みゅぜぶらん八女の蔵書⑤

蔵書No.41
(編著者)久塚純一/岡沢憲芙(共編)
(書名)世界のNPO・・・人と人との新しいつながり・・・
(総ページ数)292頁
(書籍の大きさ)21cm(縦)×15cm(横)
(発行所)早稲田大学出版部
(発行年)2006年

(解説)
『この本』で扱われたのは、1.イギリス(早田宰先生執筆)、2.ドイツ(坪郷實先生執筆)、3.スウェーデン(岡沢憲芙先生執筆)、4.メキシコ(畑惠子先生執筆)、5.フランス(久塚純一執筆)、6.アメリカ(篠田徹先生執筆)、7.日本(久塚純一執筆)、のNPOである。それぞれの国 のNPOについて、ソノ特徴を表現できるように、各章にはサブタイトルが付されている。2006年の出版であることから、少し古い感じがするかもしれないが、基本的なことに力点を置いた執筆であることから、今日でも十分に示唆的である。巻末には、NPO関連の邦語文献45冊を紹介文をつけて掲載している。「あとがき」(坪郷實先生)にあるように、『この本』は、早稲田大学のプロジェクト研究所であった「国際福祉研究所」(所長・久塚純一)の活動の中から生まれたものである。

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蔵書No.42
(著者)Maureen Hogan Casamayou
(書名)The Politics of BreastCancer
(総ページ数)191頁
(書籍の大きさ)22.8cm(縦)×15.4cm(横)
(発行所)Georgetown University Press(Washington D.C.)
(発行年)2001年

(解説)
蔵書No.43で紹介される邦訳書『乳がんの政治学』の原著に当たるモノが『この本』である。序章と8つの章、そして、丁寧な(注)から構成されている。内容の紹介については、蔵書No.43の(解説)に譲る。

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蔵書No.43
(著者)M.H.カサマユウ(久塚純一監訳/斉藤真理・永井順子・西岡晋・廣川嘉裕・森田慎二郎 訳)
(書名)乳がんの政治学
(総ページ数)249頁
(書籍の大きさ)21cm(縦)×15cm(横)
(発行所)早稲田大学出版部
(発行年)2003年

(解説)
まず悩んだのが、原著のタイトル“The Politics of Breast Cancer”の訳語についてであったが、最終的には『乳がんの政治学』とした。全体を構成しているのは、「乳がんの問題」、「政治と政府の対応」、「政策企業家」、「組織的な乳がんアドボカシ―の出現」、「乳がんアドボカシ―の動員」、「全米乳がん連合」、「政治の場と機会の窓」、「結論」の各章である。全米の女性達のアクションと、ブッシュ(父)のホワイトハウスから、クリントンのホワイトハウスへの過程が、なんとも興味深い。当時の大学院生たちと毎週のように「翻訳会」を重ね、何度も校正を繰り返し、ようやく出版にこぎつけた。書籍の「帯」にプリントした「ピンクのリボン」は朝日新聞社に提供していただいた。表紙カバーの写真は、全米の260万人の署名をクリントン大統領に手渡す、1993年10月18日のデモ行進の中で、署名者数を掲げるユタ州の代表者達である(写真を使用するにあたっては、2003年にワシントンポスト紙の許可を得て使用した)。出版の過程では、訳出手続きを始めとして、早稲田大学出版部におられた寺山さんには大変お世話になった。

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蔵書No.44
(著者)Alan Hunt/Gary Wickham
(書名)Foucult and Law-Towards Sociology of Law as Governance
(総ページ数)148頁
(書籍の大きさ)21.5cm(縦)×13.6cm(横)
(発行所)Pluto press(London)
(発行年)1994年

(解説)
表紙にあるFoucultのイラストはMike Rickettes氏によるものである。書籍の内容紹介については、蔵書No.45の(解説)に譲る。

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蔵書No.45
(著者)A. ハント /G.ウィッカム(久塚純一監訳/永井順子訳)
(書名)フーコーと法・・・統治としての法の社会学に向けて・・・
(総ページ数)241頁
(書籍の大きさ)21cm(縦)×15cm(横)
(発行所)早稲田大学出版部
(発行年)2007年

(解説)
原著は“Foucult and Law-Towards Sociology of Law as Governance”(Pluto Press,London,1994)である(蔵書No.44)。「謝辞」、「序文」につづく章立ては、「Ⅰ ミシェル・フーコー入門」、「Ⅱ 法をめぐるフーコー」、「Ⅲ フーコーを展開する」である。巻末には、原注のほか、訳者による注、参考文献が付されている。訳書は、残念なことに絶版の状態のままである。『この本』の訳出作業は、訳者である永井順子氏が、監訳者(久塚純一)の研究室に在籍していたときになされた。座る場所もない空間で、永井さんの「訳出音読」を聞きながら、原著を見ている私は、ときどき、「ちょっと、待って」などと言いながら、毎週のように作業を進めていた。永井さんの「理解し表現する力」は、その頃から抜群であった。楽屋話になるのでここでは触れないが、『この本』の訳出に至る経緯は、今でもよく覚えている。訳本の表紙にも、原著の表紙にあるMike Rickettes 氏によるFoucultのイラストを使用した(イラストは、Mike Rickettes氏の許可を得て使用した)。出版の過程では、訳出手続きを始めとして、早稲田大学出版部におられた寺山さんには大変お世話になった。

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蔵書No.46
(著者)久塚純一
(書名)「考え方」で考える社会保障法
(総ページ数)244頁(目次を除く)
(書籍の大きさ)19cm(縦)×13cm(横)
(発行所)成文堂
(発行年)2015年

(解説)
『この本』は、早稲田大学社会科学部における「社会保障法」の講義の教科書として使用するために書いたものである。「主体」(誰が)・「出来事」(どのような場合に)・「給付」(何を)・「圏域」(どこで)などの場面を設定することによって、法的な独自性を有している「社会保障法」について「考える」ことが出来るように工夫している。頁割や頁の組み方、全体的な体裁等、成文堂の篠崎さんには、アルコールを含めてお付き合いいただいた。

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蔵書No.47
(著者)久塚純一
(書名)「ありよう」で捉える社会保障法-社会保障の法現象-
(総ページ数)250頁(目次を除く)
(書籍の大きさ)19cm(縦)×13cm(横)
(発行所)成文堂
(発行年)2016年

(解説)
蔵書No.46の『「考え方」で考える社会保障法』では、「主体」(誰が)・「出来事」(どのような場合に)・「給付」(何を)・「圏域」(どこで)などの場面を設定し、法的な独自性を有している「社会保障法」について「考える」こととした。では、そのような独自性は、一体、どのような「ありよう」として捉えるコトが出来るのであろうか ? 「近代市民法」と対比させながら、「関係」(のありよう)・「意思」(のありよう)・「責任」(のありよう)等の諸点について、理解できるように書いたモノが『この本』である。蔵書No.46で留まりきれなかったことから、蔵書No.46の翌年、再び、成文堂の篠崎さんに、アルコールを含めて大変お世話になってしまった。

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蔵書No.48
(著者)久塚純一
(書名)「議事録」で読む社会保障の「法的姿」-「結論」を得るための「理屈」-
(総ページ数)251頁(目次を除く)
(書籍の大きさ)19cm(縦)×13cm(横)
(発行所)成文堂
(発行年)2017年

(解説)
1年に1冊書くというコトにチャレンジ、という訳ではないが、3年連続の出版となった。「議事録」を活用して社会保障の「法的姿」を表現できないか ?を試みたモノが『この本』である。明治の初期から現代に至るまでの社会保障に関する主要な法律について、議会での議論から読み取れるコトはないだろうか、というコトにチャレンジしている。そして、「少子化」や「男女の共同参画」等のテーマを設定し、「戦時体制下」と「現代」の議事録を併置してみることもなされている。カタカナと旧字体には苦労したが、執筆は結構楽しめた。3年連続で、成文堂の篠崎さんに、アルコールを含めて大変お世話になってしまった。

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蔵書No.49
(著者)久塚純一
(書名)「ことば」と社会保障法-規範的独自性を探る-
(総ページ数)242頁(目次を除く)
(書籍の大きさ)19cm(縦)×13cm(横)
(発行所)成文堂
(発行年)2018年

(解説)
蔵書No.48(「議事録」で読む社会保障の「法的姿」)を執筆していた頃、気になっていたのは「ことば」であった。もちろん、ミシェル・フーコー著の『言葉と物』(新潮社)も、分からないなりに、時々、手にしていた。そして、その頃は、時間があれば「成文堂さん」に通っていた。良く話していたのは、何度も読んでいる、三浦つとむ著の『日本語はどういう言語か』(講談社学術文庫)であるとか、立川健二・山田広昭 共著の『現代言語論』(新曜社)についてであった。そんな中、篠崎さんから、J.L.オースティンの話が出てきたことがあった。要は、「ことば」が気にかかっていたのである。というコトから、よし !!「法的独自性」を有する「社会保障法」について、「ことば」を切り口にして書いてみよう、というコトになったのが『この本』である。イヤハヤ、4年連続の出版となってしまった。

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蔵書No.50
(著者)久塚純一
(書名)社会保障法へのアプローチ・・・方法としての[「ソモソモ」と「深掘り」]・・・
(総ページ数)251頁(目次を除く)
(書籍の大きさ)19cm(縦)×13cm(横)
(発行所)成文堂
(発行年)2020年

(解説)
シリーズ5冊目のようになった『この本』は、私が退職後に書いた一冊である。振り返ってみると、私自身の仕事の進め方が[「ソモソモ」と「深掘り」]の連続的組み合わせであった。というコトから、方法論を意識して、「社会保障法へのアプローチ」を試みた。蔵書No.49の(解説)でも書いたように、「成文堂さん」の3階での会話は、野矢茂樹著の『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)やラッセル・B.グッドマン著の『ウィトゲンシュタインとウィリアム・ジェイムス』にまで及んでいた。「対象」・「論理」・「分類」等などが、方法論的に気にかかっていたのである。振り返ると、成文堂の篠崎さんにお付き合いいただくばかりであった。シリーズ6冊目は困難である。

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