BLEACHの種族、能力についての考察

BLEACH、「五行説」説

中国系の要素のあるファンタジー漫画やバトル漫画などではお馴染みの「五行説」が土台となってBLEACHの種族や能力が作られていると言うのが今の自分の考えである。
これによって過去の考察も微妙に変化したりするのだがそれを直して行くのは面倒だし、何より公式で確定してるわけでもないので放置する。

五行説

五行説も更に細かい分類はあるようだが一番基礎となるものの触りだけ。
木、火、土、金、水の要素で世界は構成されていると言う考え方であり、コレらの要素が互いに作用して循環していく。
その作用で有名なのは
・作用しあって要素を生み出す「相生」
・作用しあって要素を打ち消す「相剋」
だろうか。
この他にも
比和、相侮、相乗といった関係もある。
とりあえず、まずは作品に登場する種族や能力を根拠は後回しにして分けていく。

木の力

この木の力は5つの要素の中で唯一無二の特徴的な力がある。
それは「成長」する、という事。
物が増えたり、減ったり、あるいは強まったり弱まる事は他の要素でもあり得るが姿形、そして力が変容するのはこの木、植物の力。
コレはいわば「人間そのもの」。
そしてBLEACHでは始解、卍解、さらには斬拳走鬼と多様な力を持つ「死神」の力に相当する。
また成長という事は「已己巳己巴」も相当。

火の力

ここからは前に要素同士の繋がりも考えていく。
BLEACHにおいて死神が中心となったストーリーであり、五行説において火とは「木を燃やす事で生まれる」、つまり木の相生、木が火を生み出している。
と言う事は火とは死神の斬魄刀内にある魂の精髄、「卍解」。
そしてその卍解と本質的には同じとされた「虚の魂」の要素となる。

土の力

土は火の相生。「火が燃える事で灰になる」事が土の力。
また死ぬ事を「土に還る」など言うため大きく捉えると「死体」が土と言える。
コレもまた「人間そのもの」、「人間の最後」となる。
灰、という事から乱菊の「灰猫」もそうだし、死体、という事からバラガンの「老い」の力もコレに当てはまる。
また「霊王」は全ての力の礎となり、主人公の「黒崎一護」も同様の力を持っている。
全ての力の土台であり、還るものとなる「土」。
また、全ての土台となるため死神においては斬魄刀における「始解」であり、物質の魂を操る完現術とも言える。
また、山本元柳斎重國の残火の太刀の「東西南北」がそれぞれの力に分断し、「特化」させる力とも言える。
初期の頃、黒崎一護の霊圧が「蛇口」の開け締めに例えられたがそこからさらに蛇口にホースを付けて水圧を高めた物、と言える。

金の力

「かね」じゃなくて「きん」。
金は金属、鉱物全般を指しており、土の相生。
「金属は土の中から掘り出される」
この事から土が金を生み出すとなっている。
この「金」が面倒な要素である。
BLEACHに直接的に金属を象徴するようなものはない。
基本的に霊体の話だから金属と言われても「斬魄刀」やそれを解放した始解、卍解でも「直接攻撃系」になってパッとしない。
しかし、この金が内包する物には「魄」がある。
自分は以前この「魄」について「過去のウルキオラ」だと考察した。
「魄」が「金」とすれば「過去のウルキオラ」は斬魄刀、そして「直接攻撃系」の斬魄刀の力を持つ。
というより逆に斬魄刀、直接攻撃系の解放とは「過去のウルキオラ」と同質の力を持つといえる。
そしてこの魄や斬魄刀に共通する「白」の色がその力を暗示しているのであれば「チャドの悪魔の左腕」「アジューカス時代のグリムジョーの姿」、「虚の仮面」、「破面や滅却師の服装」、そして魄の意味を持つ覇の文字の入った「死覇装」もこの「金」の力となる。
あと、黒崎夏梨が第一巻、第一話で過去のウルキオラの言葉とほぼ同じ事を告げていた。
そのセリフだけ、黒い枠の「白文字」である。
だから滅却師、というか虚の仮面を意味しているといえる。

水の力

最後となる水の要素は金の相生。
「金属の表面に水滴がつく様」を金が水を生み出すと五行説では考えられている。
この「水」とは滅却師が操る空気中の「霊子」そのもの。
そして五行説において水の色は黒で示される。
黒は「虚の身体」である。

虚とは何なのか

この五行説の分け方で行くと「虚の魂」は火であり、その魂を包み込む「虚の身体」は水である。
現実世界なら火に水をかければ即座に消える。
BLEACHの世界では現世に未練を残した魂が虚となり、その後現世の魂魄を喰らい、やがて同族の虚を喰らい、「大虚」となる。
循環を考えた場合
まず現世で生まれた虚は「火」である。
それが近親者の魂魄などを喰らい続け、やがて現世の記憶などを失い、現世肉体と同様にその人個人の魂が「土」に還る。
そこからまず大虚の仮面、つまり魄である「金」が生み出される。
その仮面を元に霊子の肉体、「水」が生み出される。
つまり大虚はギリアン、アジューカス、ヴァストローテと変化するにつれて戦闘能力の増大とは反比例するように身体が獣、人へと小型化していく。
コレは水の力で身体を構築する必要性がなくなり、「金」の要素のみで良くなったと考えられる。
つまり「虚」の本体であると思っていた「黒い身体」は単なる人形。
滅却師でいうところの「霊子兵装」と「乱装天傀」の合わせ技のような物である。
「虚」とはあの仮面そのものと言える。
それと同時、「滅却師、大虚説」、あるいは「ユーハバッハ、大虚説」が浮かんでくるわけだがとりあえずそれは置いておこう。

ホワイトとは浅打ちとは

ホワイト、そしてそれに似ている存在である浅打は人造虚、被造虚?と言える存在だ、
虚の成り立ちと違うものは元の素材が「人間の魂魄」か「死神の魂魄」か。
人が死んで未練の残った魂魄が虚であり、それが「火」である。
しかし霊体の死神は死ねば消える筈だ。
まぁ、血とか流すし、死体とか表現されているが。
いやそういう事を言いたいのではなく、何故ホワイトや浅打の材料には「人由来」の魂魄ではなく「死神由来」の魂魄である必要があるのか、という事。
つまりは死神が生み出す「火」、斬魄刀の「卍解」に相当する力を集めた物を使用する事でこのホワイトや浅打は作られるのではないか、という事。
何故必要か、というと「人間由来」の虚は肉体が土に還ったために純粋な「火」である。
しかし死神のそれは死神そのものが「木」であり、そこから「火」を生み出している。
つまり「成長」の力である「木」の力が無ければ「斬魄刀」足り得ない。
そして王悦の持つ「鞘伏」は非常に強力な「金」の力は持っていてもそれに見合う「木」の力が不足しているために「切れ味が良すぎるだけの失敗作」となっていると推察出来る。
逆に更木剣八は「木」の力が強すぎてそこから発生する「火」も膨大な物となっており、結果として卍解によって自分も影響を受ける事になり、折れたような剣に加えて更に自分の力に振り回されている。
「鞘伏」は「木」が足りない。
「更木剣八」は「金」が足りない。
多分、更木剣八の本当の斬魄刀は鞘伏でしょ。
あるいは出自が怪しすぎる更木剣八が鞘伏の魂でしょ。
という「更木剣八=鞘伏説」もあるのだがこの辺も語ったらキリがないから飛ばす。

月牙天衝について

コレはシンプルで「黒い月牙天衝」はつまり黒崎一護が「虚」の力、すなわち「金」の力を用いて「水」を生み出し、ぶつけている。
滅却師との違いは
・空気中の霊子を収束し撃ち出すのが滅却師
・死神(木)として卍解(火)をして自分から切り離すことで死んだ霊圧(土)を虚(金)の力で生み出した大虚の身体(水)に与えて撃ち出す。
ややこしいが黒い月牙天衝は「五行説」を全て使う事で生み出した「簡易製造大虚」となる。
一方で去年アニメで「黄色」の月牙天衝が話題になったがこれはつまり黒崎一護ではなく「斬魄刀が起点となっている。
・斬魄刀(金)→簡易大虚(水)を死神へと成長(木)。
そして簡易死神へと成長した月牙天衝は霊力を生み出す「魄睡」とそれを加速、増大させる「鎖結」を得る。そこで爆発的に燃え広がる(火)。
その火から生まれた「命」、あるいは「意志」の「月牙天衝」(土)が完成する。

色の意味

五行説は方角や季節、人の年齢などにも関係してくる。
そして黒というのは「無」、つまり「赤ん坊」、「子供」を指す。
「始まり」であり、「終わり」でもある。
一方でBLEACH内で対のように表現される白は「白秋」、老年期。
「クライマックス」だ。
「ジ・エンド」ではない。
ただ、これは「周期」の内部なので終わりが来ればまた始まりを示す。
「無月」が崩玉融合藍染に刺さったのは「老人の時代じゃねぇ。若者の時代だ!」という叫びの表現だったと思う。
まぁ、白黒は良いとして「黄色」は五行説においては万物の中心、万物の終わりと始まり、四方の区切り、四季の区切りの土用を表す王を示す「土」の力。
「向こう見ずな若さ」でもなく「老獪さ」でもない
自分自身を王として、あるいは主人とした自由意志による真正面からの「決断」の力である。

鬼道


黒崎一護の「黄色」の月牙天衝だが、死神の鬼道も「黄色」だとか。
こちらは死神の木の力のみのやうに思えるが実は「五事」という概念で関与している
木→貌(能力の見た目)
火→視(照準)
土→思(能力の選択、明瞭化)
金→言(詠唱)
水→聴(再認識、顕現)
金から生まれて一周して土として効果を発動する感じである。
ここで死神毎に色が異なる、という話も何処かで聞いたが金からスタート、土でゴールおけるサイクルは基本。
個人の得手不得手があるように照準をつける意識が強過ぎると火の要素が強くなるだろう。
ちなみに五行説の中国由来の本来の色は
木から順番に緑(青)
火は赤
土は黄色
金は白
水は黒。
しかし後に西洋文化の四元素的概念を取り込んだ事で西洋人向けに
木は緑
火は赤
土は茶
金は黒
水は青
と言う表記もあるらしい。
そのため火の赤はともかく、青と緑、それから黒は絡み合って別物のようになっているが本質的には一緒だと思われる。
・ウルキオラのセロは緑色だがそれは破面となり死神(木)の力で霊子(水)を収束して放つから緑。
・滅却師の攻撃は青あるいは水色だが魄(金)の力で放つからの青。
そこから考えるとヴァイザードやら破面の霊圧は「赤」という事はそれぞれ
・ヴァイザードは死神(木)でありながら卍解の力(火)を自分に使うから自殺、あるいは「一刀火葬」のような犠牲破道のようなものであり、だからこそタイムリミット有りで強力な「虚化」状態に出来る。
・破面は基本的にはヴァイザードと同じだが斬魄刀(金)によって虚の肉体(水)を死神の身体(木)へと注入して帰刃(火)の力とするため自分を燃やすことなく長期間、強力な力を発揮できる。
乾いた木と潤いのある木という違いか。

白打と瞬閧

日本における「徒手空拳」、つまり素手での格闘技全般を中国では「白打」というらしいがここまでの話、五行説を当てはめればこの白打は「金」を意味する。
ようは己を魄化、あるいはヴァストローデ化と言ってもいい。
日番谷冬獅郎がヴァストローデを隊長格より上、といったのは単に実力の話ではなく相性の問題だ。
「木」と「金」がかち合えばどちらが勝つか。
樹木と斧、どっちが勝つかという話。
白打は肉体の金化を目指す能力でこの辺はチャドの「悪魔の左腕」が示している。
逆に同じ金だからこそ霊圧勝負になりエスパーダには勝てないというジレンマとなっている。
そして瞬閧だが白打と鬼道を融合した力とされるがようは死神側も破面化のような力を昔から模索していた、という事になる。
コチラは崩玉などではなく修練、技術向上によって地道に、という開拓路線だが。

裏破道

零番隊の和尚が使ったが通常の鬼道が金スタートの土が終着点であるが逆に土から逆回転で遡って金を生み出す物。
瞬閧に近いように見えるが
能力の構築(土)から始まり犠牲破道(火と木)を霊子(水)として白打(金)として打ち出す。
コマの描写からそんなふうに思える。


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