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人間を知ることで、人間の本質に逆らう施策をしなくなり、成功確率が高まる #ターゲットは長万部 第30号

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ムロヤメルマガ「ターゲットは長万部」
2020年11月23日 第30号
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2020年は「人間理解」に重きを置いてインプットしてきました。

消費者理解の前に、人間理解があります。消費者理解をミクロに突き詰めると人間理解に行き着きます。人間を知ることで、人間の本質に逆らう施策をしなくなり、成功確率が高まるからです。人間の脳・心・行動を知ろうと思いました。


しっかりとした人間理解があれば、それは消費者理解を助けてくれ、顧客起点での適切なマーケティング施策の立案・遂行につなげられます。人間を知ることで、正しい大きな方向づけができるようにもなるからです。メディアやテクノロジーの変化は激しいですが、人間は普遍的なテーマであるため、何十年後も価値のある知識だと思ったからです。

脳科学からマーケティング、人文科学から経営科学、脳科学を組織論に。
マーケティングの力を、組織マネジメントに活かすには・・・ナッジをどう使うか、記憶の仕組みはこうだからこうしようとか、先人の知恵を使いこなしたかったから学びました。


人間そのものを知る、バグが残ってる不完全な人間をまるごと理解することです。

読んできたジャンルは心理学、認知心理学、行動経済学、神経経済学、進化心理学…。挙げれば色々。

例えば、ブランドは知覚で生まれます。そして認知科学というジャンルは「情報処理の観点から人間を理解」するもの。つまり、知覚の仕組みを学ぶことで、ブランディングのコミュニケーション活動にも活かせます。

神経科学は「神経系に関する研究、ニューロサイエンス」、認知神経科学は「知覚の仕組みを脳機能から説明する」こと。
脳科学は「脳が生み出す脳機能の観点から人間を理解」で、
・感覚入力処理(五感)
・高次認知機能
・情動

などなど。
社会神経科学は、共感の仕組みを学べるので、SNS施策にも活きるでしょう。


買った本の一例



まだ2020年は40日くらい残っていますが、人間について理解を深めた結果、どうなったかを振り返りたいと思います。

役立った点

・必要な認識変容・行動変容に向けたアクションの原理原則の理解に役立った

人間にどういう行動を起こしてもらうのか、そのためにどういう認識を持ってもらうのか、その行動や認識を変えるその環境下ではどのようなハードルを乗り越える必要があるのかなど、パイプラインの問題点が整理しやすくなった気がします。

顧客ニーズに関することなら人間を突き動かす根源的な欲求(所属、力、愛、自由)ですし、世界的なブランドはだいたいこういう普遍的なニーズを満たしています。いつの時代も人が求めるのはこういうもの。生存を有利にしてくれるから。

・世にあるノウハウの裏側の想像がつくようになった

認知機能や、情動のホルモンなど、あらゆる認知活動の裏側にはニューロサイエンスありという感じで、人を動かすためのコミュニケーションの裏側にあるノウハウやメソッドって、こういう人間の原理を押さえてるんだろうなと想像がついて、セットで覚えやすくなりました。

例えば、人によってドーパミンとかセロトニンの神経伝達物質の反応のしかたは、遺伝子によって決定づけられるということがわかってきているそうです。性格は遺伝的気質であって、新しいもの好きで好奇心旺盛な人にはこう言うメッセージが刺さるだろうなとか、パーソナライズした広告とかこうやったらいいだろうなぁと発想しやすくなります。


・それぞれの学問とのつながりも自分なりに体得できた

心理学はこころからのアプローチで、神経科学はニューロからのアプローチ。行動経済学は古典的経済学の合理的人間の振る舞いなんかねぇよというアップデートの発想で研究されるもの、などなど。

あとはざっくり、個体としての人間の振る舞いだったら心理学、集団としての人間の振る舞いだったら社会学などなど。


・困ったとき、どの領域をインプットしたり、引き出しを開けたらいいかわかるようになった

問題解決のスピード早まります



すぐには役立たなかった点

結局は深い人間への洞察なしには「どういう目的でどの方向に動かせばいいか」は施策アイデアとして出てこないので、原理からの発想は難しいなと思ったことです。

やっぱ「仮説」ありきですわ。人間理解はその後のチェックポイントとして使えるという感じでした。


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結局さいごは人間理解

マーケティングも組織づくりも、「人間理解」が全てのベースになります。また、叡智の結集の理論を使うことによってある程度のパターン化や方向性は導き出せるけど、この世に同じ人は存在しないから、具体は現場を見つめることでしか掴めない。実行には地道力だなと。

人によって発想が違うのは、その人が「人間とは何か」をどう捉えているか、そしてなにが人間にとってハッピーなのかを信じてるかによって、打ち出してくる手って変わるからです。人間理解は、思考の立脚点、着地点を方向づけする超重大ファクター。

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