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<2012年 アメブロ編 亀治郎の会ファイナル>2

過去のブログをピックアップして再編集しているシリーズです。猿之助さんの亀治郎時代の自主公演「亀治郎の会」の第10回。

自主公演は10回までやります!と公言していました。猿之助襲名が決まっても約束を守ってくれました。その第10回の千秋楽を観劇した当時の感想です。

その後、NHKで放送された「新・猿之助誕生」というドキュメントを観た感想もアップします。


8月21日 亀治郎の会 大千穐楽

亀治郎の会千穐楽!ファイナルのファイナルです!
満員御礼となり息苦しいくらいの国立大劇場。

亀治郎さんの一挙手一投足に、そこにいる人、物、すべてが集中している感じがビシビシ伝わります。プログラムは開演前に完売してしまい予約販売になっていました。

亀治郎さんは毎日開宴前に物販コーナーに直接サインを書きにいらしていたそう。こういう気持ちが嬉しいですね。

本日書きたて(笑)と言ってスタッフの方々が頑張って販売してらっしゃいました。

亀治郎さんは一瞬一瞬を愛おしむような丁寧な踊り。先日よりもたっぷり間をとり見せ場も多かったです。「亀ちゃん!」「待ってました!」「ご両人!」「四代目!」など。

様々な大向こうが飛び交うのもラストならでは。亀ちゃんと呼べるのは今日までですから、感動するやら面白いやら(笑)

連獅子になると会場も異様な盛り上がり。

亀治郎さんはもちろん、(尾上)右近くんのオーラもハンパじゃなかったです。親獅子は神々しく、仔獅子は情熱的。右近さんが100%の力で亀治郎さんにぶつかっていこうとする姿に感動でした。

舞台近くで拝見すると、本当に亀治郎さんのジャンプ力が凄いです。滞空時間も長く、ふわっと、でも力強く降りるのです、。

そして毛振りが雄大でした!二人ともに思いきりよく、揃っていて美しかった。先日より回数多かったような。。千穐楽バージョンだったのかな。

なんと友人が数えていて90回もまわしたそう。でも息が乱れない。。近くて見ても乱れていませんでした。恐るべし身体能力の高さです。

幕切れの亀治郎さんの表情は輝いていました。右近くんもサイコーなお顔でした。

獅子の姿で登場したあたりから、私は泣けてきました。寂しいのではなく、胸がいっぱいになったのです。

第六回亀治郎の会で初めて歌舞伎を観てから、どんなに救われてきたことか。私に’生きる力’を与えてくれた亀治郎さん。歌舞伎に出会わせてくれた。

毛振りが始まってから拍手は鳴りやまず、そのままカーテンコールに突入した感じでした。すでにスタンディング。

亀治郎さんとっても素敵な表情でした。上手から下手、一階から上の階へ目線を送ります。花道真ん中あたりまで行き感謝を届けていました。

そして右近くんが飛び跳ねがら手拍子をし始めると演奏が始まりました!なんとまた毛振り(笑)

お二人が毛振り体勢に入った時の盛り上がりったらありません!20回まわしてくれました。

見ているこちらもスッキリしました。

そして亀治郎さんが、しーっと指を口にあて会場を静めると話し始めました。

「亀治郎の会は終わります!猿之助の会はやりません!」

この言葉が生で聞けて喜んでいる人は多かったはず。これからは四代目猿之助として生きていく新たな決意表明。

’亀治郎’は昇天したそうです。

笑えるくらい爽やかでした。

ラストは出演者全員とお客全員の記念撮影です。役者さん一人一人の登場の仕方も楽しかったです。

延寿太夫をはじめ、道山さんなどなど、とにかく全員!

11年前の第一回亀治郎の会で同じ撮影をしたそうです。

今回も同じ獅子の姿でラストの記念撮影です。11年前と同じ写真家の長塚氏が舞台奥から撮ってくださいました。

「万感の想いを込めて
四代目猿之助が’亀治郎の会’の幕を引きます」

パンフレットに書かれてあった言葉。

そこに立ち会えたことに感謝いたします。

そして出演者、裏方、スタッフ、すべての皆様にも感謝。

これからはちゃんと’猿之助さん’と呼ばせていただきます。

aya。


8月24日 新・猿之助誕生

先ほど、「新・猿之助誕生」を見ました。NHK総合テレビで19:30から放送でした。

襲名が発表になった昨年秋から今年7月の襲名公演までのドキュメント。また新たな猿之助さんの一面を拝見できた気がしました。

襲名には、もの凄く儀式的(に見えました)なことがたくさんあり、見えない部分の心遣いや労力に驚きました。

会社各方面へのご挨拶、劇場の各部署などのご挨拶に本人自ら足を運んでいるのですね。歌舞伎界の中で受け継がれてゆく伝統に心打たれました。

猿之助さんは歩くのが速い(笑)いつもスッとカメラの前を通りすぎてしまう。

楽屋の様子も貴重でした。

亀治郎としてラストの公演、4月の新橋演舞場千穐楽!あの’献カメ’が行われた楽屋の映像は楽しかったですね~

猿之助さんの、楽しみながらも、ちょっと抵抗しているような、照れているような複雑な感じがよかった。寄せ書きを読みながら吹き出している表情もよかったけど、勘平のままなのが笑えました。

竹三郎さんの愛情たっぷりなお顔も素敵でした。歌舞伎ってホント大家族なのですね。

福山雅治さんとのポスター撮影風景の嬉しそうなお顔!興奮しているのが表情からわかりました。

6月襲名公演初日。3時まで飲んでいたと笑って中車さんに話していました。ちなみに中車さんはほとんど眠れなかったそう。

’四の切’の狐を終えて楽屋に戻ってくる姿はフラフラ。言葉もうなされているような感じ。胸が締め付けられました。

ここまで疲労するのかと思うほど壮絶。でもすぐにそのあとはヤマトタケルです。

こんなことを二ヶ月間していたのかと思うと感謝の気持ちでいっぱいになります。

歌舞伎役者とは何なのだろう。

何がそこまでさせるのでしょう。

ますます魅了されてしまいました。

襲名とは「名前の進化」

’亀治郎’という名前はもうお腹いっぱいになり自分の元を去った。今度は’猿之助’という名前が憑依して自分を食べ始めている。名跡がそうして厚みを増していく。。。

これは私には恐い。

でも猿之助さんは憑依されるだけの器なのだと思いました。

スタジオインタビューの姿がダンディ。言葉も端的で明快!

27才の時に三代目のもとを離れ、その4ヶ月後に三代目は病に倒れました。以来、6年間お見舞いにも行かなかったことは何かで読みました。

でも、今でも心のどこかで’自分が離れたから病気にさせた’という想いがあるということは初めて聞きました。いろんな想いを心の糧にして舞台に立っていることが少しですが見えてきたような気がします。

舞台稽古風景や本番の姿を拝見し、ヤマトタケルの興奮が私も胸にも蘇ってきました。

「記憶は美化される。今回は自分の記憶の中にある
その美しいヤマトタケルをやりたい」

とっても美しく、優しいタケルでした。

猿之助さんの舞台がまた観たくなりました。

少し演じる姿を見る目が変わりそうです。

ありがとうございました。

aya。


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