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「活性化が難しい集落にどう向き合うか?」を開催しました。

皆さん、こんにちは!ムラツムギの佐藤です。

今回は令和6年4月21日に開催した『活性化が難しい集落にどう向き合うか?』のイベントについてご報告します。

開催経緯

そもそも今回のイベントを企画した経緯としては、今年の2月に『撤退の農村計画』の著者である林直樹さんが『撤退と再興の農村戦略』という新著をご出版なさったことがありました。
また、令和6年元日に発生した能登半島地震を受け、被災地の過疎と復興とのジレンマの議論が世の中で巻き起こったこともあり、改めて活性化だけを前提としない、これからの地域づくりの在り方を模索するカンファレンスを行うイベントを考えました。

ゲストの方々

今回のカンファレンスを行うにあたり、3名のゲストの方にお越しいただきましたのでご紹介いたします。

林直樹様
金沢大学人間社会研究域地域創造学系・准教授。
1972年生まれ。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了、博士(農学)。人間文化研究機構総合地球環境学研究所、横浜国立大学大学院環境情報研究院、東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授などを経て現在に至る。
単著:『撤退と再興の農村戦略』、編著:『撤退の農村計画』、分担執筆:『里山・里海―自然の恵みと人々の暮らし』朝倉書店、『地域再生の失敗学』光文社、『秋田・廃村の記録』秋田文化出版ほか

田中輝美様
島根県立大学地域政策学部准教授/ローカルジャーナリスト。島根県浜田市生まれ。大阪大学文学部卒。大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了。博士(人間科学)。 1999年、山陰中央新報社に入社し、琉球新報社との合同企画「環(めぐ)りの海−竹島と尖閣」で2013年新聞協会賞を受賞。2014年秋、同社を退職し、フリーのローカルジャーナリストとして、変わらず島根に暮らしながら、地域のニュースを記録している。主な著書に『関係人口をつくる―定住でも交流でもないローカルイノベーション』(2017年、木楽舎)、『未来を変えた島の学校―隠岐島前発ふるさと再興への挑戦』(共著、2015年、岩波書店)など。

浅原昭生様
廃村専門家。職業訓練法人日本技能教育開発センター、Team HEYANEKOの 代表 。昭和37年、大阪府生まれ。埼玉県浦和在住。近畿大学大学院化学研究科博士前期課程修了。 中学校、高等学校教師を経て、現在に至る。主な著書に『廃村と過疎の風景』(HAYANEKO)、『廃村をゆく2』(イカロス出版)、『日本廃村百選』(秋田文化出版)、『記憶に残る廃村旅』(実業之日本社)など。


はじめに

ムラツムギ代表理事の前田より、ご挨拶と本日の開催趣旨をお話しいたしました。
当団体の設立背景、掲げている「変化にもっと優しく」というビジョンの説明、また、前田の自分自身の体験や思いをお伝えさせていただきました。

第一部

第一部として、林直樹様よりご講演をして頂きました。

今年2月に出版された『撤退と再興の農村戦略』の内容にも触れながら、「無住化」の定義や「撤退」という言葉への世間的のイメージと林さんが思い描くイメージの溝、集落機能における大切な要素、近年話題になっている「関係人口」という言葉の多様性と、それらを分類して考察されたこと…ご自身のフィールドワークと統計から見えてきたものをお話しして頂きました。


第二部

第二部ではパネルディスカッションとして、林様、田中様、浅原様、ムラツムギ代表理事の田中の4名でお話しさせていただきました。

人口減少社会において、その課題にどのように向き合い、地域住民と研究者、行政、関係人口となる人々がどうその問題と対峙していくべきかを三者三様の意見を交えながら議論しました。無住化を前にした議論を始める際、階段の一段が大きすぎてハードルになっているのではないかという意見も挙がりました。なかなか打開策が見つからない現状の中で、パネリストの皆様からもオーディエンスからの質疑応答でも、従来の地域づくりの考え方ではなく新しい考え方も取り入れていく必要があるという声がありました。

交流会
質疑応答が終わった後は、会場レイアウトを変更して軽食交流会に移りました。ゲストのお三方とフロアの皆さんが入り交じり、様々な出会いが生まれていたと思います。1時間と短い時間でしたが、アンケート結果などからも「交流会での出会いや対話がよかった」という声も聞かれています。
コロナ禍で失われかけていたリアルでのやりとり、対面でしか生まれない化学反応が生まれる場でもあったのではないかと思っています。

イベントを振り返って

今回は総勢約70名の皆様にご参加いただき、難しい議題にも関わらず、参加者の皆様の熱量が高く、真剣に考えることができる貴重な時間でした。このような議題に向き合う場を提供できたことを大変嬉しく思います。

NPO法人ムラツムギでは、今後ともこのような啓発活動や、人口減少下でも納得のいく暮らしづくりの一環としての生活のアーカイブ活動、家史の制作など、活動を続けて参ります。もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ホームページやfacebookグループの発信等、情報発信をして参りますので、ご覧いただけると幸いです。

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