~できる力(ケイパビリティ)―「訳者まえがき」『不平等の再検討―潜在能力と自由―』
何をもって「自由」なのか、「豊か」なのか。例えば、14万の飼育員が16万になったら「豊か」なのだろうか、給与をそこそこもらっている人が定時退社を命じられたら「自由」になるのだろうか。
ここを考えたのが、アマルティア・センさん。
潜在能力ということに着目した。
その人が置かれた状況によって「・・・できる可能性」の幅は変化する。例えば、月収20万で、すべての人が幸せかというと、人によって異なる。不動産を有しているか、扶養している親族があるか、移動に困難を抱えているか、人は多様であり、人によって幸せのあり方も異なる。
だから、センは「・・・できる力」に注目した。移動に困難があるが、移動するためのお金と手段はあるならば、「移動できる力」がある、というように。これを移動困難という状態だけでは評価しない。
このことで貧しい人だけでなく、豊かな人にも共通する議論になった。(←ここが、センのすごいとこだと思う)
では、非正規という状態に注目するのではなく、非正規であれ正規であれ、「学芸員としての能力が発揮できる」のためには、どんなことが必要だろうか。
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