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【2018シーズン】ヤクルトスワローズ観戦記

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ヤクルトの試合を(その多くは負け試合を)観ながら感じたあれこれを、ちょう初心者目線で徒然と。 試合のある日はできるだけ毎日更新しています。
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厳しさと、ユーモアと、上田と。 【11/18松山キャンプ紅白戦○】

なおみちの守備は本当に安定してきたなあ、と思う。顔つきも随分とたくましくなった。一年のレギュラーの経験と、そしてそのあとのこの松山での一ヶ月弱の経験が、さらになおみちを成長させたのかもしれないなあと思う。そう思った直後、なおみちはおっくんの打球を、元気にミスしてとり損ねる。 ・・まったくもって、これはいつものヤクルトである。 バックネット裏1階という、普段の神宮ではまず座らない席に座って、はらじゅり vs村上くんという、夢あふれる打席を眺めていた。「先発」のはらじゅりは、

エリートのサムライ戦士たちを見ながら、結局ヤクルトが好きだと思う 【11/15 日米野球○】

「てっぱちの調子がこのまま来シーズンまであがらなかったらどうしよう・・・!!」と半泣きでオットに言うと、「今何月だと思ってるの・・」と冷たく返された。 「松山連れてく?いやさすがにおつかれのてっぱちに非情だよな。いやそもそも私は去年、春のキャンプはまだしも秋にキャンプする必要ってあるのかねそれはとりあえずきっつい練習だけしとけばいいっていう日本の部活の悪しき習慣の名残ではないのかね、・・・とか言ってたよね?」 と矢継ぎ早に話してオットを見ると、飲み会帰りのオットは机に突っ

東京ドームに鳴り響く「やまーだてつと!」を聞きながら 【11/9◯,11/10◯,11/11⚫️ 日米野球】

隣に座ったカープ帽子をかぶった同い年くらいの少年と息子が、いつの間にか仲良くなっている。一緒に、こーすけ!こーすけ!と応援しているのを、前に座ったジャイアンツユニフォームを着たおねーさんがにこにこしながら見て、一緒にこーすけ!こーすけ!と言ってくれる。なんとも優しい世界がそこにはある。 どう考えてもヒットになるはずの、ぐっちのいい当たりが菊池の守備にはばまれたり、てっぱちの盗塁王の座がこーすけに脅かされたり(死守したけど!)、なんやねんおい!とシーズン中何度も思わされてきた

ヤクルトみたいなジャパンを見ながら今日もヤクルトのことを考えている 【11/7侍ジャパン壮行試合 台湾戦⚫️】

この、まったく点を取らないスタイル。ノーノーも辞さない強気の姿勢。チャンスで打たないどころかチャンスを作らないその強靭な精神力。すばらしい。侍ジャパンにはヤクルトイズムが根付いているのである。世のスターたちはきっとヤクルトに憧れていたのだな。 と、思いながら、今シーズンのトラウマ総集編のような試合を見ていた。胃はいたくないけど頭がいたい。 ところが、さすがヤクルトイズムの根付くサムライである。きっとそうだろうと思っていたけれど(え?)0-6で迎えた9回裏、何かを思い出した

時の流れは残酷だけど、誰かを成長させるのもまた、時間だ 【10/14巨人戦⚫️】

今日のボールはどうだろう、と、またぐっちのサインボールを取り出して持ち上げてみる。もはや生活に馴染んできた感すらあるこの家宝だけれども、今日は昨日よりもずっしりと重たい。昨日のあの軽さは何だったのだろう、というほどに。あまりにいろんな思いが、そこに乗っかったのかもしれない。 一つのシーズンで、CSのマウンドを任されるほどに成長したはらじゅりは、そのままもしかして、この大舞台でさらに飛躍するんじゃないかと思えた。何かを起こすとすれば、はらじゅりなんじゃないかと。今年、何かをひ

CSとペナントとホットワインと 【10/13巨人戦⚫️】

今日のボールは思ったよりも軽いな、と、帰ってから私は思った。ファンクラブのポイント交換で当たったぐっちのサインボールをまたそっと取り出す。広島にサヨナラ負けした日は何だか重たく感じたけれど、今日は何だか軽く感じる。 あまりにも、あまりにも緊張しながら、気負いながら向かった神宮で、あっけなくヤクルトが負けたからかもしれない。 見ている方はいつも、身勝手だ。そこに、いつも美しい物語を期待する。去年96敗したチームが、何を思ったか2位になり、そのままあっという間にCSを勝ち抜い

目の前の試合に向き合い続けるための胆力が、その先の人生の力になるように 【10/9横浜戦⚫️】

コブシで練習を見ていたら、中学生の頃、サッカー部やバスケ部の練習をぼーっと見ていた頃のことを思い出した。(もちろんその中には好きな男の子がいたりしたものだ) 守備と走塁の練習をする上田は、もう20年も前に見た男子たちの姿とかぶって見えた。(まあコブシがあまりにも草野球感あふれるからというのもある。)いや、好きな男の子ではないが。まあでも、好きな男の子と仲良くてなんだかんだ色々相談に乗ってくれる系友達男子だな上田は。・・・なんの話だ。 わたしはもう20年以上そんな(部活のよ

「正直者がバカを見ない」チームでまっすぐ球を投げ続けてくれたヤマテツさんと松岡さんのこと 【10/8阪神戦◯】

「突然」を聞きながら、手を合わせて祈るようにマウンドを見つめる。それは、今シーズンだって何度も何度もしてきたことだ。「ここで松岡さんが抑えてくれますように」と思いながら、何度も何度も、祈ってきた。 打たれる時だってもちろんあった。そのうちのどれかがきっと、引退を決意させる打席だったのだろうと思う。だけど今思い浮かぶのは、いつだってピンチで「突然」呼ばれて、それでもしっかり抑えてくれる松岡さんの姿だ。 見ている方は、そんな良いシーンばかりが浮かぶ。あの日も、この時も、突然現

何位にいても、一勝の重みを知っているから 【10/7阪神戦◯】

「カツオさんが先発ということは5回4失点だね」「そうですね」と言いながら、神宮へ向かった。ほんとにまあ、だいたい、5回4失点だったのだ。良くも悪くも。良くも悪くもっていったいなんだ、とは思うけれども、良くも悪くも。 だけど、ヤクルトというのはたまにものすごい良い先発が現れるのだけれど、今日もまた、現れた。カツオさんという人なのだけれど。あと、今までも何回か同じすごい人を見た気がするのだけれど。(めっちゃ打たれるところも同じくらい見た気がするけれど。) 順位が決まって、そし

若手とベテランがそれぞれ活躍してくれますように 【10/4阪神戦○】

「えっとですねこのまま星くんしか点を取らないという形で終わるつもりでしょうか?」と私が言うと、「バッターのほしくん、似合ってたねえ!」とむすめが言う。ヤクルトというチームは打点をあげない投手は認めてくれないようなので(ひどい話だ)星くんも必死になって打ったにちがいない。(ひどい話だ) この息の詰まるような接戦をものにできるようになるとは思わなかった。だけど、この息の詰まるような接戦でも、胃の痛みは幾分穏やかになってきた。順位が確定しているということももちろんあるだろうし、「

変わりゆくものに、思いを馳せながら 【10/3横浜戦○】

なーんか去年のスタメンみたいだねえ。と息子が言う。「下町スワローズ」を思い出しながら、ほんとだねえ、と、私は言う。でもそれは、この切ない秋の日に、未来のヤクルトを見るような、希望のかけらを見るような、そんなスタメンだ。 試合前に流れるファイナルステージのかっちょいい動画を見ながら、ほんとにここまで来たのだなあ、と、しみじみ思う。連敗ばかりしていた4月や5月、こんな風に貯金を持って、CSを決めて、その上で去年のスタメンみたいなメンバーでの試合を見るなんて、思いもしなかった。

カラシティーは「ヤクルトスワローズ」のようだ 【6/9オリックス戦◯】

心のどこかに少しだけ残る小さな引っ掛かりのようなものを、小さな翳りを、勢いよくスカッと晴らしてくれる。ここのところそういうのをよく見せられている。 今日は7-3で勝ち!なんか色々見所とつっこみ所があって観ていて楽しい試合だった。聞きましたか今「楽しい」という言葉がとうとう出た。いつもいつもハラハラしどうしでまともに観ていられなかったというのに。「楽しい」だなんて。どうしたことか。 いろんなドラマがあった。個人的には、こんちゃんの古巣へのいつも通りの気迫あるピッチングにしび

秋の風が吹く神宮で、奇跡みたいなことが決まった日 【10/2横浜戦◯】

きっと、本人たちは覚えていないと思うけれども、夏の暑い日、バックネット裏で見た巨人戦で、一緒に観戦した先輩たちが「いやーむっしーをCSに連れていきたいわー」と言った。 「あれは独特の雰囲気だよ。ペナントとはぜんぜん違う。あの空気を味わってほしいものだ」と。 その日、ヤクルトは巨人にあっけなく負けた。荒木は死球で戦線を離脱した。オールスター前の7月前半。ヤクルトはどこかしこに負けていた。CSか・・夢のまた夢だなぁ、いつか見たいなぁ、と、私は思った。いつか、と。 今日、その

切り替えて、開き直って、積み重ねて、掴んだCS進出の切符 【10/1巨人戦○】

久々の晴れ、久々の神宮、そして久々の二日酔い。もう二度とお酒は飲まないけれども神宮は例外なので神宮限定クラフトビールを飲んでいたら、びっきーはホームランを放った。ひょえーーーーーーーー!!!と私と息子は叫んだ。 振替試合でチケットが取りやすかったので、思い切って内野の見やすい席を取った。いつもは見えない選手の動きが良く見えた。ライアンがまっさらなマウンドへ向かってゆく姿。マウンドを降りたこんちゃんが、みんなを迎える姿。その一つ一つにぐっときた。ああ、ここまで来たんだなあ、と