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トーフビーツの難聴日記を読んで



トーフビーツの難聴日記を読んでいて思うのは

価値観を共有する、共感できる人の日記を読むのは面白い。

ということだと思う。

そもそも日記を書くという事は日々が面白すぎる人は書けないし

突飛な人には書けないと思う。

自分の毎日を記録するという事は最低限の客観性が必要で

あると思う。

自分の行動の善悪を判断し内省する事が日記を記す上で

必ず必要になるように思う。

自分の日々が面白すぎる人は多分面白すぎる日々に夢中で日記

など書く暇はないし

突飛な人は自分の行動を内省して整合性がつかなくなって日記が

書けなくなるか突飛な事ができなくなると思う。

それか創作になるか。

それはそれで読みたい気もするがまあそれは置いておいて

突発性難聴になってしまってから日記に日々を記録し始めた著者は

東京に事務所を持ちコロナ禍になり

ライブハウスの未来を案じたり

婚姻届を出し楽曲を製作したり

ラジオやイベントに出演したりして日々を過ごしていく。

そこに色々と感じる様を

率直に思っている事を書いていく。

著者のコロナ禍に対するスタンスに

自分も漠然とした不安を感じていたのを思い出す。

著者がCD評の連載していたのが

「昔は週二は音源を買いに行っていたのが今は月二回ほどになり

そうなったら連載が終わるだろうなと思っていたら現実に

月二回ほどになったら連載も終わる事になった。」

という話を読んで自分が過去と今の本屋に行くペースと全く

一緒だなと思った。

音楽はサブスクや動画配信があったりとで

また状況は違うが音楽家の経済的な危うさが

コロナと重なったりして

自分とはまた見え方が違うのかなと思い

あと自分も一介の不動産を貸し出す人間として

適当な人を相手にするのは本当に良くないと思った。

読んでいて自分もシンエヴァみてドライブマイカーみて

証言モーオタ読んだなあと思ったが

平常時よりもコロナ禍であることで

この人もこれみて読んだんだという事が

より嬉しく感じ

この人をどういう状況でどういう気持ちで

これを読んだり観たりしたのだろうかと言うのを

より深く考えてしまう気がする。

そういう事を感じられてとっても読んで良かったと思う本でした。

本の中で最大の衝撃のエピソードとしては

東京の湾岸に出かけた時の親子連れにみえる人々の風景の話が

むちゃくちゃびっくりした。

トーフビーツさんの事を好きな元奥さんにその部分を

読み聞かせたら震えあがっていた。



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