美術館にて公にすることとは ー藤岡作太郎『近世美術史』

また余の特に遺憾とするところは、名品珍什多くは秘庫に蔵せられて、常人の見るを得ざることこれなり。(中略)欧州諸国にては、所々の美術館を巡りて、些少の観覧料を投ずれば、諸家の大作の一斑は会得せらるべといふに、わが国にては博物館の数甚だに、妙筆逸品多くは権家富人の有にか﹅る

藤岡作太郎『近世美術史』金港堂、1903年、p2-3


いまは「あたりまえ」になっていて、気づきにくいこともある。

「あたりまえ」になる前の不自由な状態を観察すると、今、獲得されていることの意味もみえるのでは。

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