『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を2回観て気づいたこと(ネタバレあり)
はじめに
ガッツリネタバレが書いてあるので、未視聴の方は読まないでください!!後、個人の考察です。事実じゃないことや間違いがあることがあるかもしれません!!参考程度に!!!
先日、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観に映画館まで足を運んだ。(本当は公開初日に行く予定だったのだが、自損事故をしてしまい、その次の日に行った。)
予告を見ていったのだが、あまりの完成度の高さにびっくりした。
初回は5回ゲゲ泣きした。
興奮冷めやらぬ内に、次の回もシアターを出てからすぐに予約し、前回の上映終了後、10分後くらいに、また、映画館を訪れ再視聴した。
自分が映画館で同じ映画を二度見たのはこれが初めてである。
2度目は3回ほどゲゲ泣きした。
率直な感想
ゲゲゲの鬼太郎を20年以上推し続けて良かった、そう思える作品だった。因習村の中で繰り広げられるミステリーはやはりおもしろく、幽霊族・霊毛ちゃんちゃんこ・鬼太郎の親父の病気の秘密など原作で深くは語られなかった要素を抽出し、再構成した脚本が見事だった。
惨たらしい殺人シーン、ヒロインが近親相姦されている描写、鬼太郎の母親が血を木に吸い取られ醜い姿になる描写などなどこれPG12でええんか???と思うシーンがたくさんあったが、それも戦後10年程の因習村を扱ううえで避けてはならない描写だったのだろう。
2回目見た感想
本当はもっと語りたいが、長くなるので、ここまでにしておいて。
ここからは、劇場で2回目を視聴した際に気付いたことをあげる。
①村の名前
この映画の舞台は、哭倉村なのだが、これは字をそのまま考えると「泣き叫ぶ声を収める村」という名前になる。「龍哭」と狂骨の叫び声が呼ばれていたが、この村は最初から狂骨を祀る村だったことがこの名前から読み取れる。
②山田が訪れた場所
この映画にも、水木しげる漫画の名誉モブであるサラリーマン山田が出てくるのだが、彼の雑誌は休刊間近らしい。(『怪』が元ネタ?)
彼が訪れた場所こそ哭倉村である。彼は洞窟を抜け村に入り、戦国武将の置物と日本人形、まりのようなものに出くわす。戦国武将の置物は秘密の入り口を開けるスイッチになっている、昭和時代の方では描写は省かれているが、戦国武将の置物の近くで、山田は地下通路に落ちているため、あの地下の実験施設に繋がる道に続く階段があの戦国武将の奥にあったのだろう。
日本人形は、2度見ても意図はわからなかったが、爺さんに支配される龍賀家の女性が操り人形のようなものと言いたかったのかもしれない。
で、山田は道中で、実験室のベッドや鳥居を発見する。そして、龍賀家の爺さんが毬になったものを蹴ってしまい、その毬は奈落の底に落ちてしまう。爺さんは一生奈落の底から這いあがれなくなってしまったわけである。おそらく、爺さん毬は70年かけて谷底から這いあがってきて、あの場所に居たわけだから、もう一度70年かけて這いあがって来なければならないのだ。因果応報である。
③村人の態度
水木が村を訪れた際に、村人は田んぼに身を隠す。
なぜこんなによそよそしいのだ、と初めて見たときは思ったが、2回目見たときそのシーンを見て、ハッと気づいた。村人たちは人攫いをして、幽霊族エキス抽出のための人体実験を手伝っている。つまり、余所者から見たら後ろめたいことをしているわけだ。
そう考えると、過剰に余所者からの目線を避けるのも、うなずける。
④襖の絵
龍賀家の襖には桜の絵が描かれている。
赤色の桜ではないが、このことことから、龍賀家は代々この地に生贄を捧げてきたことが読み取れる。
⑤時麿と乙米の会話
時麿と乙米が「龍哭」が最初に聞こえた際、話し合う場面があるが、「あなたにあれができるの?」という感じで乙米が時麿に聞くがこの部分のあれとは狂骨を鎮めることであろう。人体実験を引き継ぐことかもしれないが。
⑥家族写真
龍賀家の家族写真があるが、紗代は少し不機嫌な顔になっている。それは龍賀家の女性は爺さんの相手をしないといけないことを知ってのことだと思われる。爺さんは孫の時弥を抱えているが、孫を魂の依り代にするのはこの時点で決まっていたのかもしれない。
⑦丙江
次女の丙江は龍賀家の中で一番狂っていた。
村を逃げ出したにもかかわらず、彼氏と別れさせられ、家に連れ戻されたわけだから仕方がない。酒狂いで、男と寝たり、紗代にちょっかいをかけたりする。お金にもどん欲だ。次女も時貞と関係があったのだと思われる。自分自身の因果を呪い、狂ってしまったのだろう。そして、自分が恋愛がうまくいかなかったのに、紗代の恋愛がうまく行くのが腹立たしかったので、邪魔をしようとしていたのだ。
⑧孝三
孝三だけ、龍賀家の男性で名前に時が無いのでおそらく、時貞の本妻の子ではないと考えられる。鬼太郎の父の奥さんに一目ぼれして、桜から連れ出そうとするも、陰陽師に襲われ、気が変になってしまった。
孝三は年齢の割には白髪が多い、これはラストの水木と同じだ。桜の近くに人間が長くいると霊障によって、白髪になり、記憶が失われてしまうのだろう。鬼太郎の母のことを夢の中で会った女と繰り返し言っていたのは、そのことからだろう。
⑨時麿
時麿は、顔に白粉を塗っている。病気がちだった彼が元気になったのは、「M」を打ったからで、「M」を打つと肌色が変わるため、それを目立たせないようにさせるためだと思われる。
⑩支配する者とされる者
水木は乙米を見て、『総員玉砕せよ!』でも描かれた上官のシーンを思い返す。それは支配する者と支配される者の対比を表し、乙米と上官はただ傍観するだけという点で共通している。支配される側は、いつだって、命令に従わないといけない。
おわりに
以上で今回の考察は終わる。
他にも少し気づいた点があるが、長くなるのと10項目とキリが良いのでここまでにする。
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