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オレの名前を言ってみろ…!!

※ちゃんと宇宙飛行士選抜試験受験記です。

こんなセリフを吐けるのは、私が知っている中では三井寿とジャギくらいだ。

三井寿(『SLAM DUNK』)
ジャギ(『北斗の拳』)

ジャギの問いは目的が違うのでさておき、三井寿はこの時も三井寿である。
その自覚も持った上で問うている。


ここでこの記事を書いている私、そして読者に問いたい。

「オレの名前を言ってみろ…!!」

私はSpicaだし、国からは八木澤遥香と呼ばれている。
そして読者のみなさんもきっとそうだろう。

吾輩が猫でない限り、おそらく何かしら名前がついているはずだ。

それを踏まえた上で、ぜひ先を読み進めてほしい。


相手は誰だ?

先日JAXAから2021年度宇宙飛行士候補者の最終的な募集結果について発表された。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)、「きぼう」日本実験棟、そして月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面での活動を想定した新たな日本人宇宙飛行士候補者の募集を2022年4月4日(月)正午に締め切りました。 下記のとおり最終的な応募がありましたので、お知らせいたします。

JAXA「2021年度 宇宙飛行士候補者の募集結果について」より抜粋

応募総数:4,127名

(参考)
・応募総数は過去最高(これまで最高だった前回の963名と比べ約4.3倍)
・男性3,204名(77.6%)、女性919名(22.3%)、他を選択された方4名(0.1%)

正直に言う、増えすぎだ。目を疑った。本来の締切時点から3倍ほど増えている。
ここらへんの話はSpicaとしてYoutubeに出演させていただいた際、ざっくばらんにお話したので、興味のある方はこちらも参考にしていただけると嬉しい。
(再生いただいたところで私に収益が入るわけではないのでご安心?を。笑)

SpaceShowroom』にて

本来の締切時点では1,563名
個人的に今回の選抜では人員補充の側面もあるのではないかと推測し、3~5人ほど選ばれるのではないかと考えていた。

1,500名であれば、300~500名程度の学年で1位を獲るくらいの難易度で最終的な3~5人に選ばれることができる。
総合1位は人生で1度も獲ったことはないけれど、もしそれで宇宙飛行士になれるのであれば死に物狂いで勉強する。つまり選ばれると思っていた。

しかし1ヶ月が経ち最終的に蓋を開けてみると、まさかの4,127名。
ベンチャーから大企業にのし上がるようなバチバチCxOになる難易度で4人に入ることができる。
なるほど、これは一筋縄ではいかない。日頃の行いや運の要素も強くなる。

そして自分には発達障害という特性がある。
そもそも試験なんて受けられず、書類選抜で落ちる可能性が高い。
応募人数が多いなら尚更だ。

自国で有人ロケットを打ち上げていない日本人宇宙飛行士を募集する段階である現状を踏まえても、国際的に公言されているわけではないが、リスクは排除されるだろう。
(それで前回の記事にてラブレターを書き、あがいてみた)

人数が多くなったのならば、最初からより厳しい目で判断していくのではないかというのが個人的な予想だ。
なんなら1,000人くらい書類選抜で落ちるのではないかと推測している。
(もちろん応募要件を満たしていないが受験した勢を含めて。)

だが、これは必然であることを忘れてはならない。
なぜなら宇宙飛行士の最も大切な仕事は「無事に生きて帰ってくること」であるから。

そのためにリスクを排除するのは仕方ない。
何ヶ月もかけて志望動機を考えたところで、自分という人体を変えることはできない。そこは苦しいが受け入れるべき時が迫ってきている。


じゃあどうするか。

まずここまでで分かったことを列挙してみる。

  • 三井寿はどんなに疲れていても同じパフォーマンスを発揮することができる

  • ジャギはどんなに脅してもケンシロウにはなれない

では三井のような天賦の才を受けなければ、超えらえない選抜試験なのか?
(もうジャギの話はいいかもしれないが好きなのでさせてほしい、ジャギはそもそもケンシロウではないのでジャギにしかなれない)


しかしここで、あるもう1人の男を思い出した。
こいつは自分の名前なんて聞いてこない寡黙なやつである。

神宗一郎(『SLAM DUNK』)

海南高校の神宗一郎だ。
彼はずば抜けた身体的特性を持っていたわけでもないし、センターとしてやっていくには到底ムリだと監督に言われてしまう。
"常勝"を掲げる神奈川県No.1の海南。神の代えはいくらでも居ただろう。


しかし神は顔色一つかえず、ただ黙々と自分のスキルを磨き続けた。

神が持っていたものは、

  • 内に秘めた闘志

  • きれいなシュートフォーム

これは宇宙飛行士受験者にも当てはまることではないか?
内に秘めた闘志は言わずもがな応募者全員が持っているはずだ。「綺麗なシュートフォーム」とは、我々が丹精込め上げて書き上げたエントリーシートと言っても過言ではないだろう。


私の想いは伝わっただろうか?
応募人数が何人になろうと、私はSpicaだ。
それは変わらないということ。

だから応募人数に目を向けるのはただの時間の無駄。
なんなら心身へ悪影響まで及ぼす曲者。

ただし、神のように"努力"という誰にでも平等に与えられたスキルを駆使すれば、どうなるか。
SpicaはSpicaでも、宇宙飛行士のSpicaになることができる。

ダラダラ書き連ねてしまったが、言いたいことをまとめるとこれだけ。
私たちの相手は他の4,126名ではない、月である。
目標を見失ってはいけない。

どう転ぼうが世界は変わらないし、Spicaも八木澤遥香も消えたりしない。
こんな考え方も1つあることを知り、誰かの息抜きになれれば幸いだ。



P.S.
今回宇宙飛行士選抜試験の受験を知人たちへ公表した際に、「自分も『宇宙兄弟』が大好きだ」という理由でキャラクターに私を重ねて応援してくれる友人も多々いる。
(大体の場合、日々人か紫三世に似ていると言われる)

そうやって『宇宙兄弟』で宇宙飛行士を知り、私という存在に重ね合わせてくれることはとても嬉しい。
ただ実は自分「も」、という評価は誤っていることをこの場で詫びたい。


これまで言えなかったけれど、私が一番好きな漫画は中学生の頃から変わらず『SLAM DUNK』だ。。。
実家には自分の一張羅より大切に、流川のユニフォームが飾られている。

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