皐月臨さんの一次創作同人誌「her body i」レビュー「オトコがオンナを…理性的に考えられない理由の全てが「her body」に結集してるのだ…」

鬱蒼と茂る森の中,野盗に襲われた一団の死骸が並ぶ。
野盗の「おこぼれ」にあずかろうと
1人の若い盗人が野盗に襲われた残骸をさらに漁っていると
豊満な肉体のシスターの死骸を見出す。
盗人くんには死姦の趣味はなく
「ああいい体の女が死んでるな」
以上の感慨は無かったのだが…。
盗人くんの眼前でシスターが死んだまま活動を再開して
みるみる傷が癒えて行く。

自分は「魔性」と出会ったのではないのか…。

蘇生して傷の癒えたシスターは「悪魔」を滅ぼす力はあっても
「生者」に対しては何ら力を発することが出来ず
「生き返る」のに相当なエネルギーを必要とする様で
さっきからバクバク喰いながら身の上話をしている。

どうやらシスターは生前「天然」だった様で
盗人くんを「命の恩人」と思って何でも言う事を聞いてくれると言う。

「死体」は盗人くんの守備範囲外だが生き返ったなら話は別で
「何でもって言ったよね?」
と言いながら豊満な肉体のシスターに劣情を催しのしかかって行くが…。

…「結末」は明かさないがシスターは「生者」である盗人くんを
救うコトが出来なかった事を詫びて去って行く…。

驚異のウルトラゴアホラー映画レビュー本「映画の独り言」

世界で唯一のルカ・グァダニーノ版「サスペリア」…。
通称「ルカぺリア」の超詳細解説本「To Die」

の2冊を引っ下げてホラー映画レビュー界に旋風を巻き起こした
オンナ・皐月臨が世に問う「本当の魔女」こそが本同人誌なのだ。

ナルホドな…コレは「ルカぺリア」の極個人的な…。
超私的な「続き」なのやも知れぬ…。

僕はたまたま性別が「男」で…。
「女」に対して理性的に接しようと試みても必ずしくじるのは…。
「her body」が理性的判断を妨げ,下半身で考える事をさせるからで
僕の「スケベ根性」が常にしくじりの根源である事を
この短篇漫画は良く表している。

女を「魔性」と呼び…全ては「女のせい」とする考えに対し
女の肉体に下半身が疼いた「男のせい」とも言え…。

このシスターが煩悩に苦しみながら生きる生者を救うコトが出来ないのは
専ら「her body」が善行の実現を阻害してるからだと描いてはいるものの
シスター自身が自分の豊満な肉体に無自覚とは到底思えないのに
彼女が「自分の武器」を知ってか知らずか
「何でも言う事聞いてあげる」と若い男に持ちかけてくるところに
この話の「いやらしさ」の根源があり
「人は決して仏になどなれない」理由の全てがあるのである。

結局「仏」になりたかったら「悟り」を啓きたかったら
チンコを切るしかないのだが…
「それ」が出来たら…簡単に「男」を投げ捨てられたら
この世に「悩み」など無いのである。

つまり…このシスターには「男が悩む」理由の全てが結集しているが故に
「悩ましく」描かれていて彼女が決して「聖女」に成り得ない理由の全てが
「her body」に結集しているのだ。

仮にこのシスターが枯れ木の様な婆さんだったら「悩み」など何もないが
そうは問屋が卸さねえんだよ。
彼女は今日も何処かで豊満な肉体を無意識的に誇示しながら
若い男に
「ワタシ…アナタを救いたいの」「何でもアナタの言う事聞くよ…?」
と語りかけて来るのである。

このッ…いっやっらっしっいっメスがッ!
このシスターはなあ…。
滅茶苦茶巨乳に描かれていて「理性の保持」が著しく困難なのである…。
くそッくそッくそッくそッくそッ…!
皐月さんに…足元を見られている上に心中を見透かされているッ!

…なんだやっぱり「魔性」じゃねえか。
「魔性」はさっさと火炙りにして
宇宙の塵に返すのが「正しい」とは思うが…。
男に「スケベ根性」がある限り…。
男の一物が屹立する限り…。
男が「現役」の看板を投げ捨てられない限り…。
その「正しさ」を肉欲が妨げ…実行を著しく困難にするのである。

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