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ホビー的不動産履歴 #3

チャンスを掴む行動力

金融機関からは5年ローンまでしか組めない、管理人さんからは6番手まで入ってると言われてしまった僕がやらないといけないことは明白です。それは、彼らを口説き落とすこと。

ですが、管理人さんのハードルがなかなか高く、たまたま一度だけ電話に出てくれて6番手までいることを教えてくれましたが、基本的に人との対応はすべて奥さん窓口での伝言しか受け付けてもらえないとのこと。


現金購入5組、僕だけローンでは勝ち目がありません。どうにか本丸に迫る必要があります。

なんとか方法はないか?と粘っていたら、奥さんから、管理人さんは早起きで、毎朝4時に共用部分の清掃をされていることを教えてもらうことができました。


そこで翌朝3時に起きた僕は、眠い目をこすって3時半から「たまたま駅前を散歩」しに行くと、ちょうど4時に差し掛かった頃、聞いていた通り、管理人さんが廊下の掃除をしに出てきました!

チャンスは今しかないとみた僕は、偶然を装って管理人さんに話しかけます。

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「随分朝早くから掃除されてるんですね。僕もたまに朝このあたりを散歩してまして。ちなみに申し遅れましたが、このマンションに1番最初に申し込みを入れたムロタと申します。」

こんな感じで話しはじめると、たしかに不動産屋がお好きでないことと、今複数入っている申込みのいくつかは不動産屋であること、そして不動産屋の申し込みには、ただでさえ割安なのにさらに指値をしたものも含まれることがわかりました。


こうなれば全力で管理人さんの不動産屋嫌いに乗っかるしかありません。僕自身が不動産屋であることは、いったん僕の記憶から抹消します。

ちなみに管理人さん、話ができる状況を作るハードルは高いものの、いざお話しをしてみると、気さくに楽しく会話してくれる方なことがわかりました。

ひたすら聞き役に徹しつつ、自分が物件から徒歩5分の場所に住んでいて、なにかあれば数分で飛んでこられること、古い建物の取り扱いに慣れており、買ったあとで面倒くさいことは一切言わないこと、を全力かつさりげなくアピールしたところ、気に入っていただけたらしく、とにかくまず僕の回答を待ってもらえることになりました…涙。

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金融機関との格闘の末に

そうとなったら次は、金融機関との交渉にすべてがかかってきます。

一般的に、金融機関の担当者さんがリノベーションについて深い見識を持っていることは稀なので、古い建物がリノベで蘇った事例写真を集めて、丁寧に、かつ担当者さんが審査の担当者さんにバトンタッチする際に、手間がない形の資料を揃えて面談に向かいました


「相場より割安で取得できるし、リノベでこれだけステキに仕上げるから絶対ニーズはあります!リスクは低いので、5年じゃなくて20年ローンでお願いします!」

と、ほとばしるパッションとともに大プレゼンを披露したところ、2週間後、晴れて20年ローンの承認が下りた旨の連絡が入りました!

しかも、無理を承知でリフォーム費用も含めて借りたいとお願いをしたところ、物件の9割、リフォームの8割の融資を受けることができました。

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かくして無事に物件を取得した後は、もう楽しいことしかありません。

4ヶ月に渡る自宅の塗装で疲れ切り、もう二度と塗装はしないと決めたのも束の間、せっかく手に入れたホビー素材なので、結局人任せではなくなにか自分も改装に関わっていたくて、塗装はすべて自力でやることに。

仕事後の夜間に一人で作業を進めていたのですが途中で力尽きて、知り合いベースで手伝ってくれる人を探していたら、なぜかロシア人女性とウクライナ人女性がヘルプに来てくれて、謎に国際色豊かなメンバーで仕上げたのも、今となってはいい思い出です。


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QBK

と、ここで突然ですが、

「QBK」

これ、なんだかわかりますか?

   Q         B                 K
急に ボールが 来たので


2006年ドイツW杯クロアチア戦にて、無人のゴール前で絶妙なパスを受けたのに、なぜかゴールの外にいたキーパーめがけて蹴ってしまい、得点できなかった柳沢敦選手が試合後のインタビューで述べた、
「急にボールがきたので…」というコメントがネットスラング化

↓当時ネット掲示板の2ちゃんねるで書かれていた情報です
【急募!!】

仕事内容:FW(主にボールを枠内に入れるお仕事、軽作業です)
期間  :6月20日〜6月23日
勤務地 :ドイツ
給与  :応談(結果に応じてボーナスあり)
採用条件:日本国籍を持っていて国内外プロ1部リーグ在籍者
     または1部リーグに在籍経験のある人
     シュートチャンスでパスを出さない方
     チャパツでない
     派手なスパイクをはかない方
     ガムをかまない方
     年齢19〜33歳まで

※一応サッカーなので、急にボールがくることもあります。

申込先:財団法人日本サッカー協会(担当:中田(英))


僕が最初に手に入れたこのホビー物件から得た教訓は、まさにこのQBKでした。

チャンスボールはいつだって、予期せぬ方向から急に足元に転がってくるものです。

その時に人より一歩早く動き出す嗅覚だったり、身体を当ててボールを奪い取る気迫だったりが必要なわけですが、それらすべての基礎となるのが「準備」だと思っています。

いい物件が見つかったら考える、では、いざチャンスボールが来た時に身体が動かないので、いかに普段から準備しておくか?が大切なのです。


言い換えると、いかに普段から不動産で遊ぶことへの妄想を膨らませて、面白く不動産で遊んでいる他人の情報すら自分ごとのように面白がれるか。

その人たちのやり方を学んだうえで、自分ならどんな風にやるか?どんな物件ならそれがハマって、どんな融資を組んでどんな収支で成り立つのか?の皮算用をすることすらワクワクできるような気持ちのあり方。


ハードル高く聞こえてしまったかもしれませんが、大丈夫です!楽しくてハマっちゃってることだからなにも難しいことではありません。

幸い、僕の周りには「面白いホビー大家さん」が多いので、ぜひこのnoteを読んでくださる方にもそうした事例をご紹介していけたらと思っています。
(下記リンク先でも情報発信中です!)


ぜひQBKの教訓を胸に、急にボールが来る日に備えて、一緒にこのホビーを楽しんでいきましょう!

ではまた。


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