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映画「真・事故物件 本当に怖い住民たち」レビュー「開始50分までは本当に詰まらない。それまでは耐える他ないが映画は「耐えて観る」もんなの?」

過去にカルト教団の儀式でバラバラ殺人があったと噂される事故物件のアパートに,
とある企画で3人の女子ユーチューバーが住み込んで噂の真相を確かめようとする。

前振り20分,問題のアパートに3人の女子が住み込む生活描写30分,
開始50分後に「害意」からの攻撃が始まり,開始60分後から約10分間で真相が解明され,
監督のユーチューバーに対する本音が炸裂,
地獄絵図が5分,気分爽快なオチが5分,合計約79分という構成だ。

先ず言わねばならないのは「害意」からの攻撃開始が遅いと言う点。
言い替えるなら開始50分迄ホラー映画愛好家が期待する意味での
「見せ場」が皆無なのが本作の最大の急所と言える。

次に言わねばならないのは,俳優さんが何を言っているのかヘッドホンをしても聴き取れない点。
特典映像の予告編に英語字幕が付いていた様に,
主役の佐久間姫子(作中人物。演じるのは海老野心氏)の心霊スポット突撃取材レポートで彼女の台詞が全て字幕化されていた様に,
映画本編にも日本語字幕を付けて欲しかった。
「日本人が日本語を話す日本映画に日本語字幕は不要」では断じてない。
俳優さんの滑舌の問題,早喋り,視聴者が聴力に難がある場合等に対応するには日本語字幕が絶対に必要なのだ。

「害意」からの攻撃が始まると,
アルジェント監督のジャッロ描写,ルチオ・フルチ監督の「地獄の門」の内臓ゲロ描写,
腹から「最初の人間アダム」を取り出す描写はエヴァと恐らく「マイドク」の脳手術描写,
「サスペリア」のエレナ・マルコスのメイク描写,「エクソシスト」の悪魔が一瞬見える描写,
「デスプルーフ」の拳固による殴打描写等々,監督の「自分の好きな映画」へのオマージュが炸裂し,
ホラー映画愛好家は漸く恵比須顔となる。
「害意」を鉄拳制裁する描写が取り分け素晴らしい。
現代のホラーに於いては,例え女子であろうと,例え5体をバラバラにされようと,
例え死霊に身をやつそうと,やられたら,やり返す,殴られたら,殴り返さねばならんのだ。

本作は続編の製作が決定したので,本作で唯一無傷のアイツには是非再登場して頂いて,今度こそ酷い目に遭って欲しい。

特典は予告編と監督とキャストと関係者の音声解説。音声解説も出来れば字幕対応にして欲しかった。

本作の評価は開始50分迄はホラー映画愛好家的に退屈するので星1つ減点,映画本編と音声解説が字幕非対応な点で更に星1つ減点して星3つ評価とする。

最後となるが本商品は完全受注生産のBD-Rで,
Amazonで注文した数だけ生産され,Amazonからしか注文出来ない。

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