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【マンガ感想】笑ったBLマンガ4作品

最近読んで、笑いに笑ったBLマンガのご紹介です。
ギャグとBLの融合にこんなに笑うとは思いませんでした。

1.『萬遊記-斑月短編集-』斑月

最初に載っている短編『雷考(いかずちこう)-雷について考える-』に度肝を抜かれました。
BLマンガのことを書くたびに、こんなの読んだことない、って書いてますが、ほんっとうにこの作品こそ、この言葉がふさわしいかと思います。

雷のゴロゴロとピカピカの無言擬人化マンガ。

こうやってマンガの説明を書いただけで、笑いがこみあげてきます。何そのマンガ。
最初は、頭のなかに「?」が浮かぶのですが、読み進めるうちに、登場人物のふたりが何をしているのかがわかってきて、ゲラゲラ笑いたい気持ちとこれはいったい?という気持ちがないまぜになりました。途中でこれはギャグだと思うことでわたしのなかでは一応の終着点を見つけたのですが、改めてギャグなのか?と問われれば、首を傾げてしまいます。迫力のある絵にドキッとし、この絵、この内容、いったいどう受け止めればいいのだ、とおろおろしてしまいました。

2.『副音声はうるさい十分に』英子

 1話を読んで、矢も盾もたまらずに単行本を購入した作品。
上司と部下もので、ふたりは両思いなのですが、お互いに相手のことを考えすぎてしまってなかなか恋人同士になれない様を描いています。

登場人物の台詞とともに心の声(副音声)があますところなく描かれるこのマンガ。この登場人物の心の声を想像することはBLを読む人は多かれ少なかれやっていると思うのですが、(そうでないと、わからないことが多すぎるので。行間読むという作業が必須になるかと思ってます)それを公式である作者がやってくれているという。そして、その公式の回答がとびきりおもしろい!!
夜中に読んで笑い声抑えるのが大変でした。
また、作中のふたりがほんっっとうに性格がよくて、お互いのことが大好きなのに相手を思いやるがゆえに恋人同士になれず、せつなくなります。笑えるマンガだと思って買ったのに、後半は思わずほろり。ふたりが恋人同士になれるように心から応援したくなりました。2 巻の発売を心待ちにしてます。

3. 『おしゃぶり先生~ワケあり優等生の弱み~』『おしゃぶり先生 おかわり』シュウキ

タイトルを見た瞬間、「こんなタイトルのマンガを読むなんて、なんていやらしい!」 というわたしのなかの風紀委員の声が聞こえてきて、ダウンロードするのを逡巡。しかし、BLはタイトル、表紙で判断してはいけないという教訓を思い出し、わたしのなかの風紀委員とおもしろい作品を見逃したくない!という欲望が戦った結果、欲望が勝ちまして、ダウンロードいたしました。

結果、読んで大正解!風紀委員に負けなくてよかった。
こんな作品が世の中に存在していることに大変驚き、BLの懐の深さとその果てしなさにくらくらしました。

思わず『メタモルフォーゼの縁側』のうららさんを思い浮かべてしまった。ほんとうにBLはどこまでもやさしい。ほろり。

タイトル、表紙から見てとれるとおり、先生と教え子の物語。
先生のヘンタイの振りきれ具合と、唐突な展開に驚きの連続でした。ストーリー運びがすばらしく、場面と場面の繋ぎ方が秀逸だと思います。

特に『おしゃぶり先生 おかわり』の 6話から7話への繋ぎ方は、突拍子もなさすぎて、話を飛ばしてしまったかと思いました。
7話の一コマめは押入れにある大きな岩。そして、次のコマはそれをじっと見つめる先生。
岩? 今までの話とどんな関連が? と頭がはてなでいっぱいになりました。そしてその岩の由来が明かされたときは、信じられない先生の行動に、うそでしょ? と、冒頭に戻り読み返してしまいました。
シュウキ先生天才か!
まだ完結していない本作。続き楽しみにしています。

4.『極悪伝 完全版・ああ~ 5年分 みなもと太郎の任侠・男の劇場』みなもと太郎

こちらは雲田はるこ先生のツイッターで知りました。

入手困難とのことですが、調べてみたらkindle unlimitedに入っておりました!やったー!!!

ヤクザの親分ちゃんと子分ちゃんのギャグマンガ。雲田先生がおっしゃっているとおり、下ネタ満載のとってもハードな内容です。(それを言ったら上にあげた『おしゃぶり先生』と『萬遊記-斑月短編集-』もとってもハード)

80年代に連載されたギャグマンガということもあり、元ネタがわからないものも多かったのですが、知ってるものに当たったときの破壊力はすさまじいです。

大好きな作品『楢山節考』パロに喜んでいたら、ちょうど読んだばかりの『綿の国星』(大島弓子)パロがはじまり、チビ猫の格好をした親分ちゃんの登場に笑いが止まらなくなりました。さらにチビ猫親分ちゃんが次の話でも登場したときは、笑いすぎてどうにかなるかと思いました。

最初はこれはBLか?と思ったのですが、何があっても離れない親分ちゃんと子分ちゃんの関係に、確かにこれはBL!と納得。読み終わるころにはふたりに愛着がわいてきました。笑って笑って、とっても元気になるマンガでした。

以上、4作品について書きました。
BL自体が意外性があるものだと思うのですが、そこにギャグ要素が加わわった作品は想像が追っつかなすぎて、自分のなかの軸みたいなものが、ぶるぶる震えました。
そして、こんなにおもしろい作品を今まで知らなかったことに対するショック。わたしの知らないところで、みんなこんなにおもしろい作品を楽しんでいたのね!と歯噛みしたい気持ちになりました。

正直、誰もが楽しめるものではないと思うのですが、あまりにもおもしろくて、誰かに伝えたくなり書きました。そのおもしろさが少しでも伝われば幸いです。

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