「相手に対して」から「私も」「あなたも」へ

 今日の朝のニュースのなかで、ホームレスの人たちに対して、ワクチン接種についてインタビューする場面があった。

行政がホームレスに対してもワクチン接種をしているのは知っている。でも受ける気はないという。

 その言葉の裏に「申請手続きのなかで、ホームレスであるということを自覚せざるを得ないからではないか」と同道したスープの会の人が分析していた。

 本当のところはわからないけれど、行政サービスや制度は対象を設定したがる。対象にするよりも対話を続けていくことでサービスが変わっていくしかないんですね、とNHKの人が結んでいた。

 このところ「個人の感じる喜怒哀楽や快/不快といった感情や痛みの感覚も、主観的ではなく、間主観的出来事として捉えられ、個の身体を越えて拡張していく意識や感情の運動が焦点化されてきている」らしい。

 あなたとわたしの間で何がおきるのか、関係性が問題になっていく。

※小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』講談社

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