完成しなかった戦術。地区トレセン監督時代

こんにちは、musashiです。実はこんな私が小学生の地区トレセンの監督を担当したことがある事があったのです。それは、2011年のU12世代を担当した時です。

この内容は少し私の考えるトレセンとは?も入ってきてるので皆さんが思ってるものとはだいぶ違うものになりますがご覧ください。


戦術スタイル

・人もボールも流動的に動くサッカー

どうしてこのスタイルにしたのか?というと当時オシムやザッケローニ監督が作っていたスタイルでもあり、更には当時ジェフ千葉の監督で一時オランダ代表監督にもなったドワイト監督が採用していたスタイルだったから。

ちなみに当時私が初めてJリーグの練習試合の副審を担当した時にジェフのサッカーを目の前で見て、ものすごい衝撃を受けたのを覚えています。

その当時のジェフのサッカーは攻撃はワイドに、DFはコンパクトにというシンプルな戦術を用いたサッカーを行っていて、更には少ないタッチでパスを出し、出したら次のスペースに出て行くようなスタイルでした。

当時ボランチに元オランダ代表の選手がいたのでその選手がアクセントを効かせてた部分もありましたが実際はほとんどの選手が流動的に動くスタイルでもありその年ジェフは中盤戦までJ2で首位を走っていました。しかしながらすぐ昇格することが使命感があったと思うので監督をすぐに交代してしまいましたが、正直私としてはめちゃくちゃ面白いサッカーをやってるので変えてほしくなかったと思っています。

重要になるのが落とし込み方です。

戦術の落とし込み方

私はこの戦術を落とし込む為に同じような練習方法で反復練習を用いるやり方にしてました。

約束事

攻撃の時
・コートを広く使う。
・パスを出したら次のスペースに入る
・ボールをもらう準備タイミングの質

これらを重点的に行いました。

では順に解説していきます。

・コートを広く使う。

コートを幅広く使いボールをシンプルに繋いでいく、幅広く使っていけば真ん中は空くので、空いたら真ん中を使う。

これらの事は誰にでも出来るスタイルなのでここはまず基本として押さえていました。

・パスを出したら次のスペースに入る。

パスを出して止まってしまったら、次のシーンを作り出すことは難しいはずだし、ボールが流動的に動くことなく詰まってしまってボールが前に進まずに取られてしまう。なので、ボールを前に進める為にパスを出したら次のスペースに入るって事は徹底的に行ってました。

ボールをもらう準備タイミングの質

攻撃時に一番重要視していたのは、この部分。ボールをもらうときどの段階で準備するのか?

ちょっと皆さんも考えてください。

・出し手にボールが入った時
・出し手にボールが入る前。


皆さんはどちらだと思いますか?


私の戦術スタイルでの正解は出し手にボールが入る前なのです。これがちょっとでも遅れてしまうとボールがテンポ良く回らなくなってしまって相手を崩す事ができない。

ボールを動かすだけで相手を崩そうとしてるチームや選手が多いのですが、人が動いて、そして人を動かして初めて相手が崩れるのでボールを動かすのに意図やメッセージがなければ全く局面は変わらない。

なのでこの部分は口酸っぱく、周りから文句言われるくらい伝えていました。

初期段階の攻撃はこのシンプルなスタイルだけを伝えてました。小学生って事もありますが、小学6年生の段階を考えると次の年にはジュニアユース、そしてその3年後にはユースや高校サッカーという風につながっていくのでこういう基本的なところをこの段階で徹底的にやっておけば高校行った時に苦労しないという考えもありました。


守備の時
・コンパクト
・前線からのプレス、中盤で取り切る
・コーチング

これらのことを求めました。

コンパクト

シンプルな回答になるが

・インターセプトが出来て
・こぼれ球を拾えて
・相手をサンドウィッチ出来る

位置に立つこと。サンドウィッチとは相手を囲んで取る意味。

まずここを基本原則として考えて、選手達がどの位置に立つのが理想なのかを考えることが必要となっていきます。ちなみに時間が経てば経つほど物凄く精度は上がっていって最初の練習試合をする頃には基本原則のDFの精度が上がっていってました。

前線からプレス、中盤で取り切る。

取り切る場所を決めておけば、取り切る場所にみんなが集中するのでそこに相手を誘導させて取り切る事ができるのです。最悪の事態に備えたとしても最終ラインは高く保っているので最終ラインがカバー、あるいはロングを蹴られたとしても、最終段階の時にその対策をするつもりだったので、初期段階ではロングを蹴られた時にはどうするのか?は選手達で対策を取るように持っていってました。

これらの目標があるので、選手1人1人が監督に指示されなくても動く事ができるし、誰かがぼーっとしてても中の選手で修正ができる。そのようなチーム作りになっていたのです。

ただ、ボランチではなくセンターバックが中盤でインターセプトしてゲームを作り始めた時は指揮を取ってた自分も衝撃的過ぎてびっくりしたが、まぁそれも見てて面白かったので良し。
コーチング
・マークの指示
・ポジショニングの指示
・情報収集

先程の守備の時の2点があれば、このコーチングは何に基づいて指示をすれば良いのかが明確になるはず。

予め大きな目標を設定しておけば、選手達は迷う事なく指示やコーチングができるはずです。

目標やルールがなければ選手達は何に基づいて指示を出して良いのかがわからないはず、初期段階ではこっちが指示する事が多かったものの、時間を重ねていくうちに理解していって自分達から声を出すようになっていくようになっていきました。

1番のこのチームの肝は攻守の切替でした

攻守の切替時、攻撃はワイド→守備はコンパクトだったので、ここの精度はもう少し上げたかった。


練習方法


練習方法は先ほどの戦術の落とし込みを目的とした練習を主としていたので、実際の練習メニューは4対2のボール回しからの展開、方向付けさせたボール回しの練習をメインに行っていて、ほとんど私のアレンジを効かせた練習ばかりだったのでほとんど実践に近い練習を行なっていました、しかしこの内容にほとんどのコーチ陣がついてこれなかった事を思い出します。

練習の擦り合わせをしたとしても全く合わなかったり、片方の言ってる事と私の言ってる事が違う事がしばしば。

しかしながら、意識していたのはウォーミングアップからゲームまで同じテーマで練習をする。これが私のやり方だったので、2時間や1時間半の練習の中で同じ事を何度も伝えているので、ほとんどの選手にも浸透はしていったと思ってます。

初期段階終了、第二段階へ入った瞬間に


初期段階の終了として練習試合を行い試合には勝って、課題と第二段階の最初に入ろうとして練習を行って行った時に私の更迭が決まってしまったのです。

正直この時私は22歳で何で降ろされたのかわからないくらいびっくりした出来事でした。

実際の理由は大人の都合や大人の事情です。


私は色々な理由をつけられて監督を降ろされたのです、たしかに今思えば、私はまだ若かったしチームビルディングに関してはまだしっかりとできていなかった部分はあったかと思いましたが、当時郡市大会も私が指揮を取らずに交代した監督で挑んだが予選敗退。

しかし、私の中では初期段階→第二段階→最終段階といった戦術があったがそれは実現せず。メンバー選考も私は特徴や武器のある選手を揃えてちょいちょいバランスの取れる選手を置くやり方だったが、交代した監督はとにかくその段階で完成されたような選手達、いわゆる特徴のない選手だけで挑んだ結果予選敗退したのかと思う。

しかしながら、私のこのやり方は小学生がやれるサッカーではなく、3年後や4年後につながるように持っていった事で周りとの大きな違いが出てしまった事もあるでしょう。

ただ、私がその地区トレセンの人達に言い続けてた事はトレセンに選ばれる選手は1学年上の選手と当たり前に対等にやるのが普通というのを言い続けて(本当はもっときつい事を言いましたが)いたら、数年後に6年生は中学生の地区大会に出場するような形になってました。この形を実現したのは、私が短期間で言い続けてたことが効いたのだと思います。


もし機会があれば、またどこかのチームを率いてみたいです。その時はもっと面白いスタイルができると思います。


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