「質問力-話し上手はここがちがう-」(斎藤孝著)

○○力って名前の本多いですよね。いいことか悪いことか別として。

こういうタイトルの本はビジネスマン(ウーマン)向けの本だと思いますね。やっぱり名前のついてない能力に名前を付けてその力を欲しがる習性が社会人にはあるのでしょうか。

とかくハウツー本(?)や実用書(この呼び方が正しいんでしょうか)のような本は読んでほしい人を想定して刷っているでしょうから、キャッチーなフレーズで本屋またはブックオフに来たお客さんの目を惹きつける必要があるんでしょうね。言ってみれば「惹きつけ力」ですね。

おしゃべりがうまくなりたい気持ちが人一倍強い僕は、「話し上手=聞き上手」という知識を風聞で知っており、そのくせ人の話を真面目に聞かないことを自覚していたので、ブックオフの棚にあるこの本の「惹きつけ力」にあてられてしまいました。(質問がうまいって聞き上手ですよね?つまりは話し上手)

やっぱり社会人向けの本でした。ちょっと長めの学生生活を謳歌している自分の立場からすれば、読んでいて気持ちのいい本ではありませんでした。

僕に限った話かもしれませんが、学生というのはプライドが高く、偉そうな書き方してる本は基本的にムカつくんですよね。国語力が無いからこんな表現しかできませんが、この表現こそ適切という気がします。ムカつきましたね。良い意味と悪い意味で。

良い意味の方を先に話しますね。僕はこっちの順番派です。

著者は偉そうなんですけど、実際に偉いです。大学の先生だって。略して大先生ですね。

文章力もあるとみました。うまい文章は読みながら意味を理解できるので、すらすら頭に入ってきます。この文章と違ってね。洗練されているのか分量も多くなく、コンパクトにまとまった読みやすい本でした。ビジネス(ウー)マンにぴったりの本だと思いました。

質問力についてですが、まず、いい質問とは、相手が答えたい質問や相手の持っている知識が引き出せるような質問がいい質問だそうです。

で、そんな質問をするためには、相手の話や専門領域に対する十分な理解や情報を引き出す質問技術が必要で、そんな自分が感じた疑問を何個かリストアップしておき、本質的であったり、一般性が高い(みんなも聞きたくなるような?)質問にブラッシュアップさせていくことが重要なんですってさ。

あと、相手が答えやすくなるように、話がぼんやりした概念の話になったら具体的な質問をして、込み入って細かい話になったら抽象的な質問をするといいらしいです。

例えば、上の説明ではあまりにざっくりとしているので、より本の情報を引き出すには「例えばどんなことが書かれてましたか?」とか僕に聞くのがいいんでしょう。
書いてる僕の価値観を引き出すには「どんな箇所が印象的でしたか?」とか。印象的ってワードが抽象的で答えにくそうにしてたら、「真似したい!って思ったことは何ですか?」とか聞けばいいんじゃないですか?
クエスチョンマークがいっぱいでうざいですね。相手がうざいと感じさせないような質問がいい質問だともいえるでしょう。

とにかく結構参考になったなぁと思わされてしまいました。全然意識してないことだったんですけど、(良い質問ってできないなぁ...)と感じることが日頃多かったので、この本に書かれている内容は新鮮でした。新鮮力がすごかった。

良い質問をするには自分で質問を考えることも大事ですが、人の会話やインタビューを注意深く聞いて、どんな質問でどんな情報が聞き出せたか考えることとかも重要なんだそうです。

ムカつきましたね。偉い人が面白いことを言うのが何よりもムカつく。

じゃあ悪い意味の方を話しますね。いやでもあんまり話したくないなぁ。

───なぜですか?

読者の方に嫌われたくないですし。

───ムカついたんでしたっけ?

はい。読んでてムカつきました。

───感情の動きって大事ですよね。文を読んでてムカつくってすごい文だと思うんですよ。よかったらどんな文だったのか教えてもらえませんか?

いやぁ、でも...

───この読書感想文を読んで本に興味をもった人が、同じようにムカついてしまったら悲しいですよね。その貴重な体験、教えてもらうことはできませんか?

うるせぇ!


僕はムカつき力が高いですね。

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