見出し画像

フランク・ヘネンロッター監督の映画「フランケンフッカー」レビュー「誰からも祝福されずに誕生した「彼女」の佇まいが生き様がッ!猛烈にカッコイイのです。「彼女」はキチンと客を取りますので死姦趣味の方,必見の映画でもあります。」

電力会社に勤める若き天才科学者ジェフリー・フランケン博士は,
自分の発明した芝刈り機に
恋人のエリザベス(元祖フランケン博士の恋人の名)を巻き込んで,
五体バラバラにして死なせてしまう。
だが彼は密かに特殊な培養液に彼女の頭部を保管していたのだ。

彼は彼女を蘇生させるに当たってヌードグラビアに載っている様な
豪奢な肉体を求め, 貯金をはたいて「お医者さんゴッコ」と称して,
選りすぐりの娼婦8人の肉体の「いいとこ取り」の究極の女体を
創造しようと言う肚なのだ。

だが娼婦8人を麻薬中毒にして死に追い遣る心算が
特製の麻薬の効き目が強過ぎた故なのか,
8人の肉体が爆ぜ,肉塊と化してしまう。

ええいままよ。

バラバラになった8人の遺体を拾い集め
使えそうな部位を選りすぐって縫い合わせ,
最後にエリザベスの頭部を据えて,
落雷による電撃を二度,三度と加え
斯くして「フランケンシュタインの怪物」は蘇生する。

だがそれはエリザベス+8人の娼婦=9つの人格の融合したキメラであって,
9つの人格が何の脈絡もなく入れ替わり
「生前の言葉」を繰り返すオウムに過ぎず,
金を取って男と寝るしか能がないうえ,
寝た男を電撃で爆殺する恐怖のフランケン娼婦(フッカー)だったのだ。
「彼女」は生前そうであった様に街角で客を取り始めるのであった…。

「原作」は「フランケンシュタインの花嫁」だと
ヘネンロッター監督は主張するがそんな生易しい代物じゃねえよ。

それでも初めは大人し目の出来かと懸念したが,
8人の娼婦が爆殺される件から監督の悪趣味大健在を猛アピール。
兎に角ねえ…。
誰にも祝福されずに誕生した「彼女」の佇まいが生き様がッ!
猛烈に格好良く,声援を送りたくなるから不思議だ。

終盤のてんやわんやの大騒動も悪趣味全開で大満足。

女のバラバラ死体を拾い集めてヌイヌイし
継ぎ接ぎだらけの女がギクシャクと
往来のド真ん中を堂々と闊歩するのを観ると
心がウキウキする方にオススメです。

フッカーちゃん(元死体)はちゃんと客を取りますので
死姦趣味のある方も見逃せませんね!

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,330件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?