斬魄刀の種類から考える「魂の精髄」

4種の分類

斬魄刀には様々な種類があり大きく分けて
・直接攻撃系
・鬼道系
・生物召喚系
・感覚作用系と4種類ぐらいに分けられるのではないか。
そもそもとしてそうやって分類名称があるのかどうかも分からないが何となく分類があるというのはBLEACH読者は把握しているのだろう。
分類したところで全く同じ斬魄刀はないのだけど、分けてみたら何となく斬魄刀に写された死神の「魂の精髄」に共通点がありそうだったので分類してみた。

直接攻撃系

直接攻撃系、通常の「浅打」状態から刀の形状が変化して純粋に火力が上がった物であり、能力系バトルが多いBLEACHにおいては割と「不遇」 扱いされるもの。
そして思いの外この直接攻撃系は少ない。
阿散井恋次の蛇尾丸、朽木白哉の千本桜、斑目一角の鬼灯丸、市丸ギンの神槍など、他にもあると言えばあるがやはり斬魄刀の形状こそ変化してもやはり単なる刀剣でしかない。
ただ、この直接攻撃系の斬魄刀はポテンシャルは相当高いのではないか、と思う。
何故ならこの直接攻撃系を持つ死神は「高い目標」を総じて持っているからだ。
阿散井恋次は死神になる前、恐らく霊術院時代から「朽木白哉」に勝つために。
朽木白哉は掟を未来永劫守るために速く強くなりたかった。
斑目一角は更木剣八の言葉に応えたい。
市丸ギンは藍染惣右介を討つため。
ここに挙げた以外でもそうなのだが「高い目標」を持っている者が多い。
では何故そんな高い目標を持つ者が作中で不遇の直接攻撃系を手にするのか、というと身分不相応だから。
結局のところ「憧れ」に過ぎない。
そしてBLEACHにおいては藍染惣右介の「憧れは理解から最も遠い感情だよ」と言っている通り、憧れている対象の1つの側面しか見ておらず、理解とは程遠い。
力の本質が書いてある「本」があったとして直接攻撃系はその「本」から力を読み解いて使うのではなく、その「本」でぶん殴っている。
彼等は斬魄刀に対し理解を深める事がさらなるステージへの鍵となる。

鬼道系

BLEACHの作中で最も多く登場したと言われる斬魄刀。
このタイプの斬魄刀を持つ死神は「自分の力」 をある程度理解している。
完全に理解しているのは山本元柳斎重國や自分の考察では藍染惣右介、浦原喜助あたりがその高みにいると思う。
漠然と「自分の力」とは云うがようは「得手不得手」である。
「 自分はこれが得意、これが苦手。」「だから得意を伸ばし、苦手をカバーしよう」そんな感じのものが鬼道系となる。
ただし「人斬り集団」 とされている初代護廷十三隊隊長がそんな生易しい感覚を斬魄刀に向けていたか、と言われると微妙だ。
だからもう少し深掘りすれば「今出来る最善」を向けたのが鬼道系。
高すぎる目標など求めない。「今の自分」の最善最適を。
それが鬼道系の力になると考察する。

生物召喚系と感覚作用系

直接攻撃系が「高い目標」、つまり「未来」の力。
鬼道系が「今の自分」、つまり「現在」の力。
順番にいけば生物召喚系は「過去」の力だが、もう一つの系統、感覚作用系も「過去』の力である。
この2つは「卍解」と「帰刃」の関係に似ており生物召喚系は過去の事を受け入れる事から発生し、感覚作用系は過去の問題を解消しようとする事で発生する。
過去のトラウマ、あるいは後悔などについて区切りをつけたのか、それとも今なお戦っているのか。
トラウマや後悔、そうした物が根っこにあるため斬魄刀へ映し出される精髄が重く強いように思う。

複合型

複合型とは例を上げるとしたら直接攻撃型に千本桜をあげたものの、実際のところは直接攻撃型+生物召喚系だろう。
植物を生物に当てはめるわけだが朽木白哉は四大貴族であり、かなりの重責があっただろう。
子供時代に普通の子供とは異なる大きな責任、そして強くなるための強い目標。
実際、調べてみると「桜」というのは日本の木として代表的な樹木であるが武将の家紋としては扱われなかった。
何故なら「短命」の象徴であったから。
にも関わらず桜の木がモチーフとなった斬魄刀となるとやはり白哉の子供の頃の環境への不満に対して貴族として区切りはつけているがそうした何か心残りはあったとこじつけられはしないか。
一方、その逆が更木剣八の野晒、というか草鹿やちるだろう。
剣八の中に卯ノ花烈に対しての「憧れ」と「斬りあいの楽しさを教えてくれた思い出」がやちるをつくりだし、やちる自身の三歩剣獣は剣八との「 出会い」という過去が起因しているように思える。
一方で野晒は以前の考察で自分は「切った物に死を与える力」 と考察した。
ゲームなどで考えるならバリア消滅やバフ消滅、あるいは本来なら物理攻撃が効かないような霊体に対して特効、みたいな。基本的にBLEACHは霊体だけど。
バッドステータス追加みたいなものを鬼道系、もしくは感覚作用系とどう捉えるか、あるいはどちらもか。
ただ、そうした4系統+複合タイプがあるのだと思う。

切り替え機能

確認されているのは過去に自分が考察した浦原喜助の紅姫、綾瀬川弓親の瑠璃色孔雀と藤孔雀、そして斑目一角の龍紋鬼灯丸である。
浦原喜助と綾瀬川弓親は考察を読んでくれれば何となく直接攻撃や鬼道系への切り替えの理由を察してくれるわけだが、この両者に零番隊の魂魄が関係していると考察しているが、つまりは斑目一角もまた零番隊の魂魄、考察としては麒麟児天次郎の魂魄が関係していると睨んでいる。
鬼灯丸と金毘迦、名前は違うが形状は長物で似ているわけだし。
前の二人から予測して2種類の力の解号があったとすると飛び道具系統の力と流水か氷結系統の力だと思うが流魂街での更木剣八との一戦で今の矛みたいな力に変わったんじゃないかな、と考察している。

オマケ・大前田稀千代の五形頭の卍解についての考察。

脇役といってもいいのだが中々に良いキャラな上にこの五形頭もまた直接攻撃型だ。
大前田本人が自分の斬魄刀は何故鬼道系じゃないんだ、と愚痴っていたり、父親が鬼道の達人だった事もあり、鬼道に憧れがあったと思われる。
情報量が少なすぎて卍解の東西南北(コレも自分の考察でしかないが)は予測できないが最終的には「鬼道系」に落ち着く気がする。
そもそも五形頭だかコレで「げげつぶり」とはまず読まない。
色々考えた結果「 下血+ブリッ」という少々汚い発想になったわけだが案外うまくハマった。
下血とは「胃」からくる症状である。
そしてここで見るのが文字。
五。五行説である。
火、水、土、金、木がファンタジーなどでもお馴染みだがこの五行説は漢方薬などでも身体の部位が当てはめて考えられたりもするらしい。
そして下血だがその症状の原因となる臓器である胃に相当する「土」から五形頭の「金」となる。
これは五行で言うところの「相生」となる。
これが五形頭を鬼道系とする根拠だが更に深掘りすれば五形頭の文字が意味するところは五行説の運用だとするなら五形の頭とは「桔梗」の花の形を指すと思われる。桔梗自体も五行説を表す花として陰陽師達の象徴だったとか。
また五形拳という中国発祥の5種の動物、龍、虎、豹、鶴、蛇からなる型の拳法があるらしい。
それらの意味するところが龍→精神、虎→骨、豹→筋肉、鶴→精、蛇→気を表すという。
単なる鬼道の能力だけではなく、白打との合わせ技である瞬閧、そして五行説の相生や相克などの属性の変更や相殺等の力を備えた卍解という可能性もある。

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