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マリオ・バーヴァ監督の映画「血みどろの入江」DVDレビュー「一粒で何度美味しければ気が済むのだ,この欲張りアーモンドグリコめ!」

入江の利権を巡る連続殺人事件という本格ミステリ要素と
都会育ちの自由奔放な若い男女がのこのこ田舎にやってきて
相変わらずイチャコラチュッチュしていたら,どんな目に遭っても
文句は言えねえという「悪魔のいけにえ」(74年)的要素と
隠し味に「ザ・チャイルド」(76年)的要素を利かせ
これらの要素を84分間で収め,なおかつゴア描写満載で
エロティックな要素も漏れなくフォロー。
しかも本作品を通しでみても論理的破綻がゼロであるという
「ルーマニアの妖精」の演技を目撃した審査員の如く唖然としながら
「10点,10点,10点,10点,10点」と連呼せざるを得ない大傑作映画である。

しかも本作品が公開されたのは70年なのだ。
「ザ・チャイルド」はおろか「悪魔のいけにえ」の先達でもあるのだ。

何という「進取の気質(エンタープライズ)」!
Mr.スポックもバルカンサインを出したまま固まるわ!

ホラー映画のマエストロ,マリオ・バーヴァの手の平の上で
いい様に転がされ続ける他はない僕なのであった。

5点評価で50点だ!

本商品のスペックを以下に紹介する。
画面
16:9ビスタサイズ

音声
英語モノラル(なぜ、イタリア語ではないのだろうか?)

画質
若干画面が黄ばんで見えるが特に目立つ瑕疵もなく
1970年の映画としては十分合格点である。

各種テロップは全て英語表記となっている。

特典映像
1.主要スタッフ&キャスト紹介

2.ダルダーノ・サケッティ(原案)のインタビュー
本編映画の一部を時系列で挿入しながらダルダーノ御大の自慢たれ…。
…もとい貴重な四方山話を31分48秒も聞ける拷問…。
…もとい素晴らしい内容である。
何といってもイタリアホラー映画界の3大巨匠であるマリオ・バーヴァ,
ダリオ・アルジェント,ルチオ・フルチと組んで映画を作成した
貴重な「生き証人」なので学ぶところは大である。

3.ジャンロレンツォ・バッタリア(撮影助手)のインタビュー(00:20:23)
マリオ・バーヴァ監督の「ひととなり」を知るうえで
貴重な証言が満載である。
監督に対する敬愛の念が直に伝わってくる。
監督がアルジェントやフルチほど
認知度が高くないことを惜しむ姿が印象的である。

4.ジョー・ダンテ監督による作品評(00:12:23)
ジョー・ダンテもマリオ・バーヴァの知名度の低さ惜しむひとりである。
知名度の低さゆえマリオ・バーヴァ作品を上映する映画館を捜すのも大変
配給会社も小さくて,すぐ倒産してしまい
更にマリオ・バーヴァ作品を視聴する機会が減ったと
こぼしているジョー・ダンテの姿が
僕自身と重なり更に趣の深い内容となっている。

5.劇場予告編
筆者としては、本商品の白眉がコレだ。
「CARNAGE(虐殺)」名義の予告編を視聴して数日うなされてしまった。

6.エドガー・ライト監督による予告編解説
「CARNAGE」名義の予告編の音声解説である。
本予告編でトラウマを植え付けられ眠れぬ夜を過ごしたのは
僕だけではないのだ。
本商品のもうひとつの白眉である。

7.ラジオスポット1

8.ラジオスポット2

9.ギャラリー

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