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ブランド名とロゴの秘密

今日は莚CACAO CLUBの名前の由来とロゴについて、徹底解説します!

1.ブランド名の由来

名前を考えるとき、最初は「〇〇CACAO CRAFT」という名前にしようと思っていました。

CACAO CRAFTについてはこちらから。

しかし、この〇〇の部分、なんでも良いわけで。
そう考えるととっかかりがなさすぎて、名前探しは難航しました。
佐渡の地名、歴史、文化、古巣USHIOにちなんだもの、あるいは関係ないワード。たくさん調べ、考えましたが、良い名前は見つからず、すっかり暗礁に乗り上げてしまいました。

そんなある日、物件の住所を見ていたら、ある単語が目に止まりました。

「莚場」

読み方がわからず調べてみたところ、「ムシロバ」
莚という言葉の意味も気になり、調べてみました。すると、

①むしろ。ガマ・わら・竹などで編んだ敷物。また、座席・会場。
②のびる。はびこる。

なるほど、おもしろい。
意味も良い。音もシンプルで覚えやすい。漢字一文字というのも良い。しかも草冠。ネットで検索しても漢字の意味しか出てこない。つまり他と被っていない。これは検索した時にいずれトップヒットする。

「莚CACAO CRAFT」

地名から漢字一文字を取りました。
うむ。良い名前だ。アルファベットにしてみよう。

MUSHIRO CACAO CRAFT

おや?これを見たときに、何か引っかかるものがありました。
そしてMUSHIROのRをLに変え、MUSHILOと表記したところ、驚くべき事実が判明したのです!

僕の掲げたコンセプト、
Mixed Localの頭文字MとL
CACAO CRAFT
両方が入っている!

ネーミングプレゼンのコピー

そのすべての文字を取り除き残った文字は…

「USHIO」

これに気づいた瞬間、鳥肌が立ちました。
これは、運命だ…!
名前は莚CACAO CRAFTに決まりました。

2.CRAFTからCLUBへ

この完璧な名前にも一つだけ、ほんのわずかながら違和感がありました。

「なんか、カッコつけすぎじゃね?」

なんか、パンチが足りないな、もっとこう遊びがほしいな、と思っていたのです。
ただ、あまりに完璧な名前だったので、考慮の余地がありませんでした。

そんな中、友人に名前を聞かれた会話の中で、事件が起こりました。

「ブランド名、何にしたの?」

「莚カカオクラフトだよ。」

「え、何?カカオクラブ?」

「いやいや、カカオクラフトだよ笑 そんなダサい名前にするわけ…」

いや…待てよ…?

カカオクラブ…?

このダサいネーミング…ある!!

コンセプトよりインパクトだろ!

この聞き間違えから、「莚CACAO CLUB」が誕生しました。

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期せずして名付け親となったdAb COFFEE STOREのダイチ君。悪い顔や〜笑

3.ロゴデザイン

ブランド名が決まったら次はロゴだ。
僕は沖縄のSunsign Designに依頼しました。

このSunsign Designをやっているしゅっちゃんは、一緒に東京でやっていたバンドのメンバーだったのです。

しゅう農民

この怪しすぎるルックス笑
しゅっちゃんは岩手出身で、どんとと宮沢賢治を愛し、千葉で無農薬の田んぼをやっている変わったやつでした。
今でこそ田んぼや畑をやってる人は増えましたが、当時はほとんどいませんでした。

東日本大震災の後、沖縄に移り、シルクスクリーンとグラフィックデザインを始めました。
そして今では沖縄でブイブイ言わす凄腕のデザイナーになっていたのです。
独特のセンスを持つ彼でしたが、デザインの経験はなかったはず。
持ち前のセンスと、そこからの努力がデザインの世界で発揮されました。

当時僕らはfrankgirlというバンドをやっていました。
メッセージ性の強い毒を持つバンドでしたが、それをメルヘンで包んで極めてPOPにやっていました。


全く売れませんでした。笑

frank楽屋

写真もほとんどなく、貴重な楽屋ショット。

ロゴデザインの依頼をしたとき、久しぶりに電話をした僕らは、7時間話しました。笑

その会話の中で思ったのは、お互い音楽はやめてしまったけど、ずっとfrankgirlは続けていたんだな、ということ。
音楽の才能はなかったけど、お互いがそれぞれ活躍できるフィールドを見つけ、今こうして仕事を通じてクロスオーバーするということ。
このストーリーからしても、僕は彼に依頼するしかないなと思いました。

そうして仕上がったロゴがこちらです。

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「あ、ブッかましてきたな」

というのが第一印象です。笑

解説します。

草冠…佐渡のサをカタカナで表現。
延…日本古来のひらがな「むしろ」で構成。
CACAO CLUB…frank girlにちなみ、フランクリンゴシックを採用。
周りの菱形…莚を表現。テクスチャーも莚。佐渡の荒波を表す深い藍色。

漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベットが全て詰め込まれたタイポグラフィ。
佐渡の「莚場」に「莚」を敷き、人が集まる「場」を作るチョコレート屋の挑戦。

ヤバいでしょ?

単純な意匠・造形としてのデザインだけでなく、本質を見抜く視点と、バックボーンのストーリーを重視する感性を持ち、食にも精通する彼らしさが詰まり、そして僕のことをよく理解してくれている、ものすげえデザインです。

めっちゃ気に入ってます!

彼に依頼してよかったな、そして一緒にバンドやってて良かったな。
そんなことを思います。

そして、デザイン以外の視点からアドバイスをくれる(あるいはそれも含めて、いやそれこそがデザインの本質かも)彼とは今後も継続して仕事をしていくことになると思います。

音楽もやろうね笑

まとめ

いかがだったでしょう。

USHIO CHOCOLATLを経た僕が、Mixed LocalとCACAO CRAFTという新たなコンセプトを持ち、佐渡「莚場」に「莚」を敷いて「場」を作る。

そんなストーリーの込められた名前とロゴでした。

一本の記事を書けるほど、ストーリーのこもった名前、大事にしていこうと思います。

さあ、次はいよいよそのストーリーを作り上げる物件、夢の城の紹介です。


サシャインロゴ


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