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私と歌舞伎

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感じたこと、猿之助さんに影響を受けたこと。
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#松本幸四郎

裏表太閤記が楽しみなわけ

お陰様で元気になりました。 今月の楽しみがまだまだこれからなので寝込んでいるわけにはいきません。いろいろ気づきがありました。また新たな気持ちでスタートします。 さて、来月7月は久しぶりに歌舞伎座で澤瀉屋の狂言がかかります。待ってましたっ! 猿翁さんが1981年、三代目猿之助時代に創ったお芝居「千成瓢猿顔見勢(せんなりひさごましらのかおみせ)」をリメイクして43年ぶりに上演です。 同じ形ではその後は上演が無く二回目だそう。当時、明治座では昼夜にわたり通して上演されました。

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7月歌舞伎座に澤瀉屋

昨日、速報が出ました。 7月歌舞伎座夜の部に猿翁さんが手がけた作品がかかることになりました。 「千成瓢薫風聚光 裏表太閤記」(せんなりびょうたんはためくいさおし うらおもてたいこうき) 昭和56(1981)年に明治座で初演され、昼夜かけて上演されたそう。猿三郎さんのblogによると、大阪の梅田コマでも上演があったとか。その時以来、43年ぶりに甦ることになりました。 豊臣秀吉の出世物語「太閤記」をもとに、秀吉の華々しい「表」と、明智光秀らの悲劇的な「裏」を織り交ぜた裏表

9月のお楽しみ☆

9月がスタートしました。 ヘッダーの写真は歌舞伎座の以前の緞帳です。生命あるものは何度でも再生できます。歌舞伎座タワー1階のエレベーターホールにドーンと飾っていります。観劇の際は是非、ご覧ください。 今日は歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」、国立劇場の初日でした。おめでとうございます。私は歌舞伎座の昼夜ともに観に行く予定にしています。 昼の部の金閣寺は。米吉さんの雪姫を観ようと思っています。幸四郎さんの土蜘。歌舞伎公演が久しぶりの白鸚さんも楽しみです。 夜の部は、幸四郎さん

1年前の八月納涼歌舞伎「弥次喜多」千穐楽のこと

八月納涼歌舞伎はあと3日です。 「新・水滸伝」をこんなに楽しめるとは思いませんでした。澤瀉屋の芝居は観るほどに面白いし力が湧いてきます。「楽しかったね」と言いながら友人と劇場を出る幸せを毎回感じています。 昨日今日と観てきました。 このお芝居は、猿之助さんがいない寂しさを仲間とともに分かち合っている気分になるのです。一人じゃない。。そう思えるし、前に進む勇気をもらえる。 何回観ても全く同じ舞台はなく、受け取る私の心の状態も違います。その日に印象に残る場面やセリフがその

松本幸四郎家 高麗屋展

歌舞伎座「新・陰陽師」の余韻に浸っています。 猿之助さんの才には驚かされました。でもそれ以上に若手の頑張りが眩しかったです。一番、心揺さぶられたのは、壱太郎さん右近さんのある場面。それを間近で見たくて、よく見える花横を買い足してしまった。。。 そして、この方も輝いていました。染五郎くん。隼人さんの晴明がクールな印象に対し、染五郎くんの博雅は優しく、いろんなことに感情が動く人というイメージです。お兄さんたちの中で個性を発揮していました。 その染五郎くんの父 幸四郎さん、祖

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スーパー歌舞伎Ⅱ「鬼滅の刃」2024年上演決定によせて

「四代目よ!私の創った物のその上を超えよ!」 これはスーパー歌舞伎Ⅱの一作目「空ヲ刻ム者」パンフレットにある猿翁さんの言葉です。 スーパー歌舞伎は、猿翁さんが三代目猿之助時代に創造し1986年に誕生しました。一作目は「ヤマトタケル」。古典歌舞伎と明治以降に創られた新歌舞伎、両方の良いところを取り入れた「新・新歌舞伎」を創造すべきだ、という考えから始まったそう。 私は三代目の歌舞伎を生で観ていません。初めて観たスーパー歌舞伎は、2012年、当代猿之助さんの四代目襲名興行「