第5講 博物館の利用者とは・・・《資料探索・読解》

《資料探索と読解》
資料を探して読んだうえで、あなたは博物館を利用しにくい人がいるとすればどのような人だと考えるか説明してください。

(資料)博物館を利用しにくい人がどのような人なのか、図書館やインターネットを使って、資料等(本や論文)を自分で探し出してください。

① 博物館の利用者と万人

 問いでは、博物館の利用者について考えてもらいました。どんな利用者の姿が思い浮かびましたか。40代、女性という来館者の傾向であったり、博物館でボランティアや市民活動をしている具体的な人たちの姿だったりでしょうか。直接博物館を利用しないけれど、SNSで博物館のアカウントをフォローしている人なんかもいるかも知れませんね。また、ちょっとした調べものをするときに、博物館のホームページを参照する人もいるかも知れません。

 博物館法という法律によれば、博物館とは「一般公衆」の利用に供することを目的とする機関だよ、と書いてあります。私は博物館法のこの部分が一番太っ腹で好きなところです。国民だけじゃないんですよ、「一般公衆」だもの。その「一般公衆」が利用する博物館は「社会教育のための機関」(社会教育法第9条)です、とも書いてあります。ん?社会教育ってなんだったかな。確か第1講でやったような気がするな。ええっと・・・

「生涯学習の支援の一環として教育・社会教育は存在しているということなのです」

鈴木眞理「生涯学習と社会教育」『学ばないこと・学ぶことーとまれ・生涯学習の・ススメ』p90

そうでした、そうでした。法律の上でも「国及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない」(社会教育法第3条)とあります。社会教育を奨励していくのに必要な施設を作ったりして、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所で学習できるような環境を作っていくよう努力しなさいよ、ということですね。
 長くなりましたけれど、博物館とは「一般公衆」そして「国民」がその利用者であるわけです。つまり、あらゆる人が生涯にわたって学習をできるようにしていくための社会教育機関なんですね。

 さて、問いのところで博物館の利用者とは誰でしょうという質問をさせていただきましたが、あなたが想定した利用者と博物館法のいう「一般公衆」あるいは「国民」は一致していますでしょうか。博物館を利用できていない人、利用しにくい人がいるのではないでしょうか。それをインターネットや本などを使って調べてください、というのが今回の問題です。博物館の利用者ではない人ってどんな人なのでしょうね。
 


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