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映画「テンタクルズ」レビュー「本作は本邦でこそ最も愛されるポテンシャルを秘めた作品なのだ。」

「スプラトゥーンの?」って突っ込みは無しで。
「ジョーズ」が大ヒットして皆サメより強い生き物を探しました。
本作はタコ映画なのだがシャチより弱く
「オマエ,サメより全然弱いんじゃね?」
と突っ込まれた挙句,シャチとの対決が影絵で描かれる
ゲキメーション猫目小僧もビックリの展開。
僕も若かったからね。
思わず「ふざけんなッ!」って叫んでしまったよ。
僕はシャチは敵に回すと怖い事を本作と「オルカ」から学んだのである。

無能な部下を叱る貫禄の演技を披露するヘンリー・フォンダ
タコに襲われる恐怖の表情が素晴らしいシェリー・ウィンタース
タコに襲われるバカっぽい表情が相変わらず素晴らしいシェリー・ブキャナン

等のキャストの演技が光る。

本作の新聞広告を見ると歌手の伊東ゆかり氏のコメントが凄い。

こみあげる涙
悲しみをおもてにあらわさずに
男が闘いの場に出向くとき
女の私の胸にこみあげた
熱い思いを忘れられません

コメントが最早演歌の歌詞なのだ。
本作の売り文句は「妻の命を(タコに)奪われた夫の復讐」故
伊東氏が「こみあげる涙」を一節歌えば反響はあった筈。

本作の見所はウィンタースとブキャナンの美人姉妹役が
タコに襲われる場面で,
葛飾北斎の「蛸と海女」に代表される様に,
女と軟体動物の絡みは江戸時代から人気で,
本作は本邦でこそ最も愛されるポテンシャルを秘めているのだ。
太極拳並に緩慢な展開も,今から思えばお茶目でよい。
もういい加減許してやろうじゃないか。

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