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映画「スペース・サタン」レビュー「ヨボヨボの爺さん(カーク・ダグラス)を接待する映画。」

土星の第3衛星基地"サターン3"で四六時中,乳繰り合いながら
食糧危機の研究を続ける, オイボレのアダム(カーク・ダグラス)と
若く美しいアレックス(ファラ・フォーセット)の元に,
ベンソン(ハーヴェイ・カイテル)が新たに赴任して来る。
実はベンソンはアレックスに恋した殺人者で
自分の脳髄と直結したロボット:ヘクターを構築し,
基地の乗っ取りとアダムからアレックスの強奪を目論んでいた。
アダム,アレックス,ベンソンの3角関係の縺れに加えて,
ベンソンの人格を移植したヘクターが横恋慕ロボと化し,
4角関係を構成し,事態は混迷の度を深めるのであった…。

本作公開(1980年)の前年(1979年)「エイリアン」でリドリー・スコットが
7人の乗組員から細心の注意を払って色恋沙汰を取り除き,
女が男に対して対等に物申す世界観を提示して見せた先進性こそ
「エイリアン」が今日でも傑作と評されるキモを全く理解せず,
女(ファラ・フォーセット)がヨボヨボの爺さん(カーク・ダグラス)の
足に縋って, 只々かつてはワイルドだった爺さんを称賛し,
女は黙って爺さんに従って付いて来ればいいという
超前時代的な世界観を提示したのが本作である。
ファラ・フォーセットに「セクシーな美女」以上の魅力が何ら付与されず,
男と同衾するか棒立ち状態で,彼女の愛情を得るために
男達が延々痴話喧嘩を繰り広げる有様。

心底下らない。

一体「エイリアン」から何を学んだのか。
常に「上下」がある宇宙の描写も気になった。
「2001年宇宙の旅」からも何も学んでない。
本商品の評価は星3つが相当かな。
1980年製作とは到底思えぬ古臭い作品に対して,
これでも過分な評価と愚考する。

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