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「森の石松」千穐楽!

猿之助と愉快な仲間たち第2回公演
「森の石松」千穐楽おめでとうございます。

笑って泣いてあっという間でした。

郁治郎さんが開演10分前くらいから舞台上で演技を始めます。シアター停車場のスタッフ小松。前説が芝居の一部です。寿猿さんネタ入りの独り言+観劇の注意事項を案内してくれます。ここからもう千穐楽バージョンでした。クラファン報告の時、膝をつき、万感こめてお客にお礼を言う姿に泣けてしまった。

そこからもう感動しっぱなし。千穐楽なのにみんなが攻める攻める。

やっぱりレイコママが最高でした!というか演じる松原海児さんが上手い!澤五郎さん演じる青年会議所の大森から完全に主導権を握り、間髪入れず突っ込むのが気持ちいい。きっちり扉座の宣伝も入れて完璧。大森の鬘が飛ぶタイミングが違ったのはハプニングなのかわからないけど面白かったし、舞台近くで観ると、澤五郎さんの頭を本気でぶっている音がして、お二人の心意気にも感動でした。ママのバストラインが美しくて見ちゃう(笑)

劇場を助けてあげたいレイコママと、助けたいけどどうにもできない大森の漫才!?のようなやり取りは大好きでした。リアルな会話がライトに聞ける。

床下から市瀬さん右田六さん翔乃亮さんが登場するシーンはインパクトありました。歌舞伎のスッポンみたいな。今はもう現世にいない劇団員たちが劇場に吸い寄せられるように甦ってくる。

市瀬さんのセリフまわしで時代味が出て、一気に劇中劇の世界に引き込まれます。立ち姿もかっこいい。翔乃亮さんの無感情な「待ってましたっ」が笑えて上手い。三人の登場シーンでさらに物語の展開にワクワクします。

そして、現世にいるはずのない他の劇団員たちも集まってきます。総踊りも楽しい。自然と手拍子をしちゃうし笑顔になります。やはり舞踊シーンは最高に楽しかったです。段之さんのオリエンタルカレーもクセになるし。曲が頭から離れません。

四人衆の踊りにキュンですね。笑猿さん喜介さんの沖縄ギャルが振り向いた瞬間、かわぇぇーとなる(笑)で、笑猿さんがインスタライブで背景を隠している唇柄のブルーの布を持っていてウケた。そして4人全員、客席に視線を送っていて私のまわりはのけぞってる人が多数。初日あたりはそんな感じではなかっただけに笑顔の進化がすごい。今日は最高に楽しそうで、こちらも楽しかった。

森の石松の稽古、船の場面も四人衆は最高に進化していました。右田六さんの江戸弁もいいし、翔乃亮さんのユーモラスなおばちゃんもいい。笑猿さん喜介さんも気持ちよく絡んでくる。失礼ですが、初日あたりと同じ芝居かと思うくらい面白くなりました。私自身が江戸っ子なので今日はスッと気持ちよかったです。

穴井さんは振りが全然違っていた気がするのですが。千穐楽バージョンで踊ってくださったのでしょうか。髪に差すバラを客席に投げようとして投げないのは面白かったし、まんまとつられました(笑)

石橋正次さんはコロナでつぶれかかった劇場のオーナー。スタッフの小松がヤバイところから借金をしてしまう。取り立てにくるのがビッグボス。今日は青虎さん。今まで松雪さんを観てきたので新鮮でした。あの上下柄柄の衣装は、どこにあったの??というくらい奇抜で、というか、現代劇で青虎さんを観るのは初めてかも。。と思うと貴重。リアルにいそうなボスでした。

’夜明けの停車場’は雰囲気がとてもいい。劇場にも合っていて、猿之助さんも気持ち良さそう。初日あたりと微笑みが全く違う。口をちょっと開くんですよね。斜め見ながら(笑)流し目も、チラっ、みたいな。これものけぞった人多数でした。

で、問題!?は二役目の佐与吉です。千穐楽なので書きますが、おかっぱ頭で鼻を垂らした阿呆の子供でした。大蔵卿が子供になった感じというと伝わるでしょうか。最初に観た時はビジュアルが衝撃過ぎて、座長の流し目から、いきなりここまで振られると思考停止になりますね。でも阿呆なのにツッコミはキレキレという。

今日はおかっぱに長い赤いハチマキみたいなのをしていたのです。謎(笑)。しかも額の位置に。鼻から下は青くなかった。そしてクラファンのトートを持って。ビジュアルが謎で可笑しくて。可愛らしい中に、時々おっさんが見えるのがすごい←褒めてます!口は笑ってるけど目は笑っていないですからね(笑)

ああああ。。もう天才なんだな。三谷幸喜さんが猿之助さんの喜劇役者の才能をいち早く見抜いたのは本当にすごいと思う。でも三谷さんにあまり見せたくない。二枚目とか美女も観たいからー

ゲスト親分は初日に続き浅野和之さん。佐与吉猿之助のリクエストで’鹿の一生’をパントマイムで演じてくれました!出の頭の角度が鹿!そうそう、登場時に顔から糸が出ていて怖いと思ったら、そこを引っ張るといろんなの国旗が手品のように出てきた!平和を願う小道具だったとは感動です。誰もいじってくれないから自分でお芝居止めちゃった。

立ち廻りもエキサイティングでした!ここの場面だけではないけれど、皆さんの表情がいい!初日あたりと全く違う。テンポやスピードも違うけど、一番は表情や声。生き生きして、声も生命力に溢れてる。正高さんが渾身の演技でした。ラストの絶命までグッときた。

猿之助さんのラストのセリフはおそらく千穐楽バージョン。少し長めになったような。虎之助座長の言葉というより、思うことをプラスした猿之助座長の言葉だったのではないかと思う。感謝に溢れたラストでした。

アフタートークは全員からひと言。そして、裏方さん方への拍手も。ワンピースの大千穐楽で一人一人登場したり、裏方さんを登場させた時を思い出しました。これが猿之助さんなんだな。

拍手が止まず、猿之助さん正高さんが登場。正高さんのひと言の後、猿之助さんからの「とっとと帰って」(笑)でも。。言いながらフっと口元が緩んでいたのを見て、心がじんわり温かくなりました。

疫病が流行り、こんなにお芝居で笑ったのは初めてです。有難うございました。演劇は生きる力になる。猿之助さんの言葉ではないけれど、この感動は心に生き続けます。私の宝物。今は余韻に浸ります。


aya

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