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映画「最強殺し屋伝説国岡 完全版」ブルーレイレビュー「確かに国岡には華も愛嬌も無いが玄人受けする殺陣は堪能出来ると思います。」

「ベイビーわるきゅーれ」を製作するに当たり,関西に「殺し屋協会」が
あるのを知った阪元裕吾監督が,協会員であり京都最強の殺し屋と呼ばれる
殺し屋歴2年目の国岡昌幸(伊能昌幸)23歳に密着取材した,
ドキュメンタリー映画…という体裁で製作された
言わば「ベイビーわるきゅーれ」の原作とも言える作品。

国岡がコンビニでサンドイッチやスナック菓子を買ったり,
最近付き合い始めた彼女から急に連絡が来なくなったことを心配したり,
唯一の友人とM1観て笑ったりと,
ごく普通の23歳の若者の姿が綴られて行く。

しかし皆が定時に起床して満員電車に揺られて出社し,
日々の業務に追われる様な「普通」のハードルが大変高く,
自分には「殺し」という他の誰にも無い職能があるのに何で
「普通」のサラリーマンと同じに生きねばならないのか,
という「普通」に生きられない鬱屈と「職人」としての自負心とが
せめぎ合う手に職を持つもの特有の葛藤が描かれて行く。

そんなある日,彼は依頼元との連絡ミスが原因で間違った人間を殺してしまい,依頼元と大喧嘩し,依頼元がキレて金に糸目を付けず次々と殺し屋を雇って
差し向けて来るわ,誤って殺した人間の縁者が敵討ちの為に襲って来るわで,
四六時中刺客に襲われ,国岡は片時も安らぎが訪れない日々を過ごす事を
余儀なくされるのであった…。

舞妓はん殺し屋,マーベルコスプレ殺し屋,
メタルギアのビッグボスのコスプレをした殺し屋等々,
色々な殺し屋が時には敵,時には味方として登場し,
登場したはいいが,てんで弱くて話にならず,
思わず笑いを誘う殺し屋もいれば,
1対1のガチバトルを通りで延々繰り広げる強敵もいて退屈しない。

主人公が「男であること」は欠点では無いが,感情を表に表さない
愛嬌も華もない設定上,玄人受けする渋いバトル映画好きの男子が
感情移入し易い1面があり,
「続編」の「ベイビーわるきゅーれ」では女2人の殺し屋の話となり,
派手なバトル好きの男女が楽しめる様に
間口が広がったのではないかと愚考する。

僕が好きな殺し屋はホワイトベアー率いる8人のチーム。
標的のジジイにいい様に殺られ,終始ゲラゲラ笑い続けた。

先程述べた様に主人公男に愛嬌も華も無いが,
男にそんなもん必要ねえ~!と開き直れば,
女子に受けずともバトル映画好き男子の人気は得られると僕は思う。

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