうがやられようがお行儀よく観戦し、応援歌も歌わずハイタッチもせず、そうしてありとあらる対策を重ねてきたことを知っているのかね、と思う。

そう、思うところは山ほどある。あるけれども、いやあるからこそ、私はもうとにかく、野球を楽しんでいこう、と、今改めて、思っている。

私は、どんなときだって野球に関わる人たちが、努力を欠かさなかったことを知っている。そして実際にその猛威がチームを、野球界をおそったときだって、へこたれずに、なんとか「いつもどおり」の顔をして(ほんとうは全然そんなことないのに)必死に戦ってきた人たちを知っている。

その人たちの努力は、がんばりは、ぜんぜん無駄なんかじゃなかったんだよ、と、言い続けたい。それは、誰かにとってのかけがえのない楽しみを作り出すものだったのだ。

それは生きる糧になるものなのだ。

それはとても、エッセンシャルなものだ。

チャンスはピンチで、ピンチはチャンスだ。置かれた環境に嘆きたくなることは山のようにある。もちろん嘆くだけじゃなくて、おかしいことにはおかしい、と、声に出していきたい、と、私もいいかげんそう思う。もう、与えられたものを黙って享受するだけの「こども」ではないのだ。(もちろん、こどもだって黙って享受しなくたっていい。でも、そうじゃなくて大人は、弱きこどものために、声を上げなきゃいけないときがある。)

でもとにかく、嘆くくらいならその場所で、まずはできることをやるしかない。ヤクルトたちがそうやって、戦い続けるように。

感染症の猛威で主力がごそっと離脱しても、外国人選手の来日が遅れても、もちろんその離脱したり来日が遅れたりした本人たちも含めて、みんながその「ピンチ」を乗り越えようと自分にできることを必死に積み重ねてきた。

コータローは1番を打ちつづけ、「持ち前の勝負強さ」なんて言ってもらうようになった。元山くんはスタメンを勝ち取った試合でことごとく、結果を出し続けた。今日の2ランはもちろん、ダメ押しになったスクイズの成功なんてもう、ベテランの仕事みたいだった。

離脱組のエイオキは戻ってきてすぐタイムリーを打ち、慎吾は天才のバッティングを見せ続けてくれる。

みんなほんとに、ほんとうに、たくましい、と思う。

私はそういう選手たちを見ながら、今日だって「いつもどおり」、泣いて笑って胃を痛めてそして喜んでいたい。野球があること、それは当たり前のことじゃないのかもしれない。でも、みんながあらゆる努力の末に粛々と試合をする中で、私にできることは、野球があるこの日々を心から楽しむことだ。楽しむことで、その仕事は本当に必要なものなのだと、誰かを励まし、鼓舞し続けるものなのだと、それをささやかながら伝えていくことだ。

スポーツを含む文化的な楽しみは、生きるために必要なもの。そしてそれに携わる人たちのその仕事は、とてもとても尊いものだ。もう私は、そういう仕事をする誰かが自分の仕事に悩む姿を見たくはない、と思う。悲しいニュースがこれ以上増えないように、と、本当にそう心から願う。

エンターテインメントを楽しむことは決して、不謹慎なことじゃない。当たり前だ。だからそれに携わる人たちの仕事は、不要不急なんかじゃない。とてもとても、尊い仕事だ。私はその人たちに最大限の敬意を払いながら、今年も思いっきり、野球を楽しんでいこう、と思う。

今日も良き試合をしてくれたヤクルトたちありがとう。戦ってくれたカープもありがとう。関わる全ての人たち、ほんとうにありがとう。


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