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「新・三国志」千穐楽

三月大歌舞伎 千穐楽
おめでとうございます。

「新・三国志 関羽篇」幕が下りました。

團子くんの一人語りが終わりカーテンコールの最初に笑也さん中車さんが登場した瞬間に泣けました。万感の想いがこみ上げてきた。

昨日からずっと感動しっぱなしです。何でもないところで、ふわっと涙が出てきたり。こんな日が来るのだなぁ。生きててよかったなぁ。心から思う。澤瀉屋のスーパー歌舞伎が歌舞伎座を盛況で千穐楽を迎えたのです。

いつものごとく千穐楽はファンが多いから拍手も多い。でも今日の感覚は懐かしくもありました。今までのスーパー歌舞伎Ⅱの千穐楽カーテンコールが心に浮かんできました。一人一人への拍手がものすごくて、それを受ける役者さん方の表情も素敵で。

先代の作ったスーパー歌舞伎ではカーテンコールも芝居の一部、という考えだそうです。だから皆さんが表情を変えたり笑ったりすることはないけれど、それでもやりきった安堵の表情なのか、寂しい気持ちなのか、何とも言えない心地よい空気でした。

猿之助さんの関羽はどんどん存在感が増していきました。優しく穏やかで、とても強い。関羽は出会った人の心に光を与えていました。玉蘭や張飛、ともに戦う仲間たち、村人、敵である曹操や孫権。私は猿之助さんと関羽がどんどん重なっていきました。

劉備の夢見る力を一途に信じて自身の力にする。信仰心に厚いところは近い感じがします。関羽の心にはいつも劉備がいるから揺るがない。それが佇まいから溢れていました。

周りをグイグイ引っ張る感じではなく、温かく見守る。それは信頼からだと思っています。関羽はまさにそうでした。いつの間にか四代目らしい関羽になっていたと思うのです。

また、その横に立っている中車さんの佇まいが変化したと思う。猿之助さんに似てきた(笑)お衣装のせいもありますが、フォルムがツインズのようで。。でもそれは、中車さんもいつの間にか溶け込んでいたということなのかと思っています。見ていたら段四郎さんの瀬尾(俊寛の)を思い出しました。段四郎さんにどことなく似てきたかも、中車さん。

襲名披露興行以来、中車さん團子くんが加わり、スーパー歌舞伎がまた新たなステージに進んだ気がして嬉しい。

そうそう、團子くんが昨日と全く違う口調でびっくり!叫ばず、気持ちを遠くに届けようとしているイメージで話していたかと。だんだん盛り上げていく感じも素晴らしかった。御見それしました!末恐ろしいです。

そして、福之助くんが最高をまた更新してきた。また鳥肌でした(笑)オグリの時はアクションがかっこいい!と思っていたけど、こんなに動きが少ないお役も魅せてくれるようになるとは。今度は思いっきりの立廻りを観たいです。

ラストの宙乗り。翔ぶ直前のセリフが今まで聞いた中で一番優しく聞こえました。苦しい時は星空を見上げて。。。これは猿之助さん自身の言葉ではないかと思っているのですが、本人が世の中に語り掛けているようでした。

さらば、さらばじゃ

あああ。。寂しい。。となる(笑)

でも猿之助さんの表情はいろんなことから解き放たれたような気もするし、いつもどおりだった気もする。それより私が初日と同じく泣いていた。やっぱりスーパー歌舞伎が好き。この心躍る感じは他ではあり得ない。この調子では配信も観てしまうかもしれない。

桃の花びらが舞う景色が最高でした!
花びらの滞空時間が長く、一階席上手ブロックまで届いていました。三階西側で一人で花びらを担当している方の腕が上がったのかわかりません。この景色が私が知るスーパー歌舞伎なのです!有難うございます。あの中を翔ぶ猿之助さんが最高なのです。

加藤和彦さんの音楽が心に響きます。幕が下りる時の音楽でさらに涙しました。また劇場で聞ける日を楽しみにしています。

ライティングも綺麗だし、セリフきっかけの音出しも絶妙。桃の木はドラマティックで、炎を観るとスーパー!と思う(笑)裏方の皆様に感謝です。

幕が閉まっても拍手が続く傾向にあるのが千穐楽ですが、今日はすぐに止みました。これはすごいことかと。二部までの時間が短いのをファンは知っているから、スタッフへの想いからなのだと感動でした。

西側の扉外には花びら係のスタッフが4人くらいは待機しています。今日まで有難うございました。

三階鳥屋からの花びらの量が少なめ。なぜなら一階にその分が飛んでいるからかと想像。時間差退場を待っている間、私のお席近くを撮影しました。

三階鳥屋前

劇場前では余韻を楽しむお客で笑顔の花が咲いていました。劉備たちは。。澤瀉屋はこんな世界を目指しているのだと幸せな気分でした。

友人と余韻を分かち合いました。

ポスターを見ながら家でも余韻に浸る。
それにしても圧がすごいです。

夢のようなひと月を有難うございました。

aya

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