【詩】「初/夏」

 

夏を迎える雲は

硝子製

ビルとビルの背景として

精緻に嵌め込まれた街の空は

空であることを流行りのミュージックによって塗りたてにされる

 

遥か / 群青へ / と

 

街灯は灯すことを辞めた

額縁の中で雨に濡れて

頭を垂れているその足元に

些末な吐息が乱反射するのを

恋人たちは好んだ

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