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和歌山へ「紀の国ぶらくり劇場」

先週の大阪に続いて和歌山に行ってきました。

恋川純弥さんを観たくて日帰り遠征です。
猿之助さんが舞台にいなくなったら遠征することは無くなると思っていました。やっと芝居熱が戻ってきた。自分でも嬉しいし、観たいと思うパワーは新しい扉を開いてくれました。

今回の劇団は「新川劇団」です。純弥さんの母方の伯父に当たる新川博之さん創立、現在リーダーを務めています。息子さんの博也さん笑也さんが座長です。ということは、一族の劇団に純弥さんがゲスト。何だか観たくなって行ってきました。

旅の記録と感想を少し綴ります。


先週に続き、初めましての土地と劇場です。南海「和歌山市駅」に午前中に到着。車窓からは海が見えて旅のご褒美のようでした。

駅が綺麗でおしゃれでした。蔦屋書店の中にスタバがあったので軽くランチです。

素敵スペース!ひと息ついて劇場に向かいました。

「ぶらくり丁」という商店街にあり、座席130席ほどの小劇場です。大衆演劇を観るようになって、小さい劇場の距離感にだんだん慣れてきました。歌舞伎座の客席降りが公演中、ずっと続いているようなものです。

花道がありました。舞台は横幅が小さくて、数歩で花道に行けるほど。いろんな劇場があって面白いです。


お芝居と舞踊ショーの二本立てです。

「紅笠勘太郎」という芝居。純弥さんは知らなかったそうで初役と聞きました。私も知らないお話です。印象に残ったシーンのお話を聞いてください。

主人公の勘太郎は笑也座長。「しょうや」さんと読みます。澤瀉屋だと「えみや」と読みたくなります。とってもいいお役。敵か味方か掴みどころのない飄々としたキャラを軽妙に演じていて楽しかったです。

純弥さんは一家の二代目親分。良い人だと一見してわかるスッキリとした親分でした。

やむを得ず、命をくれないかと子分に言うのです。その子分がめちゃめくちゃ親分想い。親分が「大事なものは何だ」と聞くと「一番は自分の命、二番は親分」と。

親分は「お前の一番大事なものを、二番目に大事な俺にくれ」みたいなことを言います。ここの純弥さんが切なくてよかった。

実は子分は、いわゆる与太郎。ちょっとおバカなキャラクター。死ぬ意味も解らず、親分の言ったことはそのまま受けとめてしまいます。

だからとっても理不尽だなと思って悲しかった。子分にそのまま腹を切らせようとしても痛くてできないから、南妙法蓮華経を一緒に唱えさせ、ラストの一語で親分がバンと子分の背をついて刀を腹に。

その瞬間が絶妙過ぎて、声が出そうなくらい驚いてしまった。純弥さんが上手すぎるのですが悲しかった。

子分を演じたのは博也座長。落語で出てきた与太郎を参考にして役作りをしたとか。少しおバカなキャラって難しいと思う。哀愁があってよかったです。

で。。夜の部ではこのシーンを演出変更して演じます!と口上で話が出ました。シーンの後すぐに、純弥さんから演出を変えたいと申し出があったそう。

私は昼の部しか観ることができなかったので、どう変更になったのか知りません。残念。だけど、お芝居は一期一会です。ご縁が無かったのですよね。

それよりも、良くするために演出をどんどん変えていくことができる人、それに付いていける人が当たり前ではないと思うのです。想像ですが、俯瞰で芝居を捕らえて、全体のバランスもあるだろうし。。。経験値と臨機応変さと。

猿之助さんが常にそうでした。最大の理由は、本人が同じ芝居は飽きてしまうことでしたけど(笑)これは違うと思えばどんどん変えていったし、お客の反応が悪ければ場面丸ごと無くなっていた時もありました。

だから次も観たくなるのです。どこかが違っているのではないかとワクワクします。全部を追いかけたくなるのです。

純弥さんもそういうことができる方なのだと思います。大衆演劇出身だからできるというわけではないと想像しています。まだまだこれから観ていきたい人です。

ラストの立廻りも好きでした。純弥さんは形が綺麗。笑也座長の殺陣もキレキレでかっこよかったです。


幕間後は舞踊ショーです。

舞踊は、化粧が変わってしまうと、純弥さん以外はどなたかよくわからなくて申し訳ないです。印象に残った舞踊を写真でご紹介です。

最近は曲名をその場でアプリ検索できるので何となくわかるようになってきました。私も進化してます。

登場すると風が吹く。空間を別世界にしてしまう。

純弥さんの伯父様↓ 雰囲気が似ていました。

笑也座長の「山河」に感動しました。

純弥さんのお弟子さん、花邱龍之輔さん。

そして、ラスト。
津軽三味線を演奏してくれました。
これにはびっくり!私はこの音色が好きです。

おそらく。。じょんがら節。

からの「RISING」二曲目もあるなんてーと思っていたら途中から群舞になってテンション上がりました!

三味線からの群舞。純弥さんはラストまで手を抜かず諦めず。まわりの皆さんにその熱が伝わっていくのがわかる。私は熱い舞台が好きだと思い起こしてくれます。


楽しい旅でした。
純弥さんには心が刺激されます。

猿之助さんが結んでくれたご縁です。
私はこうして待つのだなと思う。

送り出しの笑顔にいつも背中を押してもらっています。
有難うございました。

写真はスマホ撮影のため寛容にご覧ください。


aya


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