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映画「宇宙からのツタンカーメン」ブルーレイレビュー「淡々とした描写に辟易。好事家でも廉価版の登場を待つのが賢明」。

エジプト・ツタンカーメンの墓所で発見された棺が
カリフォルニア科学大学に運ばれアッカーマン教授指揮の下,開棺される。
棺には未知のカビが付着したミイラと古文書が発見される。
手癖の悪い学生が
宝飾品と思われる5つの水晶を棺から失敬し方々に売り捌く。
だが大量のX線を浴びたミイラは
太古の眠りから覚め,5つの水晶を求めて大学周辺を徘徊し始める。
教授の調査によりミイラは太古のエジプトで「高貴な旅人」と呼ばれ,
彼は奇病に罹患していて
ファラオや側近の者に病気を蔓延させ死に至らしめた為,
王の亡骸と共に生きながら封印されたと判明する。
彼に付着していたカビには食人性があり,
それが彼が罹患していた病気だったのだ。
ミイラは5つの水晶を集めながら,
食人カビを蔓延させ,未曾有のバイオハザードを引き起こそうとしていた…。

初見。
作り手は大真面目なのだろうがふざけている様に見える気の毒な作風。
ふざけていると言うのは,ミイラの正体に関してと,
唖然とする様なオチに関してであって,料理の仕様によっては
同年公開のE.T.に比肩する可能性を秘めておきながら,
滑る様に移動し人を襲うミイラが
SFマインドにもホラーマインドにも欠ける
平坦で淡々と進む演出のお陰でその可能性を台無しにしてるからだ。
不思議を不思議と思う心もくすぐられず微塵も怖くないのだ。
恐らく「未知との遭遇」を意識したラストは
E.T.に成り得た可能性の残滓を感じさせるが
40年待っても待望される「続編」が作られないのが
本作品への「評価」と思える。

こんな映画だが思わぬ見所があって,
カーペンター監督の「要塞警察」(1976年)で
ビショップ警部補役のオースティン・ストーカーが医師役で
ナポレオン・ウィルソン役のダーウィン・ジョストンが
警部補役で出演している。
どうせなら磯浦勉&青野武氏に吹き替えて欲しかったが
残念ながら別の方が吹き替えてる。まあ脇役だしね。

音声はDTS-HD Master Audio英語/日本語音声が搭載され健闘してる。
日本語吹替は映画全体を包含しておらず,
吹替がカバーしてない箇所は字幕対応となっている。

特典は字幕なしの予告編のみ。
流石のキングレコード品質である。

僕は本商品を41%OFFで投げ売りされていたのを保護したが,
それでも高いと思う。
素直に廉価版が出るまで待つのが賢明であったと断言する。

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